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 2008
 5. 31

◎「Africa A 21century Power:アフリカ21世紀の力」、アフリカ開発会議に来日していたロック歌手ボノ氏の言葉です。
 エイズや、貧困に苦しむアフリカ問題に対し支援活動をしてきたボノ氏は、日本のそして世界の緊急の支援の必要性を訴えています。私の机の淵には、06年12月1日付の新聞の切り抜きが張られています。すでに黄色くなった切り抜きは、「アフリカを『ホットケナイ』」の見出しのボノ氏(06年世界エイズデーを前に来日)の記事です。
 やはり今回の会議に来日したノーベル平和賞受賞者マータイさんの「MOTTAINAIもったいない」運動とともに、この「ホットケナイ」活動を支持します。いつもの便りです。

 『鎌倉時代後期造像のお不動様』
◎印西にある真言宗豊山派の名刹結縁寺に行ってきました。
・本堂正面に安置されているのが今回お寺の御配慮で特別に見せていただいた銅像不道明王立像です。
・本体は50cm位でしょうか、小ぶりの像ですが両目を強く見開き、上下の牙で唇をかみしめ、力強く立つ姿からは、威厳と怒りの根源のような感じを持ちました。
・地域の人々から「お不動様」と呼ばれるこの像は、毎年9月28日に開帳されます。一度足を運ばれてはいかがですか。源頼政の伝承の里にある奈良時代初期創設のお寺の幽玄な魅力がたっぷりありますよ。


   
    国重要文化財:銅造不動明王立像

結縁寺…奈良時代、行基創設。寺名は、平安時代に寺に入った真言宗の僧が「結縁灌頂けちえんかんじょう」という仏縁行事を行ったことに由来するという。建物は最近改修され大変きれいです。

   
 2008
 6. 10

◎また、無差別殺人が東京秋葉原で起こりました。世の中あらゆるところでストレスがたまっているのでしょうか。

 『昔から人々に守られてきた自然、それが里山』
◎「昔々、爺は山へ芝刈りに、婆は川へ洗濯に。・・・」江戸初期元禄年間前後の赤本「桃太郎」の出だしです。
・この日本のおとぎ話に出てくる爺が出かけた場所が、里山です。下総地方でいえば標高わずか10から20メートル位の場所にある雑木林が、その山にあたるのです。
・今のように化石燃料に依存する前には、人々はまさに山に芝刈りに出かけ、薪炭を得、肥料を得、山菜や木の実を得ていたのです。
その山もいつの間にか、忘れられ放置されてしまい、現在はそのほとんどが荒れて、鳥も入れないようになってしまいました。
・先日、戸神の調整池の脇の遊歩道を歩いていましたら、株立ちしたシラカシの大木が目に入りました。薪炭を採った後に株立ちしたものか、あるいは何らかの人為的な伐採により株立ちしたものでしょう。


   
            株立ちしたシラカシ

シラカシ…ブナ科コナラ属の常緑高木。原産は日本、中国など。どんぐりの殻斗は浅い椀形。用途は建築材、器具の柄、防風林、そのほか薪炭としても用いる。
 2008
 6. 16

◎昨日6月15日は、千葉県県民の日でした。
 明治6年に木更津県と印旛県が合併して、千葉県ができた日から135年です。でもこのような記念すべき日なのに新聞(朝日)には何にも出ていませんでした。どうなっているのでしょう。
いつもの便りです。

 『ちょっと妖しい魅力のある蝶』
◎印西市別所にある古刹に行ってきました。
 ホトトギスの声を聞きながら谷津田にそった道を1時間ほど歩き、ついた古刹のたたずまいは、ゆったりとして落ち着いたものでした。
仏さまに供えるのでしょうか、境内に花が栽培されていました。
 ふと見ると、アジサイの葉に黒い蝶がとまっていました。・普通のアゲハより少し小さめで羽全体が黒、そして後翅に三日月形のオレンジ色っぽい黄褐色の斑が目立ちました。
・ウマノスズクサ(毒草)を食草としているジャコウアゲハでした。全部で4頭が舞っていました。ちょっと妖しい美しさのする蝶でした。


   

ジャコウアゲハ…アゲハチョウ科、日本にすむ黒いアゲハの中では、一番ゆるやかに飛ぶ蝶。捕まえると麝香(じゃこう)のような香気を出すことからこの名がついたという。食草は、前述の通りに、有毒成分のあるウマノスズクサ。この蝶も有毒のため鳥に襲われることは少ないという。

 2008
 6. 20

◎「スローロリス」が、流山市の公園で見つかったとニュースでやっていました。この絶滅の危機にある小型サルは、名前のとおり、行動もスローだそうです。
今回の便りは、サルではありませんが、やはり「スローな話」です。

  『電気を消してスローな夜を』
◎夏至(冬至)の日に「電気を消してスローな夜を」と2003年に始まった「100万人のキャンドルナイト」。今では日本全国はもちろん、韓国、オーストラリア、フランスなどにも広がっています。
・明日、6月21日(土)夏至の夜の20時から22時の2時間、電気を消してキャンドルの灯りでスローな時間を過ごしませんか。
・なお、各地でキャンドルナイトのイベントも行われます。こちらに参加してスローな気持ちを共有するのもいいですね。

◆キャンドルナイトのイベント情報…
〇100万人のキャンドルナイトin東京八百夜灯2008
東京タワーのライトダウンのカウントダウンもある。
 21日 12時から21時 港区芝公園
○キャンドルナイトin船橋
 21日 19時から24時 JR船橋駅北口広場
○2008キャンドルナイトinかまがや
 21日 20時から22時 東武鉄道鎌ケ谷駅東口広場
その他にも各地でいろいろあります。もっとも私は、家で缶ジューススタンドのいつものキャンドルでゆっくり過ごすつもりです。皆さんはどうしますか?
 我が家でいつも使っているキャンドル(ただのローソクです) スタンドは、ジュースの缶、これもリサイクルですね。


   

 2008
 6. 30

◎牛・鶏・チョコ・餡餅・ワカメ・ズワイガニ そして、ウナギの共通点はなあに?誰でもすぐにわかるクイズの答えは「食品偽装」です。全く食の偽装は収まる兆しがありません。これでは、将来なりたい人や職業はと問いかけても目標を持っていない子があるのも頷けます。いつもの便りです。

 『虫こぶって?』
◎木の葉や枝に、あるいは草の葉や茎にこぶのようなものがついているのを見たことがある人は多いと思います。でも、それが何なのか知らない方(或いは考えたことがないという方)もあるのではないでしょうか。
・植物の葉や茎にこぶがついていたり、芽が異常に肥大していることがあります。中を割ってみると虫やその卵が見つかることが多いです。このこぶを「虫こぶ」とか「虫(ちゅう)えい」と呼びます。
・ただ、このようなこぶは昆虫だけでなく、ダニや線虫、さらには菌類や細菌によってもできることがわかってきました。最近では、これらをまとめて、ゴール(Gall)と呼ぶようになりました。
・よく見かけるのは、エゴの木の虫こぶやミズナラの木の虫こぶがあります。今回はミズナラの枝に美味しそうなまるで小さな桃かリンゴがなっているように見える虫こぶが見つかりました。
皆さんも公園などを歩く時に樹木や草に目を向けてみてはどうですか。きっと虫こぶが見つかりますよ。


   
   ナラメリンゴタマバチの虫こぶ


ミズナラの虫こぶ…ミズナラの芽に形成されるほぼ球形の中(ちゅう)えいで、淡い緑から赤褐色になる。内壁はスポンジ状という。
作った虫は、ナラメリンゴタマバチ

 2008
 7. 6

◎明日7月7日七夕の日、洞爺湖サミットが始まる日「クールアースデー」として夜8時から10時までライトダウンの呼び掛けが行われております。
 私の住んでいる印西市でも「CO2削減ライトダウンキャンペーン」を呼び掛けております。皆さんも6月21日夏至の日に続いて消灯して過ごしてみませんか。その場合はローソクの用意をして下さいね。

 『天からお宝が降ってきた』
◎印西地区には、鳥見神社と宗像神社が点在しています。
 散策会の下見の折にその神社の一つ戸神宗像神社に寄ってきました。ちょっとした高台に建つこの神社は本殿を除いては最近改修されたもので、きれいで落ち着いた雰囲気を持っておりました。

・この境内から東南の方面を見ると、眼下に広がる水田の向こうに光って見えるのが印旛沼(西)の湖面です。

・社殿の前に立つと銅ぶきの屋根の軒下には、コガタスズメバチの独特の形の巣が見られました。ほんの少しの賽銭を入れ、鈴ひもを振った瞬間に何かが天から降ってきた感じがしました。何だろう?
 答えはすぐにわかりました。私の足元で見つけたのは、艶のある立派なノコギリクワガタのオスでした。
 大あごの内側がのこぎり状になっているこの虫は、男の子にとってまさに「お宝」そのものです。

・つかんでみると、指をはじき返すようなパワーを感じました。野生の力はすごいです。
 とまっていたと思われる鈴の紐にそっととまらせ、神社をあとにしました。



   鈴ひもにとまっているノコギリクワガタ
   

ノコギリクワガタ…甲虫目クワガタムシ科の昆虫。大形のクワガタムシ(オス36〜71ミリ)で、大あごの内側がのこぎり状になっている。雄の大あごは、体の大きさによってまっすぐだったり、湾曲する。クヌギなどの枯れた木に卵を生みつけ、幼虫はそれらのくち木を食べながら育つ。卵から成虫になるまでには2〜3年。

 2008
 7. 10

◎今日、7月10日は「納豆の日」です。全国納豆協同組合連合会が、1992年に制定したものです。7と10のごろ合わせ。
 また、「四万六千日」寺や神社の縁日。この日参拝した者には、4万6千日参詣したのと同じご利益と功徳があるといいます。今日は、ご近所の寺社にお参りして夕ご飯に納豆を食べませんか。粘りのある長ーいご利益が頂けるかもしれませんね。いつもの便りです。

『でっかく堂々とした奴』
◎アンデルセン公園(船橋市)に造られたビオトープで生き物観察をしました。前半田んぼと小川で小さな網とプラスチックの入れ物をもって生き物探しです。
・田や川には入れないため、手の届く範囲に見られる小さな生き物を採取し、観察をしました。田んぼにはドジョウ、ヤゴ、マツモムシなどが見つかりました。
 またわずか幅30センチほどの小川にもヨシノボリ、アメリカザリガニ、ニホンアカガエルなどがいました。

・だいたい調べてから上の池に行きました。するとKさんの「大きいのがいます」の声にちょっと濁った水面をみますと何かが水中で動いていました。それも10センチをはるかに超える魚のように見えました。水が少し澄むのを待ち、覗き込むと大きなオタマジャクシが見つかりました。
・Nさんが軽やかに振った小型網の中には、全長10センチ以上もあるオタマジャクシが2匹入っていました。すでに立派な後ろ足がでているウシガエルのオタマジャクシでした。
・観察したあとそっと水中に戻すと、バシャッと尾で水を跳ね飛ばして水中にもぐっていきました。


・後半は、最上池の周りでトンボや甲虫を探し下見を終了しました。なお、ここアンデルセン公園ビオトープ(里山)で、7月21日(海の日)に自然観察会があります。問い合わせ及び申し込みはアンデルセン公園へ

   
 ウシガエルのオタマジャクシ 全長10センチ程

ウシガエル…アカガエル科の大形のカエル。1〜3メートルも跳躍し、泳ぎも潜水もうまい。鳴き声が牛に似ているためこの名があるが、「食用ガエル」としても有名。アメリカから大正時代に輸入された12つがい。
 オタマジャクシは、越冬し翌年カエルになる。全長12〜15センチにもなる。
・食べたことある方いますか。いましたら味など教えて下さい。


 2008
 7. 14

◎両足義足の短距離選手オスカー選手(南アフリカ)が、国際陸上競技連盟から義足は有利という理由でオリンピックをはじめとする国際陸上競技会に参加不可と決定されました。それは、南ア選手権400メートルで、健常者を相手に2位に入る成績を出し、義足が有利と疑われたためです。この決定に対し、スポーツ仲裁裁判所が無効の判定(5/16)をしました。
 判定によりやっと門戸が開かれましたが、先日11日の大会は力が発揮できず、この16日のスイスで再度挑戦となるそうです。障害を持っている人たちにとって希望の星ともいえるオスカー選手のオリンピック出場を祈りたいものです。

 『JR船橋駅にツバメの巣』
◎先日JR船橋駅の北口入口中央の扉の上に設置表示されている「船橋駅」の文字盤(真ん中の『橋』の上)にツバメの巣がありました。
・ツバメはこの数年各地で営巣数が激減していると聞きます。その理由は巣の材料の泥や藁などが手に入りづらくなったことや、昆虫が少なくなったこと、あるいは天敵のカラスが増えたことなどいろいろとあるようです。
・しかし、その中でも人のツバメに対する気持ちがだんだん変わってきていることも大きな原因ではないでしょうか。
・毎年やってくるツバメを心待ちにしているお宅や、商売繁盛に繋がると店の軒下に営巣用の板を取り付けたりする家が減ったのです。営巣場所も建材がサイディングやボードなど作った巣が落下しやすくなったことも原因でしょう。



   
    「橋」の上に巣がある。
    左上部に影のように見えるのが親鳥


・駅入り口の中央部にある巣ですから、当然糞のことも考えなければなりませんが、巣の下にそっと置かれた2個のカラーコーンに駅員さん、乗降客の皆さんの温かさを感じました。無事に巣立つといいですね。

ツバメ…スズメ目ツバメ科の渡り鳥(夏鳥)。市街地や集落周辺にすみ、人家や商店の軒下、駅舎、ガレージなどの人工建造物、特に人通りの激しいところに営巣する。人を頼っているんです。
 2008
 7. 23

◎今日、草深の森で子供たちと虫取りをしたあと、スタッフでお茶を飲みながらおしゃべりをしました。
 その時「自然の中で虫探しをすることは、小さな命に触れることであり、子供期にとってとっても大切」という話が出ました。

 今年数回目になってしまう無差別殺人が昨日ありましたが、子供の時から、命の大切さを色々な場で感じてもらうことが絶対に必要ですね。いつもの便りです。

 『ひらひらひら、蜻蛉のようでも蝶のようでも』

◎昔は夏の風物詩であったというが、今では本当に珍しくなってしまったのが、この「ひらひら昆虫」です。
・先日、印旛村の里山を歩いた時、ガマの穂が群生している湿地で蝶のようにひらひらと舞う美しいトンボを見ました。私も1年に一度か二度位しか見ないトンボ、トンボ目トンボ科のチョウトンボでした。

・若い時期には、かなり高いところを群れで飛行し、飛行機トンボの別称もあります。4枚の羽根のうち特に後ろ羽の幅が広くその4枚をひらひらと動かすので、まるで蝶の羽のように見えます。
・明るい日差しの中、向きを変える時きっらと光る藍色の美しさにはドッキリさせられました。


・今の時期に田んぼの稲の上を飛行する真っ赤なトウガラシに羽をつけたようなショウジョウトンボも大好きですが、私はこのチョウトンボのほうがもっと好きです。
・暑い時期ですが、暑さ対策をしてたまには里山に出かけませんか。

   

チョウトンボ…チョウのようにひらひらと舞う美しいトンボ。平地や丘陵地の池沼に出現。紫黒色から黒っぽい金緑色の大きな羽をもつ。 和名「蝶蜻蛉」は、江戸期の彩色昆虫図鑑『蜻蛉譜』に出ているという。


 2008
 7. 28

◎昨夕、京成津田沼駅前は夏祭りで人がいっぱいでした。電車で新鎌ケ谷駅に着きましたらもっと沢山の人が駅前に集まっていました。ここも祭りかと思いましたが雰囲気が違いました。
 しぐれとともに鳴り響いた雷が北総線の電車を直撃したのでした。落雷からすでに何十分も経っているのに、架線の切れた電車の中に乗客は閉じ込められたまま、駅前にはすぐに来るという振替輸送のバスは姿を見せない。
 けだるそうに待つ人の姿、携帯で盛んに連絡する人、道路上に止める車に向けてどなっている警察官など、平時では見られない光景がありました。 いつもの便りです。

 『孤軍のクモ』
◎某紙の日曜版に「くも合戦」の記事が載っていました。
 黄色と黒の縞模様の大形のクモを戦わせる「くも合戦」は、TVで何度か見たことがありました。
・コガネグモ科のコガネグモがこの合戦の戦士です。なんと大きなものになると、脚を入れるとトランプ位になると記事に載っていました。
・クモはいつも単独でおり、縄張りに入ってきた虫は餌か敵として立ち向かうという。その性質をうまく利用し「くも合戦」は、始まったそうです。

今印西の里山に出かけるとこのコガネグモか、少し体が長細いナコガネグモが見られます。どちらも大変きれいなクモです。
・なお、クモたちは、張ったクモの巣をちゃんとリペアしたり、リサイクルするそうです。エコを心がけている偉い奴ですね。


   ※写真下は、里山で撮影したコガネグモ
   

コガネグモ…コガネグモ科で円網を張る大形のクモ。草や木の枝の間、軒下などに大きな円形の網を張り、X字形の隠れ帯をつける。メスは脚を除いても2〜2.5センチはある。「くも合戦」は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に加わった島津藩の中で始まったという。千葉県レッドデーターブック要保護生物に指定されている。


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