| −ページ〔２８〕− | 谷津田だよりのトップに戻る | |||
| 2007 2.26 |
〇この数日の朝の冷え込みは厳しいですね。畑には5センチくらいの霜柱が立っていました。そんな寒さの中でも戸神調整池に来ている2羽の白鳥は元気です。昨年の北帰行は、2月26日でした。さて、今年はいつになるのでしょう。いずれにせよ、あと少しでしょう。見に行くなら今週中ですね。 『カエルの産卵』 ◎船橋県民の森（船橋市大神保町）の近くのS寺の池にカエルの卵を見つけました。前回の便りで取り上げたアカガエル（ニホンアカガエル・千葉県レッドデーターブックAランク指定）の卵塊でした。 ・卵の近くに、「カエル横断注意」の看板が水に浮いていました。この池と4，5メートルの車道の反対側にある田んぼを行き来するカエルたちに配慮したものでした。風か何かで飛ばされてしまったのでしょう。 ・冬から早春にかけて産卵孵化する種で、他のカエルたちより数ヶ月早い。きっと、カエルを餌に子育てをする猛禽（タカなど）が現れる前に大きくなってしまおうという戦略かもしれませんね。 ・写真を撮って、しばらく集落に沿って進むと大きな農家の門がありました。門の脇には、川の水を取り込んだ濠（ほり）があり、今度は、ひも状の卵塊がありました。水中に大きなカエルの姿が見られました。 早いと2月頃から7月頃に繁殖する種のアズマヒキガエ ルでした。それにしても随分早いですね。ここにも暖冬の影響が出ているようです。 ・帰りがけに民家の庭にハクモクレンが、ほころびかけていました。この花って、たしか卒業式の頃に見られるものです。一ヶ月以上早いですね。皆さんのまわりにも早い春の兆候何かありませんか。 ◆ハクモクレン…モクレン科中国原産の落葉高木で、高さは10〜15メートルになるという。3〜4月、葉が出る前に香りの良い白い大きな花を開く。花弁は6個だが、3個のガク片も乳白色で花弁と同じように見える。 |
 アカガエルの卵 （左下の白い筒状の杭の下辺り）と 飛ばされた看板。  ヒキガエルの卵。 水中の為、大変見づらいがひも状に見える。 中央の葉の所に親がいます。 （前回の便りと一緒に見て下さい） |
||
| 2007 2.28 |
〇「ばかやろー解散」とは、1953年の衆議院予算委員会での「バカヤロー発言」を切っ掛けに起こった議院解散劇です。勿論、この発言は戦後の大物といわれた吉田茂です。今日2月28日は、この発言があった日で「バカヤローの日」と呼ばれています。 今日は、吉田茂にほんの少しだけ関わる話です。 『広島平和の鐘が、もうひとつある』 ◎負の世界遺産である広島原爆ドームのある平和公園に「広島平和の鐘」があることは、誰もが知っています。・ただ、この公園内に鐘が二つあることを知っている人は案外少ないと思います。 ・一つは、ドームの近くに位置する平和の鐘（屋外）です。この鐘は殆どの方が知っています。もう一つは、公園南に位置する原爆資料館（東館）ロビーに展示してある鐘です。 ・屋外の鐘は、高さ1.7メートル、口径1メートル、重さ1.2トンの大きな鐘です。東館のものは、高さ76センチ、口径45センチ、重さ140キロの小型です。どちらの鐘も印西市船穂出身の鋳金工芸家で歌人であった香取秀真（ほつま・1874〜1954）の長男・正彦氏（人間国宝1988没）の作です。精錬されたデザインの中に恒久の平和を訴える情念のようなものを感じる作品です。  原爆資料館（東館）収蔵の鐘 |
・実は、東館にある鐘と全く同じものが、印西市にもあるのです。父秀真氏の生家が印西にあることから、市に寄贈されたのです。この鐘の正面に、かの首相・吉田茂の直筆の「平和」の文字が刻まれています。 ・印西市も平和都市宣言をしています。最近中東で、きな臭い感じがします。この鐘の願いが世界に届くことを祈りたいものです。 ◆平和の鐘…「印西平和の鐘」は、平成3年2月、人間国宝の金工作家・故香取正彦氏により印西市に寄付された。父の生家のご縁でご遺族から贈られたものです。 鐘は、同氏の作である日本国恒久平和の象徴「広島平和の鐘」と同じ型で、正面に故吉田茂の書、撞座の左右に瑞鳥が描かれている。現在印西市役所（印西市大森）玄関ロビーに展示されている 印西市収蔵の鐘 （印西名所図解より複写）  |
||
| 2007 3. 5 |
◎今日3月5日は、何の日？この語呂合わせは、誰でも簡単に分かってしまいます。3と5でさんご。珊瑚の日です。 3月の誕生石になっている珊瑚は、刺胞動物に属するサンゴ虫のうち、固い骨格が発達する種のサンゴから作られます。 宝石になる種は、アカサンゴ、シロサンゴ、モモイロサンゴがあるといいます。私は、小さいですがサンゴのネクタイピンを一つ持っています。いつもの便りです。 『北帰行は、いつ』 ◎まだいますね。そろそろですかね。この数日、橋の上でもっぱらこのような会話が行なわれています。 ・11月25日の午後、印西戸神調整池に再来した2羽の白鳥も北帰行の時季となりました。・このところ連日のように羽を羽ばたかせています。時々2羽一緒に飛び立ち、池を一周か二周しているそうです。 ・先日は、池脇のマンションにお住まいのUさんの話によるとイオン（ジャスコ）辺りの上空まで飛んでいったのを見たそうです。北帰行かと思ったそうですが、旋回して池に戻り何事もなかったように水面で休んでいたそうです。 ・近隣の飛来地のように人から餌をもらうことをせず、広い池面で自然の中で暮らした2羽の白鳥は、水草を中心とした自然食で体に張りもあり羽の艶も良いように思えます。まさに自立しているこの2羽の白鳥は、これから、3000キロを越す北への旅に出発します。 ・さて、いつまでいますか。ちなみに、昨日3月4日の午後3時段階では、2羽確認。（昨年の北帰行は2月26日） ◆戸神の2羽の白鳥…1羽（成鳥）は、昨年この地にやってきた幼鳥が大人になって戻ってきたと考えられます。他の1羽（幼鳥）は、昨年の夏生まれですので、一緒についてきたのでしょう。この2羽は、どちらもオオハクチョウです。 なお、昨年やってきたもう一羽のコハクチョウは、今冬は飛来していません。 |
◎下の写真は、池脇にお住まいのUさんが撮影した、2羽の白鳥が池の上空（ニュータウン大橋付近）を周回している様子です。   |
||
| 2007 3. 6 |
◎今日3月6日は、啓蟄ですね。でも暖冬ですので、とっくに虫たちは出てきています。 今回は、谷津田だより速報版です。 『今日、北帰行！』 ◎千葉ニュータウン中央駅南にある戸神防災調整池にやってきていた2羽のハクチョウが、今日3月6日の早朝（と思われる）無事に北へ旅立ちました。 ・ずっと、このハクチョウの観察を続けてくれたCさん、情報をこまめに送ってくれたUさん、Yさん、そして色々と協力していただいた皆さんありがとうございました。 ◆2羽の白鳥…１羽は、昨冬の幼鳥が大人になってやってきたオオハクチョウ（再来）。もう1羽は、幼鳥で一緒についてきたオオハクチョウ。と、考えられます。 |
 白鳥が帰った後の戸神調整池 |
||
| 2007 3. 13 |
◎駅コンコースの出店の前は、ネクタイ姿の男性人が並んでいる。明日3月14日は、ホワイトデーですね。誰へのプレゼントなのでしょう。いつもの便りです。 ◎S市の名産は、梨です。そういえば、S駅の南北をつなぐ橋は、橋の支柱や照明灯のデザインが梨畑を表しているという。また、駅南側広場の中央には、巨大な石造りの梨の実が噴水の水流で回転している。梨を原料としたブランデーにワインも売り出されています。・この梨の里S駅をスタートに約5キロの里山歩きが今週末にあります。 ・先日、その下見をF市在住のH氏と一緒に行ないました。さわやかに晴れた日で、弱い風が肌に気持ちよい散策日よりでした。・住宅地の中にある池には、アシハラがありホオジロ科のアオジやオオジュリンの姿が垣間見えました。まだ、カモたちも残っていました。 S高校の下から、谷津田を流れる川へつながる道を進んでいくと、神社とお堂がひっそりと建っていました。神社は印西にも多い鳥見神社でした。神社の南側には道祖神が幾つか並びお堂（集会所）がありました。 ・その道路に面しての石碑の前に楕円形の大石が５個転がっていました。きちんと並んでいたのでよく見ると、下部がコンクリートで固定してあり、表面に文字が刻んでありました。力石でした。一番大きいものは、４０貫、次が３０貫、２０貫、そして１０貫（？）と６貫（？）だったと思います。 |
・江戸期に農家の若者達が祭りなどの時に競い合って腕試しをしたものと聞きます。 ・川の両岸は、散策道作りの工事の為入れませんでした。当日は、もう少し上流部を歩くことにしよう。そのあと、船橋県民の森を歩き池を巡ってまたS駅に戻り下見を終了しました。途中、春の草花が咲き出していました。うまくいくとスミレが見れるでしょう。 ◆力石…力試しにかかえあげる石。神社の境内などに置かれる。  |
||
| 2007 3. 19 |
◎カメラといえば、デジカメか携帯の時代になってしまったようですね。私も、この数年フイルムカメラは触っていません。 下手をするとレンズがカビだらけかも知れません。皆さんは如何ですか。 デジタル全盛の時代ですが、それでも根強い人気があるのがオールドライカです。1913年に2台試作し、その後1923年に31台が工場試作（製造番号100〜130番）として作られた。 実際に発売（ドイツ国内）されたのは、1925年であったようです。その時の機種は、A型ライカと呼ばれていたという。 オールドライカの魅力は今でも使えるものが多いということです。私の持っているものも2台ともシャッターが下ります。 今日、3月19日は、カメラ発明の日です。1839年フランスのルイ・マンデ・ダゲールによる。 いつもの便りです。  |
『雑草という名の草はない』 ◎F市の市民の森の管理をこの数年手伝っています。ところがこのところちょっと困ったことがあります。それは、自分の住んでいる団地のクリーンデーの際も同じです。だんだんと野草の名前を覚えてくると、雑草に思えなくなってくるのです。 ・今しつこく生えてくるスズメノカタビラ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、カラスノエンドウなど雑草に見えなくなってきます。 ・タンポポとなるとパンジーより貴重に見えてきます。 草取りには、種類が分からない方がいいようです。 ・道端の草も庭の草も、土手の草も皆、名前があるのです。つまり雑草という草はないのです。それでも、不思議なのは、草刈機（刈払い機）のエンジンをかけるとなぜか、私も草刈魔になってしまうのはどうしてでしょう。 皆さんは、草取りの際、何を考えていますか。 ◆雑草…自然に生えるいろいろな草。また、農耕地で目的の栽培植物以外に生える草。【広辞苑】より ★右手前は、レッドシンクロ��f型（1952〜1957） ★右奥は、0マーク付C型（1931〜1933） ★左は、ローライフレックス |
||
| 2007 3. 23 |
◎大相撲がちょっと面白い。といっても、朝青龍が白鵬を追っている場面ではなく、十両のトップ争いが面白い。 それは、十両４枚目の里山の星取表です。個人的に特別フアンというわけではありませんが、なんせ四股名の「里山」が私の活動「里山」と重なるのです。なんとなく気になっているという訳です。 今場所は、今日13日目で11勝2敗の成績です。十両のトップです。後、2日ありますが、さて、どうなるのでしょう。里山観察会を主催する私としては、気になる力士です。 がんばれ、里山！ 里山（相撲でもアウトドアの方でも）好きの皆さんも応援よろしく。 『初富の捕込』 ◎とっこみと読む「捕込」は、江戸期に行なわれていた将軍家の馬の放牧地の追い込み土手をいいます。 ・北は現在の野田市から、南は八千代台までの広大な土地が、小金牧でした。この牧の馬除けの土手や馬を集めるための土手が現存します。 ・ただ、当時の土手の何百分か、何千分の一しか残っていません。今日23日、11月行事の下見に仲間とこの牧に関する史跡と自然の残っているポイントを歩きました。 新京成初富駅から北へ10分ほど歩いたところに、18年度国指定の史跡になった中野牧捕込はありました。 ・ここは、鎌ケ谷市で初めての国指定の文化財となったのです。 江戸幕府直轄の牧、渡辺崋山が描いた「釜原」そのものの遺構です。八代将軍吉宗が狩をしたのも、この小金牧でした。先人の牧に対する色々な思いを馳せながら史跡を後にしました。 |
※なぜか、史跡を見学している最中に、消防車とパトカーが史跡にやってきました。「燃えていませんか」とか、「火遊び見ませんか」と聞かれました。どうもいたずら電話があったいうことでした。消防士さん、おまわりさんご苦労様でした。 ◆小金牧…江戸時代下総台地内陸部に広がる広大な土地を直接将軍家が管理した野馬の牧場です。 一年に一度、各牧場ごとに「捕込」の中に野馬を追い込んで捕える「野馬捕り」が行なわれたという。  |
||
| 2007 3. 23 |
◎週間現代の八百長報道で注目が集った春場所が終わった。千秋楽の結びの一番（朝青龍○ー●千代大海）と幕内優勝決定戦（白鵬○ー●朝青龍）は、あっけない「変化」の応酬でがっかりでした。でも、今場所は十両が面白かった。あの里山が見事に十両優勝を勝ち取ったのです。来場所は、入幕間違いなしですね。 ところで、里山の四股名についての由来を知っていましたか。「環境派（？）の力士」かなあと思っている方ありましたか。いませんよね。○○里と△△山の字をとって里山と思っていました。ところが、今日の新聞・優勝者の欄に本名が出ていました。 里山・本名里山浩作、鹿児島県奄美市、尾上部屋、25歳。と載っていました。本名だったんですね。来場所もがんばれ！ 『坂東太郎の表情やさし！』 ◎真冬のような天気から、また暖かな春の気候に戻りました。・昨日、暴れ川から付いた坂東太郎の名で有名な「利根川」の土手を歩きました。 |
・上流からほんの僅か吹き上げてくる微風が気持ちよく、うっすらと雲の出た空を舞台に歌っている雲雀の声が心地よかったです。 ・土手には、一面にハコベやホトケノザ、オオイヌノフグリの花が咲き、スカンポ（スイバの別称）の茎もあちこちに立ち上がっていました。 ・穏やかな水面には、まだ残っていたカンムリカイツブリの姿があちこちに見え、コガモやカイツブリ、カルガモ、カワウなども群れていました。 ・水際に生えている柳の木にはツグミやモズ、キジバトなどがとまっていました。土手から見下ろす位置ですし、背景が明るい水面でしたので、最高のロケーションで小鳥達の姿が際立って綺麗に見えました。参加者皆、「綺麗ー」と感動。土手を下りてから、木下万葉公園まで歩き終了しました。・お天気の良い日に出かけませんか。 ◆坂東太郎…坂東（東国・関東地方）にある第一の川の意。利根川の異称。ちなみに、筑紫次郎は、筑後川。四国三郎は、吉野川。 |
||
 |
||||
| 2007 3. 30 |
◎「谷津田だより」の送信を始めて、3年3ヶ月（印西IT講座ML以外の方には、2年丁度）が経ちました。中身の進歩はあまりないみたいですが、少しでも幅の広い視点で書いていこうと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。 『今、蒲公英（タンポポ）が綺麗です』 ◎道端にも、ちょっとした空き地にも、谷津田の畔にも黄色花が素敵なタンポポが綺麗に咲いています。 ・今日は、そのタンポポの話です。以前、鎌ヶ谷のアパートに住んでいた時、田舎の母（家内の母親）が時々来てくれ、田舎料理を作ってくれたりしてくれたことがありました。そんな時に必ず、庭（アパートの周りの狭い空き地）の草取りをしてくれました。帰ってみると綺麗に草取りがしてありました。でも、必ずタンポポだけは残っていました。母にとって黄色が綺麗なタンポポは、雑草ではなかったのですね。 ・今、どこにでも見られるのは、欧州原産のセイヨウタンポポかアカミタンポポです。この他に田の畔や畑道には、日本在来のカントウタンポポが咲いています。 |
・見分けは、花首の上の緑の部分（総苞片と呼ばれる）が、セイヨウタンポポ（アカミタンポポも）は大きく反り返り、カントウタンポポは反り返らないことで分かります。 ・セイヨウタンポポは、明治時代に北海道の宣教師が野菜として栽培していたものが、野生化したという。花の時期は、セイヨウタンポポが、ほぼ一年中咲くのに対してカントウタンポポは、３〜5月の間だけです。 ・この2種は、種のでき方の違いがあります。セイヨウタンポポは単為生殖（受粉なしで種を作る）であり、カントウタンポポは有性生殖（他花受粉で種を作る）なのです。ですからカントウタンポポは、昆虫の多い春から初夏にかけて花をつけ、虫によって受粉し、種をつくります。セイヨウタンポポは、昆虫に関係なく四季を通して種を作り飛ばします。 なお、関西に多い在来種のシロバナタンポポは、セイヨウタンポポと同じく単為生殖です。でも花期は、カントウタンポポ同様３〜5月だけです。同じ在来種でも繁殖に違いがあるのですね。 |
||
   カントウタンポポ セイヨウタンポポ シロバナタンポポ （総苞が反り返らない） （総苞が大きく反り返る） |
||||