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2005
5.17

 『へそくりってなあに
◎コタツ板の下とか、部屋の鴨居にかかっている額の中に隠したというお金?いいえ、ここでいう「へそくり」とは、実はサトイモ科のカラスビシャク俗称なのです。
 どうして、「へそくり」なの?それは、いくつか説があるようですが、二つほど、紹介します。

その1:カラスビシャク塊茎の薬効は鎮吐作用です。吐き気を鎮める作用があるため悪阻(つわり)の特効薬として高価で取引されたようです。そのため、農家の主婦達が現金を得るため、カラスビシャクの塊茎を掘い、収入を得たことからついたといいいます。

その2:カラスビシャクの茎に出来るむかごの形がへその形に似ていることからといわれています。
 この塊茎は、「半夏:はんげ」と呼ばれ、珍重されました。この種は、仏炎苞と呼ばれる仏像の光背の形に似ている筒状の葉に、まるで蛇が下を出している形に見える肉穂花序をつけ、つんと澄まして立ち上がっているようにみえます。田んぼの畦に今の時期に咲いています。
ぶらっと谷津田を歩くのもいいものですよ。谷津田に行きませか。

カラスビシャク…漢字では烏柄杓と書く。サトイモ科の多年草。夏、円筒状の仏炎苞を生じ、中に棒状の花穂をつける。茎は小球形で悪阻の妙薬という。半夏(はんげ)、ヘソクリと呼ばれる。


   

2005
5.20

◎『一瞬の出来事に感動!』
 三番瀬干潟の潮溜まりから、採ってきたばかりのユビナガホンヤドカリが一匹白いバットの中を しきりに動いていた。ヤドカリの脇には、オゴノリ(刺身のつまになる赤茶色の海藻)に擬態した甲殻動物ワレカラが、海苔の茎にしっかりとしがみついている。 バットの底には体長7から8ミリ位のウミウシの赤ちゃんがのんびりと動いていた。 
幅30センチほどのバットの中が、ミニ水族館みたいだ。干潟の砂浜に直接置いてあるバットの中を5人の頭がくっつくように覗き込んでいた。その時、1瞬の出来事でした。ヤドカリの動きが止まったと思ったら、ずるずると貝殻から抜け出してきた。


次の瞬間、貝の中にさっともぐったと思った時、貝殻から何かが放り出された。抜け殻であった。約15秒後に、貝から頭を出して自分の抜け殻を眺めていた(?)ヤドカ リの姿をデジカメで撮影した。ほんの一瞬のヤドカリさんの感動の脱皮の映像だった。

ユビナガホンヤドカリ…ホンヤドカリ科のヤドカリ。三番瀬や谷津干潟に多い。甲長 1.4センチ。挟み足は、右が左より大きい。内湾の潮間帯から浅海に生息する。

2005
5.31

◎『ヴォオオオオーヴォオー…』って??
 印西の古刹結縁寺に行ってきました。小雨の降る中でしたが、ウグイスのいい声がいっぱいで、緑がとても気持ちがよかったです。
 本堂の前で休んでいましたら、見出しにありますようなヴォオオオオ、ヴォオオーの異様な音が聞こえてきました。
 その音の主は、すぐに分かりました。
宇治の平等院を模したとも言われる寺院前の池に生息する蛙でした。
 蓮の葉がぎっしりと茂っている水面を双眼鏡で丁寧に追っていくと居ました。
 でかい!とにかくでかいです。全身は見せていませんが、20センチもあるようなのが何匹も見られました。
 釣り人も子供達も居ないので安心しきって鳴いていました。まるで牛の声みたいに聞こえるのでウシガエルといわれます。
 もっとも、食用ガエルといったほうがぴんと来る人も居ますよね。


   

ウシガエル…アカガエル科のカエル。大きさは115〜180センチだが、それより大きいのもいる。1〜3メートルも跳躍し、泳ぎも得意。アメリカから養殖用に輸入したのが野生化したもの。ちなみにこの種の餌として持ってきたのがアメリカザリガニである。

2005
6.10

◎『黒翅に白のまだら模様が、美しい!』
 駅前センター横の歩道陸橋を自転車で走っていた時、陸橋橋に生えている野草に何かとまっているのに気がつきました。
 4、5メートル過ぎてから自転車を止め、もどって見ると、黒に白模様のきれいな蝶が草の茎にじっととまっていました。デジカメを近づけても動かない。もう、元気がないのかなと思いましたが、とても羽がみずみずしくきれいで羽化したばかりのように見えました。
 黒褐色の地に白い斑模様が涼しげな雑木林の蝶、ゴマダラチョウの羽化したばかりの個体でした。

 10分程で、完全に羽を広げた姿を撮影してその場を離れました。

※インターネットで「ゴマダラチョウ」と検索すると色々な写真がでます。


   
 
ゴマダラチョウ…タテハチョウ科の蝶。漢字名は、胡麻斑蝶と書く。幼虫の食草はエノキ、エゾエノキ。花を訪れることはなく、コナラやクヌギの樹液に集まる。

2005
6.13

『ほーほ、ほーたる来い。あっちの水は、・・・』
◎三日月の薄明かりの中、ほんのり明るい直径5ミリほどの光が、少し輝きを増し4秒程でまた、暗くなる。その小さな光が時間とともに、数が増す。午後7時半頃が、ピークのようでした。見学に来ている人影もちらほら見えるが、他の蛍見学のポイントのような人数はない。
 新聞やTVで報道される場所は、まさに観光ホタル見学で人の手で保護され増やされているものが多いようですが、ここはまさに自然そのものの場所です。
 市内の市民にもほとんど知られていないポイントです。(ホタル保護のためにも場所は、公表できませんことを了解下さい)
斜面林にそった小川の脇の細道をおよそ300メートルほど歩いた。


多いところは10も20も乱舞していました。ざっと見てもここだけで200は超えているようです。
 源氏ホタルは、平家と違い明るさも光る長さもダイナミックでした。両の手のひらの中に入れると指の間の隙間から、規則的な光の点滅がとても幻想的でした。ホタルブクロ(野草)に入れて鑑賞したと聞いたことがあるが、一度やってみたいと思いました。30分ほど堪能して戻ることにしました。

ゲンジボタル…甲虫目ホタル科の昆虫。清流に棲む。全国的に激減している。大きさは12から18ミリで日本最大。幼虫は、カワニナやタニシなどを餌とする。

2005
6.21

◎『電気を消してスローな夜を』
今日21日は、夏至ですね。今年も、環境省が中心になって6月19日から夏至の今日21日まで「ライトダウンキャンペーン」運動をしています。2005年から温暖化防止を目的に始まったこの運動も少しずつ定着してきたようです。特に夏至の今日は大地の会の行っている「100万人のキャンドルナイトデー」です。もし、よければ今日の20時から22時の間で、30分でもいいですので、電気を消してローソクですごしてみませんか。案外ムードが出ていいかもしれませんね。もっとも、早く寝てしまってもいいですよね。私も、今からローソクを探そうと思っています。


◆地球温暖化…大気中の温室効果ガスには、二酸化炭素やメタンガスがある。これらの増大が、地球の生態系に重大な影響が出ることが分かり、削減へ向けて条約が締結された。京都で行われた会議で日本も6パーセント削減が決まったが、かなり難しそうである。

追記
野鳥情報です。 千葉ニュータウン中央駅付近の上空を舞っているツバメはイワツバメが多いです。反転したときに腰の部分が白く見えるのが特徴。それに尾も長くない。


2005
6.29

◎今日、知り合いの奥様が毛虫にかぶれてしまったと聞いた。家の近くの山茶花の木の所でかぶれたという。毒蛾という名がついていても、この辺で特に被害が目立つのは次の種位だと思います。よく、毛虫はみんなかぶれるというのは、全くのデマです。毛虫の中でもかぶれたりして危険なのは、(ア)イラガ。 (イ)ドクガ (ウ)チャドクガの三種でしょう。
 そのうちでも、よく聞くのは、(ウ)のチャドクガだと思います。チャドクガは、ツバキ、サザンカ、茶につきます。それ以外の木には居ません。


 若葉のころ幼虫は、茶やツバキ、サザンカに集合して葉を食べる。葉裏にいるので、知らないうちに幼虫に触り被害にあうことが多い。抜け殻やその針もかぶれる。近くを通り、風に運ばれた針によってもかぶれることがあります。かぶれが、ひどい時は皮膚科に行きましょう。
◆毒針が刺さったら…こすると毒針毛が食い込むので、洗い流すか接着テープを押し付け毒針毛を抜くことが大切。抗ヒスタミン剤などがきく。ひどい時は、医者へ行こう。

2005
7.11

昨日7月10日は、「四万六千日」の日でした。この日にお寺や神社に参拝すると4万6千日参拝したと同じご利益がや功徳があるという。
 昨日は、印西にある泉倉寺に天台宗の総本山比叡山延暦寺の僧正が来たという。きっと8万日位のご利益があったかもしれませんね。行けばよかったなあ。いつもの便りです。

『ツバメの巣、落下。雛は?』
◎日曜日の大河ドラマ『義経』を見ていたら、トビ(トンビ)が空を舞っている場面が出ていました。でも、その鳴き声は「ピューイ」の一声。これは、ノスリの声だと思う。どなたか、気になりませんでしたか。


 鳥の話題のついでですが、印西駅前センターの建物に営巣していたツバメの巣が落ちてしまったそうです。ヒナが数羽いたという。
 センターの職員が苦労してカップラーメンの半割容器で巣を再生してヒナを戻したというが、今日見た限りは見られませんでした。どうなったのでしょうか、気になりますね。

 それにしても、センターの職員の方、高いところへの取り付け大変でしたね。

2005
7.16

◎今日の朝ドラのトビ(トンビ)は、トビの声に聞こえた。やはりトビはトビらしい声が安心だ。音声担当の役も大切なのですね。

 先日、印西にある草深の森(市民の森)に自然探検隊の下見に行ったとき、足元にわらじのような形の虫がいました。ダンゴ虫に似ているワラジムシかと思ったのですが、少し大きすぎでした。雨だれ形で良く動き回っている。オオヒラタシデムシの幼虫でした。
 雑木林の中は、地面一面に木の葉が落ちていて、よく見るとその木の葉の中や下に色々な生き物達が暮らしています。


どの生き物もそれぞれ林の生態系を守る小さいけど役割を持っているのです。 カブトやクワガタのような花形昆虫以外の虫たちも結構面白いですよ。

オオヒラタシデムシ…甲虫類シデムシ科の昆虫。シデムシは、日本に約35種いる。そのほとんどが動物の死骸に集まる。
 モンシデムシという種は、動物の死骸を一夜で地中に埋めてしまうので、「埋葬虫」と書き表すという。これらの昆虫が、死骸を食べ、雑木林をきれいにしているのです。言わばクリーンセンターです。これらの昆虫も生態系ではとても大切なのですね。


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