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2021
2 14 |
◎ 「自然農を探し求めて」の記事がA紙の「ひと」欄に載っていました。"田畑を耕さず、肥料や農薬を使わず、雑草や虫を敵としない農業”のあり方を求め続けてきた人、その人は川口由一さん(81歳)です。今も奈良県で米を初め、野菜や果樹80種を栽培していると載っていました。

「里山自然の魅力シリーズ ⑧」
◎里山自然の楽しみー里山歩きで見つけた小鳥たちー
・i市の駅近くの池には、このところ時々2羽の白鳥が短期滞在を繰り返しています。長くても2日、短いときは数時間で居なくなってしまうのですが、それでも時々現れる白鳥にわくわく感を持っている人は結構いるようです。
先日、白鳥の確認に池に出かけました。池周りを反時計回りで一周し、カモやカワウやサギなどを観察しながら歩きました。途中の木製テーブルのある場所で昼食をとっていた時のことです。上空に広がるコナラやイヌシデの枝に小鳥が何羽かやって来ました。
ツピー、ツピーは、シジュウカラ。コンコンコンコン木をたたく音はコゲラ、斜面林との境の藪付近にはアオジ。広場にはツグミやジョウビタキ雌も見られました。
その時、藪と広場の境にある柵の手すりの上に小鳥の姿を見つけました。尾羽の辺りに瑠璃色部が見えました。
ルリビタキです。最近めったに見られなくなった小鳥です。広場の樹木の枝に飛び移ったり、葉の多い低木にとまって一休みしたり、時たま地面に降りたりとちょこちょこと動いていました。暫く見ていると、もう一羽現れて2羽となりました。その時に撮影した写真を貼り付けたいと思います。写真の鮮明度がいまいちで確実ではありませんが脇の朱色部分などからして雄の若鳥のように思われます。

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この後、歩を進めていくと、コブシの木のてっぺんの方にいるヤマガラを見ました。ヤマガラはカメラを向けても逃げません。撮った写真をアップしてみて理由がわかりました。ハラビロカマキリの卵のうを食べていたのです。カマキリのお母さんは昨年の秋にやっとこさっとこ高い梢に登ってきて産卵したのでしょう。ヤマガラにとっては冬のごちそうですが、カマキリにとってはとんだ災難となりました。

◆ルリビタキ・・・ヒタキ科の小鳥で全長15センチメートル。
漢字は瑠璃鶲。雄は背面が青く腹面は白、脇が橙色。雌は背面が緑褐色で腹面が白色。
日本では亜高山帯にすみ、秋冬に低地に移動する。
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◆谷津田だより情報コーナー◆
≪谷津田だよりの感想≫ 2021年2月15日
いつも谷津田だよりありがとうございます。
ルリビタキは珍しいですね。ヤマガラはこの辺でも、時々見かけます。また、カマキリの御母さんには気の毒ですが、これも自然の営みですね。 ( T.kより)
(^_^;) いつも感想ありがとうございます。
今の時期、木の実も食べ尽くし鳥たちにとって餌探しは命がけのようです。餌不足で春まで生きられない個体も多いようです。きっと写真のヤマガラにとって枝先で見つけたカマキリの卵は命をつなぐご馳走だったのでしょう。ただ、卵のうの卵は食べ尽くされることは無く、残った卵から生まれる数もかなりいるのでカマキリの種の保存も大丈夫だと聞いたことがあります。
(jより)
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2021
3 5 |
◎ 3月5日は二十四節気の啓蟄です。啓蟄とは“ 大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃”とのことで、柳の若芽が芽吹き、ふきのとうが出てくる頃といいます。
ふきのとうは先週採ってすでに食べました。昔より確実に冬が暖かいのでしょう。コロナ禍ではありますが季節は確実に変わっています。
『都会派、田園派?』
今回の話題は“カラス”です。日本では数種類のカラスが見られ、私達の周りで普通に見られるカラスはハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です。
ハシブトガラスは名の通りくちばしが太く「カーカー」と澄んだ声で鳴くのが特徴です。
またハシボソガラスはくちばしが細く「グアー、グアー」と濁った声で鳴きます。 この2種のカラスの内、元々は森のカラスで最近都市部に進出・定着し都会派となったハシブトガラスはビルなどの建物付近で人の出すゴミなどを餌として暮らしています。商店街や都市公園、住宅街などで多く見られ、ゴミ漁りとして嫌われ者になっているのが本種です。それに比べて、郊外の田園地帯や住宅地などで多く見られるのはハシボソガラスでやはり雑食なのですが、畑や田んぼ・漁港などで木の実や小動物、落ちている魚などを餌として暮らしています。民話にある“権兵衛(ごんべ)が種まきゃ、カラスがほじくる”という言葉はおそらくハシボソガラスのことです。
このように一概にカラスといっても種によって行動が違います。「都市鳥ウオッチング」(唐沢孝一著、講談社)に"どちらのカラスが賢いか"という話が出ていました。どちらの種も大変賢い行動が見られますが、北海道の海岸地区で巻き貝を上空からコンクリートの上に落として殻を割って食べるのはハシボソガラスだそうです。
また、香川県でも同様に貝を割る行動が観察されていますが、これもハシボソガラスでした。よってハシボソガラスの方が賢いようだと載っていました。そういえば、以前TVで見たのですが、教習所の車のタイヤに空中から落としたクルミを轢かせて食べていたのも確かハシボソガラスでした。
2種の見分けのポイントは、くちばしの大きさと額です。ここを双眼鏡でよく見てみると分かります。後は声の濁りなどが決め手となります。
先日、いつもの菜園で近くの電柱や建物の屋上にやって来ていたカラスを観察してみました。ここはニュータウンの住宅と畑がある里地の境なのでカラスも上記の2種が普通に見られました。
電柱の上に止まっているカラスがいました。早速撮影し、くちばしを確認するとハシボソガラスでした。きっと畑作業の際にはしっかり見ていて、人が居なくなると種などをほじくり返すのかもしれません。でも、体を上下させながら鳴く姿などは、一寸愛嬌があると思います。いつも畑にやって来るヒヨドリやモズ、スズメ、ムクドリなどとつかず離れず適度な距離をとって暮らしているようなので、人とも共生していくことが良いのではと思いました。※2種のカラスの写真を添付します。
◆ハシブトガラス・・・カラス科全長56.5センチ。漢字は嘴太烏。太くて湾曲したくちばし。出っ張った額。カアーカアーという澄んだ鳴き声。都市部で急増している。(参考 「野鳥」永岡書店)

◆ハシボソガラス・・・カラス科全長50センチ。漢字は嘴細烏。大きくて細いくちばし。平らな額。ガアーガアーという濁った鳴き声。低地から低山の村落周辺の農耕地などに棲む。(同上)


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◆谷津田だより情報コーナー◆ ≪谷津田だよりの感想≫ 2021年3月4日
何時も谷津田だよりを送付いただきありがとうございます。
そうですか、「権兵衛が種まきゃカラスが、ほじくる」は、ハシボソガラスの方ですか。参考になりました。
カラスも生き物ですから、嫌うばかりでは、可哀そうですね。いつも谷津田だよりありがとうございます。( S市のT.Kさんより)
(^_^;) いつも感想ありがとうございます。
昔からカラスなどの黒い鳥は縁起が悪く、鶴や白鷺など白い鳥は縁起が良いとされていたようです。そういえばカラスが多数鳴くと不吉なことが起こると子供の時に聞いたことがあります。
今流にいえば、カラスにとって迷惑千万なフェークニュースですね。kさんの仰ると通りカラスも生き物です。まさに生物多様性の基本ですね。 (jより)
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《家の周りの小さな公園めぐり》 2021年3月4日
いつも谷津田だより楽しみにしています。今日は八千代の麹やさんに行った帰りにi市の別所公園に寄りました。谷津田だよりにオシドリの情報が出てから1ヶ月経っているので諦めていましたが、10羽ほどオシドリを見ることができました。近くの牧の原公園の調整池ではヨシガモを見ました。ヨシガモは天気が良かったので羽が緑色に輝いていてとても綺麗でした。数年前からヨシガモが牧の原公園でよく見られるようになりました。
それから、家の近所の池では20羽ほどいたキンクロハジロが6羽ぐらいになってもうすぐ飛び立ちそうな時期になっています。今日はオシドリとヨシガモに会えて"間に合った”と喜んでしまいました。
今は家の周りの小さい公園をまわって観察しています。K市には「地主さんのご好意によります」と表示された小さい"ふれあいの森”が数カ所あります。造成地の公園樹と違い、ケヤキ、コナラ、クヌギ、ムク、シデ、カシ、マツなどの大きな木が魅力で、住民が通り抜ける為の通路にもなっています。
2月に見た鳥はコゲラ、ヤマガラ、ジョウビタキ、エナガ、シメ、メジロ、シジュウカラ、カワラヒワ、ムクドリ、ヒヨドリ、ハクセキレイなどです。
実は、2月からこの観察を始めたのには面白い訳があります。それは、この前珍しいホシムクドリを見た話をしてくれましたが、夕暮れ時大きな木を下から見上げていた時、(双眼鏡は持っていません)黒っぽくて胸の辺りにホシがある見た事の無い鳥を見つけました。
家に帰って早速図鑑でみるとホシムクドリのような気がしました。しかし、3日通ってそれはヒヨドリだと分かりました。ヒヨドリはよく知っている鳥です。ムクドリより長細い感じ、頬に茶色のマークがあります。でも高い木に止まっているのを下から覗くと角度も違うし、見え方が違うのです。胸の辺りが星のようにテンテンになっているなんて思っていませんでした。珍しい鳥のはずがヒヨドリだと分かって笑ってしまいました。それからシメを見たときも高い木の上でスズメぐらいの大きさで双眼鏡で見るまでシメだと思いませんでした。
以前ネクタイをしているのがシジュウカラだと覚えていて地面を歩いている背中の綺麗な模様もシジュウカラだと気づいた時もびっくりしました。今まで分かっているはずの野鳥も野外の色々な場面では新しい発見があり楽しみが増しました。こんなことが観察を始めた切っ掛けになったのです。
観察会では教えてくれる人がいるので直ぐ名前が分かって楽しいのですがひとり観察はちょっと頼りないです。たぶんその時間がかかるのも楽しみにするべきなのでしょうね。ルリビタキは見た事がないのですが、いつか会いたいです。
追伸
お変わりありませんか。こちらは久しぶりにオシドリを見て嬉しくなってしまいました。それにしてもジョイフル本田の裏側の開発はすごいですね。造成地の工事が終わって気がついたら大きな工業団地と見知らぬ街になっていました。 (K市のM.iさんより)
(^_^;) いつも自然情報ありがとうございます。
そろそろ池沼のカモたちは北へ移動し始めたようです。でも冬鳥としてやって来ているジョウビタキやツグミなどの小鳥はまだしばらくの間見ることができると思います。図鑑と比べながら観察するのも楽しいですね。また情報を送って下さい。
※手持ちのファイルにヨシガモの写真がありましたので参考に添付しておきます。場所は印旛沼です。尚、カモ単独の写真の撮影者は会のスタッフには間違いありませんがどなたか不明です。
心当たりのある方連絡下さい。 ( jより)


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2021
3 28 |
◎ 先日病院通いのため久しぶりに電車に乗りました。成田湯川駅の少し先で上り電車の交換待ちで止まっている際に窓外にツバメが飛翔しているのを見ました。今季初見でした。
コロナ禍で世の中は大きく変わってしまった感じがしますが、渡り鳥は何の変化もなくやって来るという当たり前のことが今はとりわけ新鮮に感じられました。地球上では人間世界はちっぽけなものなんだと思ってしまいました。いつもの里山の小さな自然をお届けします。
『里山自然の魅力シリーズ⑨』
◎里山の春 ーー 新菜園周りで見られた植物 ーー
・いつもお伝えしている家内の菜園からおよそ200メートルほど離れた場所にもう一カ所菜園用地を借りることになり、この所私も手伝いにちょくちょく出かけています。新菜園は前に借りていた人がやめてから何年もほったらかされていた場所で、雑草やノイバラ、タラノキなどが茂っていて畑にするにはまさに開墾する必要があります。行く度に道具がないのでシャベルと鎌、刈り込みばさみでほんの少しずつ手を入れていますが遅遅として進みません。でも特別急ぐこともないのでそれなりに楽しみながらゆっくりやっています。
新畑は道路から少し奥に入った場所にあり、近くには竹林や雑木林があり、キジやウグイスなどの野鳥もいます。今回は新畑及び周りに見られる植物を何種かお伝えします。

※ 新畑はまさに開墾地
・紫褐色の小さな釣り鐘状花をつける果樹《ポポー》
畑の道脇にある樹木の枝には、小さくて擬宝珠(ぎぼし)を逆さにしたような花の蕾が沢山ついていました。思いつく種名がなく分からなかったのですが、隣で畑をやっている方にお聞きしたらポポーの木だと教えてくれました。ポポーは、バンレイシ科に属する落葉高木で実は食用です。北米原産で明治期に日本に持ち込まれたのですが、家庭用果樹に留まりほとんど広まらなかったのです。果実はアケビに似た形でトロピカルフルーツのような強い甘さとなめらかな食感があります。
図鑑では花期は5月と出ていましたが蕾が開きかけているものもあり、もうすぐ花が見られると思います。

※ 枝先についたポポ-の鐘状の花芽

※ 「果実の写真」~ネットよりコピー~
・紫色の濃い大きな雌花、淡くて小さな雄花《アケビ》
畑の道脇にある樹木は蔓の先に淡紫色の小さな花が垂れ下がって沢山咲いていまた。花を知らない人でも実は誰もが知っているアケビ科の落葉つる性植物のアケビです。

※ 上部に見える大きな花が雌花、他は雄花。
花言葉は「才能」だそうです。その意味は、実の中や皮を食べることができ、つるは工芸品に、種は油に加工されるなど用途が幅広いことにちなんでついたといわれています。また、アケビの名の由来は秋に楕円形の果実がつき、熟すと縦に割れて白くて甘い果肉と黒い種子を覗かせる様子から、「開け実」の意味で名付けられたものだそうです。秋につく実を見るのが楽しみです。
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・大きな若芽は天ぷらに最高の山菜《タラノキ》
新畑の中に高さ1~2メートルほどの低木が10本位生えていました。気をつけて見てみると幹には棘が生え、幹の先端には若芽が伸びかけています。ウコギ科落葉低木のタラノキです。放置されていた畑地に勝手に生えてきたものと思われます。本種はパイオニア植物で生長は早いが寿命も身近いそうです。花期は8~9月で幹の先端から大形の花序を伸ばし、小さな白い花をたくさん咲かせます。もっとも若芽(タラの芽)を採ってしまえば花は咲きません。

※ 畑に生えていたタラノキ、先端の若芽がタラの芽

※ 畑に生えていたタラノキの若芽に止まるモズ
(くちばしに咥えているのは巣材用の草か?)
・コブシ似で花弁数の多い薄ピンクの花が特徴《シデコブシ》
畑近くに、薄ピンクのコブシ似の花が満開に咲いている木がありました。花びらはコブシと違って細く花弁数も多く香りも強いです。本種はコブシと同じくモクレン科落葉小高木のシデコブシです。シデコブシは日本固有種で自生個体群は環境相レッドデータブックの絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている希少種です。最近は園芸用樹木として人気があり、庭木や公園樹として植えられているようです。
遠くに咲く桜の大木の花とシデコブシの薄ピンクの花は畑地の里山を賑やかにしている立役者です。
◆ツバメ・・・ツバメ科の夏鳥(渡り鳥)。全長17センチ。黒くて青色光沢のある背と白い腹、燕尾服の名の由来ともなった二股の長い尾羽が特徴。市街地や集落周辺にすみ、人家や商店の軒先、駅舎、ガレージなどの人工建造物、特に人通りのある所に泥と枯れ草でお椀型の巣を作る。最近数が減っていて心配されている野鳥。(参考文献「野鳥」永岡書店)
◇谷津田だより情報コーナー◇
【あなたのお住まいの地区でのツバメ飛来情報をお寄せください。もし撮れれば写真も送って下さい】
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《ツバメ飛来情報》 お名前( )
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≪谷津田だよりの感想≫ 2021年3月28日
何時も写真をありがとうございます。
百舌、綺麗に撮れていますね。アケビは蔓や実はよくみましたが、花は初めてのような気がします。ポポーは初めてです。
タラの芽は、昔、山形にいたころ、近所のおばさんが、よくてんぷらにして、御馳走してくれました。懐かしい味です。(S市のT.Kさんより)
(^_^;) いつも感想ありがとうございます。
お店でもタラの芽は売っていますが、やはり自然のものは違いますよね。タラノキも自生しているものは高さが3メートル位もあるのが多いです。その時はこうもり傘を持って行き、傘の取っ手を幹に引っかけて引っ張って採取したものです。今は山菜採りの旬ですね。

添付の写真(タラの芽天ぷら)はネットからのコピーです。 (jより)
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2021
4 10 |
◎ 里山に渡り鳥のツバメやサシバの姿が見られ、コロナ禍の中でも季節は確実に変わっているのが分かります。私達の暮らしが元に戻るのはいつになるのでしょう。
『里山自然の魅力シリーズ⑩』
◎菜園付近一帯の主か? ― キジ(雄) ―
突然お金の話で恐縮ですが、皆さん福沢諭吉の肖像画の一万円札に2種類あるのを知っていますか。どちらも表面は福沢諭吉ですが、裏面が異なるのです。昭和59年11月1日からの発行紙幣には裏面に「キジ」、平成5年12月1日からの発行紙幣には「鳳凰」が印刷されています。今回は日本の国鳥に指定されているキジの話題を取り上げてみます。

※添付のお札は裏面図案がキジのもの。ネットよりコピー。
今回、家内が新しく借りた菜園は、菜園とは名ばかりの荒れた野原です。何年も放置されていた場所のためクズやノイバラ、カナムグラ、タラノキ、コセンダングサ等がはびこっていて畑に見えません。それをシャベルと鎌で少しずつ開墾しています。
その新菜園に行った時のことです。畑から50メートルほどの所にある竹林の前で突然キジの雄が「ケーン」と大きな声で鳴きました。見ると顔が赤く、胸は黒と緑色の光沢、そして長い尾を持った立派な個体でした。鳴き声は100メートルどころか何百メートルも響くような大声でした。

鳴くと同時にバサバサという羽ばたき音もしました。その後、ゆっくりと周囲を見回し竹林と草地の境をパトロールするように歩き、竹林の中に消えていきました。
次の日も同じ個体と思われるキジが現れ、やはり大きな声で鳴き、母衣(ほろ)打ち(※注1)と呼ばれる羽ばたきを繰り返していました。

キジ科のキジは平地から山地の草原や農耕地、河原、林縁などにすむ留鳥で、地上で植物の葉や芽、木の実、昆虫などの動物性のものも食べるといいます。畑の作物にも手を出すこともあります。今の時期は繁殖期の為、雄は縄張り宣言や雌へのアピールのためよく鳴き、羽ばたきもよくするのです。この場所には雌もいるのですが雄のように悠然と現れることはなく、藪などから現れてもすぐに飛び立ち見えなくなります。警戒心が強いのでしょうか。

「雉も鳴かずば打たれまい」のことわざは、“無用なことを言わなければ禍を招かないですむ”ことの例えだそうですが、雄の行動を見ているとまさにその通りだと思いました。ちなみにキジは狩猟対象鳥です。
※注1 キジのオスが翼を激しく羽ばたかせながら、「ケーンケーン」という大きな声で鳴く行動。繁殖期の縄張り宣言の意味があると考えられている。 河原や畑などでかなり大きな声がする。
◎里山の斜面林の縁で見つけた植物
― ホタルカズラとシュンラン ―
菜園作業の後、U谷津田に出かけ斜面林下の植物を観察してみました。ホウチャクソウ、サルトリイバラ、ハナイカダなど見つかりました。
・ホタルカズラ…自然観察仲間のSさんが、野草の中で一番好きなのが本種だと言っていたことを思い出しました。青紫色の小花が斜面にちりばめられたように咲き、蛍の乱舞を想起する姿は見るたびに心が踊りとても好きな野草です。そのホタルカズラの開花にはまだ早い時期ですが、暖かい日が続いていたのでもしかしたらと思い探してみました。
毎年群生している場所に行ってみると葉がたくさん出ていました。開花まであと1、2週間かと思って帰ろうとした時、たった一輪ですが花を見つけました。花の直径は1.5センチ、色はやや薄い青紫で5枚の花弁の中央に走る白いスジが美しく、たった一輪ですが存在感を感じました。
※ムラサキ科の多年草で山野に生じ、茎は地面を這う。紫色5弁、基部筒形の美花をつける。漢字は蛍葛。

・シュンラン…最近とみに減少してきたラン科の多年草。漢字は春蘭。
斜面林下の樹木の根元辺りに二輪咲いていました。最近販売されているラン類は豪華なものが多いですが、自生種の本種の花は決して派手ではなく花茎の先端に1個だけつきます。花びらの色は淡い黄緑色で、紅紫色の斑があります。楚々とした趣のあるランです。一時全国で随分盗掘が騒がれた種です。そのせいなのか、それとも環境が変化したのか個体数が少なくなり心配される野草です。

◆新菜園周りで最近までに見られた野鳥…ウグイス、ツバメ、ツグミ、ヒヨドリ、シジュウカラ、スズメ、ジョウビタキ、メジロ、モズ、ムクドリ、ハクセキレイ、コジュケイ、サシバ、チョウゲンボウ、カワウ(上空飛翔)、アオサギ(上空飛翔)、ダイサギ(上空飛翔)、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キジバト、キジ、カワラヒワ、コゲラ等。
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◇谷津田だより情報コーナー◇
【便りの感想や自然情報など、なんでもお寄せください。もしあれば写真も送って下さい】
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◎ キジの情報お寄せ下さい。
(キジを見たととか、キジに関わる事項など)
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≪キジを見ました≫ 2021年4月10日
いつも季節の情報をありがとうございます。今日、正に雉を見たばかりなのでお便りします。
遺跡に興味のある人がいて"飯山満駅の近くに「取掛西貝塚遺跡」がある筈だが”と言われ歩いて探しましたが、そこは既に埋め戻されていました。 その帰りに,なんと車が結構通る住宅の前を雉がとことこ歩いていました。急いでスマホで撮ったんですが段々遠のいてしまい上手く撮れませんでした。船橋に向かう大通りから、新明神社方面へ行く細い道路です。
見た個体は、やはり雄でしたがニワトリかなと思うほど悠然としていました。よほど人間慣れしてるんでしょうか? ( M.Nより)
(^_^;) キジは今、繁殖期真っ最中で雄が開けた場所に現れ大きな声で鳴き、悠然と歩く姿が確認されます。時にはNさんの情報にあるように住宅街や道路を歩く姿も見られます。
数年前、道路上の郵便配達員の後を追いかけるキジの話題がTVで放映されていたことがありました。それもやはり今の時季ですね。どうも郵便配達員を追いかけるのは、キジの雄が縄張りに侵入する他の雄の鶏冠(とさか)の赤に対し攻撃的になることから、バイクの赤色を鶏冠と間違って反応しているのではないかということでした。 ( jより)
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≪感想1≫ 2021年4月11日
何時も写真をありがとうございます。今回は、雉の雄の母衣打ちと、一万円札の裏が2種類あること、ホタルカズラの花が面白かったです。
前にも書いたかもしれませんが、昔、会社時代、土浦の新しい事務所が芝生の中に建てられ、夜残業をしている時に窓ガラスが割れるような大きな音がして何事かと窓を開けて見てみると雄の雉が首を折って倒れていました。
雉の雄は縄張り意識が強く、窓ガラスに写った自分の姿を見て別の雄が自分の縄張りに侵入したと思い攻撃し、ガラスに激突してしまったのですね。可哀そうでしたが、死んでしまいました。
鳴かなくても、自分から打たれたのですね。( T.K )
(^_^;) このキジの雄もそうですが、野鳥が建物にぶつかって死んでしまう事故は結構多いです。だいたいどの事例も鏡のように屋外の樹木が映り込んでいるガラス窓に突っ込んでしまい頸椎を損傷してしまうようです。
時々、公民館や資料館の大きな窓ガラスに鷹などのステッカーが貼ってあることがありますが、鳥の激突(バードストライク)防止策です。 ( jより)
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《感想2》2021年4月11日
キジががケーンと鳴いている迫力ある姿や雄、雌の写真、近くで見ている気分になりました。
竹藪の前に食べ頃のワラビが生えていますね。新畑の開墾は大変だけど楽しいというのが伝わってきました。
この前、ポポーの話題が出ていましたが、私の実家にポポーの木がありました。
味はマンゴーとバナナを合わせたような味と言う人もいますが何となくトロピカルな味でした。
写真のように青いアケビというより口の開かないムベに似てます。台風の頃に拾った記憶があります。チーズが巷に出まわり始めた頃でチーズは石鹸みたいで嫌いだという人が多いような時代でした。残念ながら人気の無い果実でした。
父と私は美味しいと食べましたがいつも沢山売れ残り、いつの間にかポポーは切られてしまいました。
そのポポーが北米原産と聞いて驚きました。
味と匂いから疑いもせず熱帯植物だと思っていたからです。(北米ってどこだろう?)とても美味しいという人もいますが痛みやすく取り扱いが難しい果実なので市場に出ないのだとも聞きました。
話は変わりますが先日、卵のパックにご飯を詰めて横に振っておにぎりを作っている映像をテレビで一瞬見ました。
一度に10こおにぎりができます。のような映像でした。直ぐにご飯を炊いてやってみました。ピンポン球のような可愛いおにぎりがあっという間に10こできました。「おにぎらーず」というのだったのかもしれません。6こぐらいが作りやすいとも言っていたので6こパックも買ってきました。目鼻をつけたらシマエナガになりそうな可愛いおにぎりができました。おにぎりを持って自然観察会に出かけたいと思いました。ちょっとわくわくしたのでお知らせしたくなりました。
( M. i )
(^_^;)いつも楽しい情報ありがとうございます。 ポポーの原産地ですが、ネットでさぐってみると北米の五大湖周辺のネイティブアメリカンに古くから親しまれ食べられてきた果物と出ていました。
目鼻をつけたシマエナガおにぎり可愛らしいですね。因みにシマエナガは、北海道に生息するエナガの亜種です。
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≪ウワミズザクラそれともイヌザクラ?≫ 2021年4月21日
いつもの散歩コースの公園。ベンチに座って新緑を仰いでいた。ミズキが咲いている。小さな公園なのに5~6本ミズキがあったなんて初めて知った。その奥にブラシ状の桜、イヌザクラかウワミズザクラが見える。
K市にこんなのがあったなんて。テンションが上がる。近づいて見るが花は高いところでよく見えない。仕方なしに葉っぱだけもらって帰る。図鑑で調べたがどちらか分からない。
1週間ほどした頃、友人と会った。図鑑を持っていいもの見に行かないかと誘った。自転車に乗って5分ぐらいの場所。1週間でだいぶ花は散ってしまっていた。友人は「木に登れば花が取れるよ」と回り込んで木に登った。一抱えもあるような樹木なのに・・彼女は隣の木に登って枝を折った。その早業にびっくりした。折ってみたら花がついている場所が茎から出ていてイヌザクラと決定した。ちなみに図鑑にウワミズザクラは新しい枝の先端に花がつくと書いてあった。名前が特定できた事も嬉しかったけど、あっという間に木に登った彼女の体力がまぶしかった。
ウワミズザクラを知ったのは20年ほど前、ゴールデンウイークに毎年、山梨の山でウドや山椒など山菜採りをしていた。その年は例年より春の進みが早かった。それでウワミズザクラがゴールデンウイークに咲いていたのだ。谷を囲んでウワミズザクラが咲き乱れ、桜餅のようなクマリンの香りがあたりに漂っていた。ブラシのような白い花、それがウワミズザクラというのをその時初めて知った。最近、千葉県でも時々見かけるようになった。
そして、今回はっきりイヌザクラとウワミズザクラの違いが分かるようになった。(花が咲いている時なら識別できる)イヌザクラは良い匂いはしないそうだ。
昨日写真を取ったので残念ながらブラシのような花はついていません。 が、花のついている場所がはっきり分かるとは思います。( M.iより)
(^_^;) いつも情報ありがとうございます。
ウワミズザクラとイヌザクラの花はどちらも晩春の里山を飾り大好きな花です。どちらも花はブラシ状で見分けはちょっと見には難しいです。見分けは本文に出ていることで良いと思いますが、花序(花の集まった枝全体)のもとに葉がついているのがウワミズザクラ、花序のもとに葉がつかないのがイヌザクラと覚えると分かりやすいと思います。

※M.iさんからいただいた添付写真に花序を記入してみましたので確認下さい。 ( jより)
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≪この虫は?≫ 2021年4月20日
先日、私の菜園で2cmくらいの虫が数匹のアリにたかられていました。その場でスマホで写真を撮りました。これはなんていう虫でしょうか? ( M.Sより)

(^_^;) いつも情報ありがとうございます。お問い合わせの虫ですが、ケラ科のケラです。いわゆるオケラです。
普段土の中にトンネルを掘って生活しているので見ることはあまりないかもしれません。雑食性で植物の根やミミズなどを食べるそうです。 ( jより)
2021年4月23日
返信ありがとうございます。オケラですか。なんとなくそんな気もしていました。最初見たときはひっくり返った状態でアリ数匹に嫌がらせされていました。上向きにしないとどんな虫かわからないので、ちょっと手を貸してあげました。その後アリから逃れられたのかどうか知りませんが・・・。(
M.Sより)
(^_^;) ケラですが、家内の菜園の浅い土の中にもいますがあまり見かけません。
図鑑によると「ボー」と低く続けて鳴くそうです。私は聞いたことはありません。また、冬は成虫または幼虫で越すそうです。Sさんが見たのは成虫ですから、成虫越冬した個体でしょうね。産卵は5~7月。そろそろですね。写真のケラは死に体だったのかな? 素早く逃げ回ったり時には飛んだりできる虫ですから。因みに幼虫で越冬した個体は8~9月に成虫になるそうです。 ( jより)
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