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新年のご挨拶 ◇◆◇

 新年あけましておめでとうございます。
昨年は新型コロナウイルスに振り回され目まぐるしく一年が終わってしまった感じがしました。今年も全く安心できない状態が続くと思いますが、それでも自分なりにやれることを少しずつやっていこうと思っています。今年もどうぞよろしくお願い致します。
 皆様方のご健康と益々のご活躍を祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。
2021年1月1日 印西ウエットランドガイド代表 阿部 純

ウソ(鷽) 亀戸天神で行われる鷽替え神事で知られるウソは、冬に低地に下りて来るアトリ科の小鳥です。
 今年は丑年ですが、ウソは英名Bullfinch(bullは牡牛、finchは小鳥)ですので、干支の“丑”につながる鳥と言えます。古語で口笛を「うそ」といい、口笛を吹くような声(フイーフイー)で鳴くことから名がついたと云われています。前年の災厄・凶事を嘘(うそ)として吉になることを願います。






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◎ 元日から良いお天気が続いています。初詣は菜園から徒歩5分の小倉鳥見神社に行って来ました。こんもりとした林の中に小さな社があるだけの神社ですが、境内は丁寧に掃き清められ、鳥居や社には新しいしめ縄、石の祠には真っ白な幣束が取り付けられていました。私達の他には地元の男性の方が一人見えました。その後少し歩いて光堂にも立ち寄りました。参拝者もほんの少し見えていました。
 新型コロナウイルス感染は益々拡大され不安が絶えません。今年は自粛生活でのスタートとなりましたが、なんとか良い方向に向かえることを祈っておりま

 『里山自然の魅力シリーズ ③』 
◎里山自然の楽しみ ―里山歩きで見つけた動植物―
【古事記に出てくる野草、ガガイモ】
 古事記にはガガイモについての記述があります。それは次のような内容です。
「大国主神(オオクニヌシノカミ)が出雲の国美保の岬に行った時のことでした。沖合から小さな舟が波に揉まれながら近づいてきました。それは、蘿藦(ガガイモ)の実が二つに割れた殻を舟にしたものでした。」 ガガイモは、古事記に出てくる数少ない植物の一つです。
   

 上記の記述は大国主神の国づくりを手伝った少名毘古那神(スクナビコナノカミ)が乗ってきた舟です。これは、実の中に詰まっている絹毛の付いた種が全て飛び去った後の殻の形状が小舟に見えることから発想されたものです。
(※1) ガガイモは、道端や草地の隅でごく普通に見られるつる性の多年草で葉がガガ(スッポン)に似ていることから名がついたと言われています。
      ※1
※1 添付の絵は「日本の神話 古事記」スクナビコナノカミ(与田準一著 講談社)挿絵よりコピーしたものです。

 ガガイモの白い毛は、タンポポの綿毛と少し違って、もっと細く艶のある沢山の毛が種子から髪の毛のように生えています。この種が風に乗って飛ぶ様子は風情を感じるものです。なお、昔はこの毛(絹毛)を種髪(しゅはつ)と呼び、止血用に利用したり、朱と練り合わせて印肉としたり、錆止めとして針刺しに用いたりしたそうです。私は以前、一粒の種に絹毛が何本くらい付いているのかを数えたことがあります。確か200本位まで数えてまだ沢山残っていたので300本は優に超えると思います。今の時季、風に乗って飛ぶ絹毛付きの種はとても風情があり良いものです。今回訪れた光堂の境内で苔の上に幾つも落ちているのを見つけました。
   

【オシドリは、ホントにおしどり夫婦なの?】
 i市内の池に冬やって来るカモの一つにオシドリがいます。オシドリは雄雌で姿が大きく異なります。雄はオレンジ色の派手なイチョウ葉型の尾羽を持ち美しい姿です。それに比べて雌は体全体が灰褐色で地味な姿をしています。
 「鴛鴦(えんおう)」とはオシドリのことで(鴛…オシドリの雄 鴦…オシドリの雌)、雌雄がいつも一緒にいることから“夫婦仲の良いたとえ”にされています。
   
 ※画は、動物画家 薮内正幸氏の絵はがきよりコピー



 結婚式の祝辞で使われている言葉「鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)」にもなっています。なお蛇足ですが、結婚式の定番祝辞にこれに似た言葉「偕老同穴(かいろうどうけつ)」(※2)があります。

 問題 さて、祝辞で言われているようにオシドリの雌雄は一生添い遂げるのでしょうか?

 解答 いいえ。相手は変わります。それは体の大きさ(生存年数)と関係がありそうです。スズメ、ヒヨドリ、ハトなど、そしてオシドリなどのカモ類は長くても数年の命と考えられます。
 これらの種は番(つがい)相手が死んでしまう確率もかなりあると考えられます。よって相手を変えざるを得ないといえます。
 それに比べハクチョウやタカ、ワシ、ツルなどの大形の鳥は寿命が十年以上あり、相手が死亡しない限り番を保ち続けるようです。
 数十年と寿命の長い大形の水鳥アホウドリはたとえ番の相手が死んでも数年間は新たな番相手を作らないと聞いたことがあります。


※2 偕老同穴(かいろうどうけつ)とは、深海底に棲むカイロウドウケツ科の海綿類の体の中に甲殻類のエビの一種ドウケツエビの雌雄1対が棲みつき一生を過ごすことから夫婦が仲むつまじく連れ添うことをいいます。この言葉もやはり結婚式の祝辞の定番メニューとなっているのです。この海綿は筒形の独特の形ですので添付写真で確認してください。
   


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   ◆谷津田だより情報コーナー◆

【便りの感想や自然情報及び生活の中で気の付いた点など なんでもお寄せください。もしあれば写真も送ってください】

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≪谷津田だよりのお礼≫  2021年1月3日
 何時も珍しい写真をありがとうございます。
今回も、ガガイモの絹毛のついた種の話や結婚式の祝辞‟偕老同穴(かいろうどけつ)”の写真やスクナビコナの神の挿絵などとても印象的でした。 ( S市のkさんより)

(^-^) いつも便りのお返事ありがとうございます。
 若い頃に友の結婚式の式辞を頼まれ、「メビウスの輪」という紙切り遊びをやったことがあります。縦長に切った折り紙をねじって接着し、ハサミで細長に切り分けるとなんとつながった二つの輪になります。
 もし、二つに‟分かれてしまう”と大変、でも二つの輪が連結しているので夫婦仲良くて良かった良かったという遊びでした。失敗せずに無事終了しホッとしたことを覚えています。もし、途中で切れてしまったら…。桑原桑原!です。
 参考に「メビウスの輪の作り方」をユーチューブで見つけましたので貼っておきます。 ( jより)
 ※メビウスの輪
  https://www.youtube.com/watch?v=__onsjtIxq0

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◎ 七十二侯の‟雉始雊(きじはじめてなく)”は、1月15日から19日です。キジの雄が鳴き始める頃という時節だそうですが、まだ早い感じですね。でも年末に冬枯れの谷津田を散策していたらキジの雌と子ども2羽が藪から飛び立ちました。きっと寒い中、春をじっと待っているのですね。
 私の居住するi市のコロナ感染者数も増大の一途です。緊急事態宣言の効果が出て欲しいと祈るばかりです。

『里山自然の魅力シリーズ ④』 

◎里山自然の楽しみ ―里山歩きで見つけた史跡など―
【利根川図志に載っている鳥って?】

     
 利根川図志(1858年 安政5年 赤松宗旦著)第5巻に次のような文が載っていました。「谷原イボ(ヤハライボ) この鳥 晝(ひる)は人目にかからず。故に見る人稀なり。 (中略) 五月頃より昏夜芦中にてスーボゥイ スーボゥイと鳴く。
 ポンポン鳥、小鳥にて谷原に栖む。夏月昏夜にポンポンと細き聲にて鳴く。鳩より小さし。」…と、載っていました。

 谷原イボ(ヤハライボ)とは、野鳥のサンカノゴイを指すものと思われます。
 サギ科の夏鳥で関東地方以南でごく少数が越冬します。漢字では山家五位。日中は葦原の中でじっとしていることが多く、夜間に「ボウ」という低い声で繰り返し鳴き、印旛沼の岸辺の葦原で現在でも生息が確認されている希少種です。
   

 また、ポンポン鳥とはヒクイナを指すと考えられます。
 ヒクイナは県内では5月の連休が過ぎた頃に飛来し、葦原や水田地区で繁殖するクイナ科の鳥です。繁殖期に「キョ、キョ、キョ」と連続して鳴き、その声が戸を叩く音に似るので、古典文学では「クイナの叩く」と表現されています。
   

 本2種の推測は、日本野鳥の会千葉県によるものです。なお、添付のヤハライボ挿絵は図志(柳田国男校訂版)よりコピー。
 ヒクイナの写真はWebよりコピー。
 サンカノゴイは手持ちの写真です。(私のHDに保存してあるのですが撮影者は不明。もし、心当たりがある方がいましたら連絡下さい)

【松虫姫の伝説の里と疱瘡神(ほうそうかみ)の祠】
 図志第4巻に「松蟲村松蟲寺あり。本尊七佛薬師如来、行基僧正作。人皇四十五代聖武皇帝天平年中の御建立といふ。薬師堂の後ろの方に松蟲皇女の墳あり。(中略) 皇女癩を病みてここに捨てらる。」とあります。この文章のように皇女が病気(癩)療養の為松虫の地にやって来たという伝説があります。i市松虫にある古刹松虫寺には皇女松虫姫に関わる伝説が残っています。実は本皇女に関わると推測される石の祠が同市の古刹結縁寺の脇に建つ熊野神社の境内にあります。神社本殿に向かう石段を上ると狭い境内の右手に石塔がいくつか並んでおり、その内の一つに「疱瘡姫皇女」と刻まれた石塔(明和6年 1769)があります。
     

 この石塔は皇女の文字から松虫姫碑ではないかと思われます。病名は異なりますが疫病への庶民の悲痛な願いを感じる石碑です。なお、市内には疱瘡神の祠は色々な寺社の境内或いは道端に見られます。昔から人々が疫病に苦しみ疫病から逃れたいと願ってきたことの現れだと思いました。また、同市小林地区には、ホウソウビマチ(疱瘡日待ち)と言われる行事があります。1月17日青年館にこもり、赤い幣束とさんだわら(桟俵)の円座を作り、疫病退散を願った集まりがあったということです。ただ、現在その集まりが行われているかどうかは分かりません。※添付は疱瘡姫皇女の石塔の写真の他に宗甫の皇太神社に祀られている赤の幣束が捧げられている石塔の写真も貼ります。
   


【武将源頼政が退治した‟ぬえ(鵺)“って何?】
 図志第4巻に「源頼政塚 結縁寺村にある。頼政は山城の宇治に敗死したが、死に際して、唱(となふ)と競(きそふ)の二人の家士に・・・言いつけた。」…と、源頼政のことが載っています。
 図志には結縁寺村の頼政卿の墓近辺の挿絵(鳥瞰図)が載っています。挿絵には現存する頼政塚を初め、名馬塚、入定ツカ、弁財天などが描かれています。
 塚に祀られている源頼政は平家物語に載っている弓の名手で、妖怪の「ぬえ(鵺)」を退治したという伝説の武将です。頼政が退治したといわれている妖怪「ぬえ」とは、林に棲み、夜「ひいいー、ひょおー」と不気味な声で鳴く野鳥のトラツグミだといわれています。
   

 トラツグミはツグミ科の冬鳥で漢字は虎鶫。やや大形で背面は黄褐色の虎模様を持った美しい鳥です。異称は「ぬえ(鵺)」です。
     

結縁寺は、奈良時代創設の真言宗の寺院で行基創建とされています。昔は広大な寺域に六坊を有する大寺で、本尊は鎌倉時代後期造像の銅造不動明王立像(国重要文化財指定)です。
 現在でも、塚の入り口にあるお堂で月に一回地元の人が集まり頼政公を祀る講が行われているようです。塚に立つヒイラギの木の枝に木綿糸などの紐が何本も結び付けられていましたが、この紐を畑仕事などで傷めた手首にまけば治るという言い伝えが残っているそうです。
 実際に紐を使っているという話を以前聞いたことがあります。
これらのことから、現在でも伝説上の頼政公が地元の人から大切にそして愛されているのだと思いました。
   

◆利根川図志…安政5年、下総布川(現茨城県利根町)に住んだ医師赤松宗旦が著した利根川流域の地誌。歴史や風物、民間の異聞・伝説、棲息する鳥魚類、神社仏閣などを綴った読み物であるとともに民俗的にも示唆に富む文献。

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【便りの感想や自然情報及び生活の中で気の付いた点など なんでもお寄せください。もしあれば写真も送ってください】◇

≪谷津田だよりの感想≫ 2021年1月8日
 今度も、珍しい写真をありがとうございます。トラツグミの写真は、とても鵺とは思えない可愛らしい写真ですね。これでは、トラツグミが可哀そうだと思いました。 ( S市のkさんより)

(^-^) いつも便りのお返事ありがとうございます。
 トラツグミは、バードウォッチングの人気の鳥です。
私の居住地のあるi市の県立公園には冬になると飛来していたのですが、この数年は見られません。羽の虎模様がとても美しくて見ていて飽きない姿です。
   
 私は以前窓ガラスに激突し虫の息になった個体を一晩家で保護したことがありました。体を温め、水をあげただけでしたが夜になると元気を取り戻しました。それで良かったのですが、真夜中にギャーギャーという物凄い声で鳴き出したのです。警戒の鳴き声なのか分かりませんが余りの大きく激しい声に困ったことを覚えています。
※このトラツグミは翌日、市川市行徳の野鳥観察舎併設の野鳥病院に持ち込み、10日後に野生復帰できました。添付の写真は保護した個体ではなく、i市の県立公園で撮影したトラツグミです。 ( jより)

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≪谷津田だよりの感想≫ 2021年1月8日
 谷津田だよりありがとうございました。知らないことばかりで、とても興味深い内容でした。
 ヤハライボとは、住んでいる環境と鳴き声を組み合わせた名前で、ナイスネイミングですね。サンカノゴイの鳴き声は聞いたことがないので、ネットで聞いてみると、低温の深みのある魅力的な鳴き声でした。漢字は「山家五位」、ゴイサギと同じ「五位」の位をいただいたのでしょうか。
 ヒクイナがポンポン鳥とはおもしろ~い!
 どちらの鳥も、今ではあまり見られませんが、その時代はなじみ深い鳥だったのでしょうか。

「疱瘡神」の祠は、i市ではよく見られるとのこと。先日、観察会の下見で行った小室の八幡神社に「疱瘡神」の祠があり、私は初めて知りました。
 疱瘡日待ちという行事まで行われていたとは、いかに怖い病だったかと伺いしれます。コロナ禍が収まらず、今に通じるものを感じます。
 結縁寺はしばらく行っておりませんが、そんな歴史のある所とは知りませんでした。また訪れる機会がありましたら、源頼政塚に手を合わせたいと思います。
 トラツグミが妖怪にされるとは驚きですが、それほど鳴き声が不気味で、得体が知れず、怖かったのですね。
 コロナと寒さで家に籠りがちですが、散歩がてら、鳥たちのご機嫌伺に出かけたいと思います。 (f市のTさんより)

(^-^) いつも投稿ありがとうございます。
 新型コロナウイルス感染の増加が連日の一番ニュースで報道されています。私も病院通いも我慢し、買い物にもめったに行かない生活が続いています。これがいつまで続くのか考えるだけで気が滅入りますね。
そんな時に近場の自然や歴史に触れるのは心の栄養になる感じがします。 ( jより)

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◎ 緊急事態宣言も一都三県に7府県追加が決定しました。また、ビジネス往来可の11か国の一時停止も決まったようです。どちらも前々から医療専門家から要請されていたことです。政権が経済を回すことを優先し、遅れていたものです。後手後手の対応、本当に心配がつきません。

『里山自然の魅力シリーズ ⑤』 
◎里山自然の楽しみ ―里山歩きで見つけた動植物―
【冬になると菜園に毎年やって来る訪問者“ヘッカ”とは?】
 随分前のことですが、里山に広がる冬枯れの水田地区を歩いていた時、作業していた農家の方が「まだ‟ヘッカ“を見ねえがそろそろやって来るべえか」と話しかけてきました。聞いてみると‟ヘッカ”は作業をしているすぐ近くの杭などに止まっていてとても可愛い鳥だと言っていました。ヘッカと聞いて頭に浮かんだのはセッカ(ウグイス科の小鳥)です。しかし、セッカは冬季は見られないので違います。それで、カッカ、カッカと鳴くジョウビタキのことだと気がつきました。
 ヘッカとはいわばジョウビタキの方言(この辺だけに通じる地方名)ですね。ジョウビタキはツグミ科の渡り鳥(冬鳥)で市街地の公園、農
耕地、草地などで雌雄とも単独で縄張りをもって暮らします。漢字では尉鶲です。尉(じょう)は老人の白髪をいい頭がグレーのことからついたようです。
 鶲(ひたき)は、カッカッの鳴き声が石を叩く音のように聞こえることから石叩き(イシタタキ)からヒタキになったようです。ただし、諸説あり。雄は頭が前述のように灰白色、喉と背は黒く、胸から腹は鮮やかな橙色で、翼に白い斑があります。
   

 雌は頭部からの上面は灰褐色で翼に雄より小さいがやはり白斑があります。この白斑は遠くからも良く目立つことから、紋付鳥の異称があります。ヒッヒッとか、カッカッとよく鳴き、時には庭先にもやって来る冬の可愛いいお客様です。
   

※谷津田だよりの 74ページ(2015.2.8 版) にジョウビタキについて書いてありますので参照してください。
 URL http://www5f.biglobe.ne.jp/~yatudadayori/

セイタカアワダチソウってホントに悪者?】
 ずうっと花粉症の原因として疑われていたセイタカアワダチソウは、実際にはあまり花粉を飛ばさないのです。どうも、同じような場所で雑草化しているブタクサと混同されていたのです。
 セイタカアワダチソウは北アメリカ原産のキク科の多年草で漢字は背高泡立草と書きます。一時各地で目立ち心配されていましたが、現在はずいぶん沈静化しています。フロンティア植物として開発された空き地や河川敷等に猛烈に増え嫌われる雑草です。本種は虫媒花の為、花粉はあまり飛ばしませんので花粉症の原因にはならないそうです。それどころか養蜂家にとっては秋の貴重な蜜源植物として貴重な物だそうです。
              
   
   セイタカアワダチソウの群生

 セイタカアワダチソウと混同されていたブタクサは、同じく北アメリカ原産のキク科の一年草で現在も全国のいたるところで雑草化しています。
   
 こちらは風で花粉を飛ばす風媒花の為、夏から秋にかけて花粉症の元凶となっているのです。また近縁種のオオブタクサも同様に花粉症を引き起こします。よって、花粉症の件では本種は悪者とは言えません。


【外来生物の侵入】
 外来生物とは海外から日本へ持ち込まれ、日本の在来生物の生存を脅かしたり生態系を乱したり、種を乱す恐れのある生物をいいます。外来生物の取扱規制と外来生物防除を行うことを定めた法律が特定外来生物法です。この法律は、外来生物の内特に生態系に被害を及ぼす恐れの多い種を規制や禁止条項を決めています。
 ニュースでよく取り上げられていますカミツキガメ、オオキンケイギクもこの法律で規制されているのです。
   

      
   
   オオキンケイギクの群生


 主な特定外来生物の一部を次に掲載しておきますので参考にして下さい。
【哺乳類】アライグマ、キョン
【鳥類】ソウシチョウ、ガビチョウ
【魚類】オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ
【爬虫類】カミツキガメ
【両生類】ウシガエル
【植物】ナガエツルノゲイトウ、アレチウリ。
      
   
   ナガエツルノゲイトウ(群生)

 これら移入された動植物自身には責任は無いのですが、それを放したり棄てたりした人間に責任があります。

 なお、特定外来生物指定ではありませんが、i市内で農作物被害で一番に困っているのが、国内外来(移入)と言われているイノシシです。
   

現在3000頭以上棲息していると推測され、害獣駆除を行っているが追いつかないのが現状です。随分前に県内のイノシシは絶滅したいわれています。それが現在このように増加しているのは狩猟用に持ち込まれた個体が野生化し増えたと言われています。まさに人の為したことですね。
 この他にも条例により害鳥獣駆除対象となっている動物にはタヌキやハクビシンなどがあります。
※本メール添付の写真はHP谷津田だよりにも掲載予定です。

◆里山歩きのマナー…最近里山を訪れる人たちが増えてきました。それに伴いマナー、モラルに関するクレームも結構ありますので身近な自然を壊さないためにも各自がマナーを守ることが大切です。
里山でのマナーは、田の畔道を踏み荒らさないように気をつける。路傍の草花、山菜やキノコ等をむやみに採らないようにする。田や畑は農家の方の仕事の場所であることを念頭に置くなどです。

◇谷津田だより情報コーナー◇
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≪谷津田だよりの感想≫ 2021年1月14日
 谷津田だより何時もありがとうございます。
ジョウビタキは可愛いですね。外来生物の異常繁殖は仰る通り、人間の為せる業ですね。中には、戦後の食糧不足を補うために移入されたウシガエル、又その餌として移入されたアメリカザリガニのようなケースもありますが、大方は人間が飼育の果てに捨てたものですね。
自分たちの蒔いた種は自分達で刈り取るしかありませんね。 ( S市のkさんより)

(^-^) いつも便りのお返事ありがとうございます。
外来生物問題は私達人間も生態系の一部であるという認識を持つことがとても大切なことだと思います。( jより)

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◎ 緊急事態宣言が発出されてから2週間あまり経ちましたが新型コロナウイルス感染拡大が収まりません。心配は増えるばかりです。こんな時こそ自然に目を向けて心だけでもリラックスできたらと思います。

『里山自然の魅力シリーズ ⑥』 
◎里山自然の楽しみ ―里山歩きで見つけた動植物―
【一泊二日の訪問者 戸神川防災調節池の白鳥さん】
 千葉ニュータウン中央駅から歩いて数分の所にある調整池には、毎年遠いシベリアからオオハクチョウが越冬のためにやって来ます。初めて来たのは今から16年前(2005年)11月23日の夕方でした。
 調整池にかかる大橋にカモなどの水鳥観察をするために訪れた時でした。池には2羽の白鳥の姿がありまし
た。白鳥達は私よりほんの少し前に飛来した模様と思われます。白鳥はオオハクチョウ1羽とコハクチョウ1羽でした。体全体が灰色っぽくどちらも幼鳥ということが分かりました。しばらく様子を見ていると、体が一回り大きなオオハクチョウの方がコハクチョウをつついたりして追いやる仕草が見られました。案の定、二日後に体の小さなコハクチョウは姿を消してしまい、オオハクチョウ1羽で年を越しました。いじめた罰とは思いませんが、餌(マコモの茎や根)を採る時も水面で昼寝をする時も夜もずっとひとりぼっちです。でも、それは1月の中旬まででした。なんとコハクチョウが戻ってきたのです。その時からこの2羽は何をする時も一緒に行動し、2月26日に北へ帰って行きました。
 尚、このオオハクチョウに「ミル」と名付けました。池の近くにお住まいの男性が灰色っぽい姿を見て「アンデルセン童話の"みにくいアヒルの子”みたいだね。」 と言っていたことから、みにくいの「ミ」とアヒルの子の「ル」をとってつけた名です。

 2年目の2006年11月26日にはオオハクチョウ2羽が飛来しました。前年に飛来したオオハクチョウのミルさんと思われます。3年目はミルさんともう一羽のオオハクチョウおよびコハクチョウ3羽の合計5羽、4年目にはオオハクチョウ6羽が飛来しました。それはミルさん(雌と思われる)とつがいの相手のオオハクチョウ(雄と思われる・名をギザさんと付ける)、他に雌雄不明の成鳥1羽、幼鳥3羽の合計6羽でした。それからは毎年数を増やしながら飛来していました。
ただ、8年目の2013年位からは数が多くなり(最高19羽)ミルさんの個体識別が難しくなりはっきり確認できていません。しかし、ミルさんの家族群が飛来していたのは間違いなさそうです。

 毎年安定して飛来するようになった白鳥の群れなのですが、残念なことに2016年からは飛来してもこの池で越冬しなかったり、数が極端に減ってしまったりと安定していません。16年目になる2021年の今冬はとうとう姿を現さず、飛来を楽しみにしていた人々をがっかりさせていました。そんな中でしたが、1月22日の午前10時頃、池近くにお住まいのSさんご夫妻から"白鳥が池にいますよ”という連絡を頂きました。 カメラを持って池に到着した時は2羽のオオハクチョウ(どちらも成鳥)が水面でマコモを採餌したり、水面をゆっくりと移動したりする姿が見られました。何とかこの後池に止まってくれることを願いつつ池を離れました。しかし、翌日(23日)に池のすぐ脇にお住まいのUさんから”午前中見られた白鳥が午後は見られません”…との連絡が入りました。結局、そのまま池には白鳥の姿は確認できていません。
 たった一泊二日の白鳥飛来となってしまったみたいです。今後再飛来することを切に願っている次第です。

 添付の写真のキャプションは、
 ①2羽のオオハクチョウが水面を移動する様子
 ②餌となるマコモの茎や根を首を水中に沈めて食べて
  いる様子
 ③オオハクチョウのアップ写真(頭から首部が薄茶に
  汚れて見えるのは恐らく鉄分の多い湖沼で採餌して
  いることによると思われます)です。
 尚、③の写真はT.Hさんからの提供です。

◇ 写真① ◇
   

◇ 写真② ◇ 
   

◇ 写真③ ◇
   




 ◇ 谷津田だより情報コーナー ◇
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≪谷津田だよりの感想≫ 2021年1月27日
 谷津田だより何時もありがとうございます。
そういえば、何年前かは忘れましたが、二羽の白鳥がいる調整池へ案内していただきましたね。
ここは、自然採餌とのことで清水口の調整池の白鳥とは違っているとの印象が有りました。
 その後、飛来した白鳥は19羽まで増えたのですね。でも今年は、2羽とのこと。しかも1日だけで次の日には飛び去ってしまったとのこと残念ですね。
 S市の清水口調整池の白鳥は昨年2020年の11月6日に1羽が飛来し、最近行ってみましたら、20羽以上は居ました。ここでは餌を与えているので白鳥だけでなく沢山のカモ類もいました。そのカモ達はのんびりと日向ぼっこをしていました。鳥インフルエンザにかからないとよいのですが。( s市のkさんより)

(^-^) いつも便りのお返事ありがとうございます。
 たよりに載せた調整池はオオハクチョウの自然採餌が見られる南限の越冬地として国内でも大変重要な場所でした。
再度やってきてくれることを願うばかりです。( jより)

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≪谷津田だよりの感想≫ 2021年1月28日
 谷津田だより何時もありがとうございます。
白鳥の"ミルさん"と“ギザくん”の物語はとても楽しく拝見しました。
16年にさかのぼるんですね。自然の恵みとは見守ることも大切なのだと感じます。
 今回居なくなったオオハクチョウたちは、ひょっとしたら近くの餌場(本埜、笠神)に寄り道しているのかもしれませんね。
 今年、久々に笠神の白鳥の里に白鳥を見に行きました。
 相変らずハクチョウや、オナガガモなどが密になって団子のように混雑していて異様な風景でした。
 それに鳥インフルエンザも心配ですね。
 さて、近所の公園でいつも冬に見かけるアカハラと今年も出会いました! 昨年と同じ個体かしら?と思うと愛しさがこみあげてきます。 ( i市のy.sさんより)
   

(^-^) いつも便りのお返事ありがとうございます。
 白鳥は家族や親子単位で、それも雌を中心としたいわば女系社会で行動しているようです。そう考えると初飛来(2005年)のミルさん(雌と思われる)が家族を増やしながら毎年この調節池にやって来ていたことも納得ができます。

※谷津田だよりの次のページにオオハクチョウのミルさんの写真と記事が出ていますのでみて下さい。
 谷津田だより http://www5f.biglobe.ne.jp/~yatudadayori/

① 16ページ 2005年11月23日
 初めてやってきた時のミルさんの写真が載っています。
 (まだ幼鳥のため羽がグレーです。)
② 45ページ 2009年11月9日
  4度目の飛来でやってきたミルさんの写真が載ってい
 ます。(成鳥の羽は真っ白ですが、頭部から首にかけて
 少し焦げ茶っぽい。それは鉄分の多い池の水に染まった
 ものと思われます。) (jより)

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≪自然破壊、残念!≫ 2021年2月4日
 おはようございます。いつもお便り有難うございます。
 前からここ「飯山満」駅近辺の、区画整理なる自然破壊が進められていることは、以前写真でお知らせしました。が、とうとう船橋市指定文化財の「揺るぎ地蔵」の直ぐそばまで迫ってきて、昨日(1/31)見に行ったら写真のように入口にある大木が2本も切り倒されていました。
    

 f市の文化財課に聞いてみたら地蔵そのものは動かさないが周りは全て開発されるとの事。計画自体は、何十年も前からあったらしいし、地権者の権利だから仕方ないといわれました。人の土地ですから文句も言えませんが年々緑が無くなって行きます。
 今年は、「ヒヨドリジョウゴ」の豊作だったみたいで、残り少ない藪にいっぱい実を付けていました。( m.nより) 
 
(^_^;) 私は以前f市に勤めているときに「揺るぎ地蔵」の作者が同じ木材から彫りだしたと言われる「こっぱ地蔵」の納められているお堂脇を通って通勤していました。そんなこともあり、お話にあるゆるぎ地蔵のお堂の前の大木が切り倒されこと残念でたまりません。このように自然がどんどん消されていくことに憤りを感じます。
 ①以前Nさんから届いた情報は、HP「谷津田だより」に載せてあります。”たより”の p93 2018年9月15日です。
 ②高幢庵「こっぱ地蔵」の記事は、谷津田だよりp91 2018年6月10日に載せてあります。この地蔵は作者の木食上人観信が「揺るぎ地蔵」を彫った後に残った材で  彫ったものといわれていますので、いわば兄弟地蔵です。
 谷津田だよりHPは下記です。(トップページ左端のページp93、p91を開いて下さい)
  http://www5f.biglobe.ne.jp/~yatudadayori/ 
 (jより)

2021
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◎ 緊急事態宣言の延長が決まり、さらなる自粛が要請される日々が続きます。私達人間はじっと我慢の時ですが生き物たちは元気です。菜園の日だまりに動き出したテントウムシを発見しました。そういえば昨日2月3日は立春でした。

『里山自然の魅力シリーズ ⑦』 
◎里山自然の楽しみ ―里山歩きで見つけた動植物―
【顔の巴(ともえ)文様が特徴の美しいトモエガモ】
 i市のT調節池にやって来ているオシドリの群れを見に来る人が、少しずつですが増えているようです。数十センチもある望遠レンズを備えたカメラやスコープ(望遠鏡)を持ち込む人の姿も見られます。やはり、オシドリは人気者ですね。
 先日私も小さなスコープを携えてオシドリを観察に行きました。相変わらず対岸の樹木の枝が水面に垂れ下がっている場所に群れていました。小さなカメラでは遠くて証拠写真にしかならないのですが何枚か撮影をしました。
   

 観察しているとオシドリの群れの中に違う種類のカモが混じっているのに気がつきました。頭部から顔にかけて黄白色と濃い緑色の巴型の模様が見えたので、希少種のトモエガモだと分かりました。近くには雌も見られ、全部で10羽以上はいるようでした。
   

 観察しているとオシドリと仲がよく一種に泳いだり、水面に下がっている枝に一緒に登ったりしていました。

 この池では毎年数羽は確認されていますが10羽以上の群れは初めてのようです。
 毎年北印旛沼には沢山飛来することは知られていますが、内陸の小さな池や沼にやってくることは少ないようです。
 1月11日にi市B調整池でカモ飛来数調査を行った際に2羽のトモエガモを確認して以来です。
 いつまで本池にいるかは分かりませんがしばらく留まってくれると良いなあと思います。

トモエガモ・・・カモ科の冬鳥。漢字は巴鴨。全長40センチ、雄は顔の巴模様が特徴的。雌は地味で嘴の基部に小さな円形の白い紋がある。
 名前は顔の模様を巴の文字にたとえたものといいます。
昔は食用とされることもあったそうです。鴨類の中で最も美味であるとされていて、アジガモ(味鴨)と呼称されることもあったそうです。
 現在は生息数が減っていて、環境省レッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。


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   ◇谷津田だより情報コーナー◇
【便りの感想や自然情報及び生活の中で気の付いた点などなんでもお寄せください。もしあれば写真も送って下さい】

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≪谷津田だよりのお礼と白鳥の餌付け≫ 2021年2月5日
 何時もありがとうございます。トモエガモ可愛らしいですね。
2月1日にs市にあるN調整池へ行ってきました。丁度,餌をやる時間でハクチョウたちも道路側の水辺に集まりましたので数えやすかったです。全部で43羽居ました。
 餌をやっている人に聞くと、この冬は、今の所、47羽が最も多いようです。鴨たちは餌を与える人の、直ぐそばまで来ていましたが、白鳥は水辺で待っていました。
 餌は前はパン屑だと思いましたが、今回はパン屑のほかに、野菜屑も与えていました。 ( T.kより)
 
(^_^;) いつもたよりの感想ありがとうございます。
またお忙しい中、白鳥の数情報ありがとうございました。47羽とは近年で最大数ではありませんかね。
 やはり、白鳥や鴨にとって餌付けの魅力は絶大なのですね。自然採餌より簡単に大量にそして安易に採れるのですね。
 ただ、人が行う餌付けには自然採餌と違っていくつものデメリットがあることを認識しておく必要がありますね。
 ( jより)

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≪T調節池の白鳥とトモエガモ情報≫ 2021年2月6日
 今朝7時30分頃橋南側の芝生広場にさしかかった時、池に白いものが見えたのでカメラを向けたら白鳥でした。私の立っている対岸にかなり近づきましたが途中Uターンの体制を取りすぐに助走し飛び立って行きました。確か6時45分頃ニュータウン大橋の上からトモエガモの群れを見ていましたが、その時には白鳥はいなかったと思います。
 前回1泊で白鳥が飛来して飛び立ったのも7時過ぎで、1/31の情報も7時半頃だったのでもしかしたら7時頃に時々訪れている可能性あるかもしれませんね。
 今朝私が橋の上を歩いていたら戸神の池には沢山のかもで賑わっていました。オシドリだと思ってカメラを向けたら、どうやらトモエガモの群れでした。 ( R.Uより)

(^_^;) 白鳥の情報とトモエガモ情報ありがとうございました。
朝7時頃に白鳥が訪れているのでは…という推測案外当たっているかもしれませんね。また、情報を送って下さい。  ( jより)

《飯山満のゆるぎ地蔵尊入り口付近の開発》 2021年2月5日
「ゆるき地蔵尊」のことが谷津田だより情報コーナーで取り上げられていました。場所をみると飯山満駅の近くとのこと。
 最近家内を連れてその近くの病院にたびたび通っています。
家内の診察が終わるのを待つ間、今日(2/5)はちょっと足を伸ばして、初めてゆるぎ地蔵尊と飯山満駅近辺の工事を見てきました。
 船橋というと、白井・印西からするとかなり都会のイメージがありますが、まわりには結構自然が残っているのですね。
 鉄道が通って駅ができたのだからいずれ開発はされてゆくのでしょうが、ほっとする空間が少なくなるのは残念です。 ( M.Sより)

(^_^)今、市街地近辺で大木が見られるのは寺社林だけだと思います。昔から古木は畏敬の念で守られていたのですが、最近はそうでもなくなったのですね。簡単に伐採し道は太く真っ直ぐにし、新しい建物を建てて便利さが先行していくのでしょう。 M.Sさんの"ほっとする空間"が本当に大切なのですよね。 ( jより)



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