連載小説
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#02:ラストレイヴンをブッ潰せ!
 グラッジパペットの右腕に携えられたMWG-MG/1000と、左腕に握られたMWG-MG/800が相次いで弾丸を吐き出した。旧型番WR04M-PIXIE2の頃から携行弾数で定評があり、現在はYWH13M-NIXに次ぐ高速連射性能も獲得したマシンガンと、弾数と連射力こそ劣るが一時代を築いた名マシンガンのコンビが弾幕を張り、接近してきたファシネイター3機に襲い掛かった。
 ACはその黎明期、ある程度撃つごとにマガジン、つまり弾倉交換を必要していたのだが、これでは両手に銃を持って戦うACでは交換が出来ず、しかも弾切れしたならば戦場を頻繁に行き来しなければ戦えないと言う事態に陥った。
 これでは戦闘可能時間が補給に割かれ、兵器としての実用性・信頼性に欠くとして、企業はAC用兵器一切の弾倉を大容量化し、また弾のサイズ自体も調整することで携行弾数を増やす取り組みを余儀なくされた。もちろん、弾のサイズと威力の折半に、開発者や各種技術者達が苦心を重ねる羽目になった事は言うまでも無い。
 MWG-MG/1000とMWG-MG/800、それぞれの弾が息継ぎなしにファシネイターに襲い掛かる事が出来るのも、その賜物だった。
 そのうち2機は、左右に逃げる事で弾幕から逃れたが、逃げ遅れた中央の1機は弾幕をもろに浴び、数秒のうちに爆発・四散した。
 クオレは武器を切り替え、再び左肩のレーザーキャノンを倒す。そして、オーバードブーストを起動して横に飛んだ。
 これでファシネイターも敵を捉えたのだろう、浮かび上がるや、パルスキャノンとマシンガン、レールガンを動員しての波状攻撃を仕掛け出した。24時間戦争以来、数え切れないほどのレイヴン達を殺し、時にトラウマを与えた程の鬼畜な攻撃である。しかしその攻撃は、最早クオレとグラッジパペットには通じない。
 36年前の比ではないほどに強化されたMCL-SS/RAYのオーバードブーストは、弾幕をいとも簡単に振り切った。それに伴い凄まじいGが掛かったが、ジナイーダを殺す為だけに強化人間化したクオレにはそれ程苦ではない。逆に瞬間最高時速900キロと言う神速でファシネイターの股下を潜る。
 ただし、クオレはオーバードブーストの長時間噴射はしない。噴射時間はせいぜい3秒程度。それ以上噴射すると優れた速力故に敵との距離が離れ過ぎてしまい、マシンガンが効率的に機能しなくなるためだ。
 グラッジパペットが股下を潜った刹那、ファシネイターの股間が緑色の爆発に食い破られた。一瞬の交錯のうちに、レーザーキャノンが雷光の如く繰り出されていたのだ。レーザーは股間どころかコア背部まで達し、エネルギータンクに直撃。股割きに処された数秒後には地面に落下し爆発した。
 反転したグラッジパペットの前では、まだ1機のファシネイターが残っていた。上空に飛び上がり、マシンガンとパルスキャノン、更にはハンドレールガンを撃ち放つ。
 クオレは地上で回避に徹した。この時ヘタに浮かべば速度が落ちたところを逆に撃ち込まれると判断、安定した速度を出せる地上での回避運動に入る。小刻みに愛機を震わせるような動きで、敵の照準予測を逆手にとって弾幕をいなす。
 この場合、撃ちっ放しになっているパルスキャノンやマシンガンを多少食らってしまうのは仕方ないが、幾ら薄装甲のMCL-SS/RAYとは言え、連射兵器の弾数発で壊れてしまうほどヤワではない。
 軽量級から中量級に格上げされたMLM-MX/EDGEは、積載量こそ犠牲になっているがフォースフィールド発生装置内臓区画が多いため、当然フォースフィールドの出力も高い。おかげで軽量級パーツでありながら、使用パイロットの死亡率は比較的低い。そして、中量2脚としては軽量な事もあってか軽快な動きが出来る。回避には全く困らないものだ。
 むしろ、警戒すべきはハンドレールガン・YWH16HR-PYTHONにあった。
 24時間戦争時代に試験的に生産されたものの、いざ手にとって見れば「レールガンのクセに弾速が遅い」「たいした威力ではない」「そのくせリロードが遅い」「何故か狙った所に飛ばない」との苦情が相次ぎ、結果欠陥品の扱いを受けて僅か1年で生産中止の憂き目を見た事で知られていたのだが、ファシネイターが装備しているそれは、どういう理由なのか、理不尽なまでに性能が強化されていた事でも知られていたのだ。
 他の攻撃は兎も角、これだけは絶対に食らいたくない――クオレの背筋を冷や汗が伝うなか、蒼白いエネルギー弾がグラッジパペットの右手側を掠め飛んだ。件のハンドレールガンが繰り出されたが、ロケットにも劣る弾速のせいで、狙いを外したのだ。
 24時間戦争時代はそれでもまだ、ジナイーダの腕を以ってすればACを狙うに不足は無い所であったが、しかし俊足のグラッジパペットを相手取るには、あまりにも弾速が遅過ぎた。
 3本のレールの間に再び蒼白い光を認め、クオレとグラッジパペットは即座に動いた。再びオーバードブーストを起動し、マシンガンを撃ちながら弾幕を突っ切り、ファシネイターの股下を通過。そのまま旋回し、右手側を向けていたファシネイターにレーザーキャノンを見舞った。チャージ途中だったハンドレールガンが腕部諸共破壊され、ジェネレーターが穿たれた。
 ACの稼働にはジェネレーターで作られるエネルギーと燃料、双方が必要不可欠だった。よって、ジェネレーターが破損しては、ファシネイターも持ち前の戦闘力を発揮出来ず、地面をトボトボ歩くか、ぎこちない動きでブースターを吹かすかのどちらかだ。
 グラッジパペットはそのファシネイターに高速接近し、ジャンプした。そして、運動エネルギーと自重任せにドロップキックを食らわした。右腕をなくしたファシネイターは後ろから蹴られて地面に倒れる。
 更にミサイルポッドとパルスキャノンが蹴り飛ばされ、肘関節が踏まれて外れた。関節が外れた事でマシンガンは地面に向き、最早発射不能となった。
 無抵抗になった所で止めを刺そうと、後退しつつレーザーキャノンを向けたクオレだが、その彼の眼前を蒼白いエネルギー弾が、右から左へと横切った。
 幸い、機体にダメージはない。
「畜生、邪魔しやがって!」
 即座に向き直ったグラッジパペットの眼前には、またしてもファシネイターが1機現れていた。しかも、戦斧と鴉を模った兜のエンブレムを持ち、カラサワの俗称で知られる巨大なレーザーライフルと両肩ミサイルランチャーを携えた色白の重量2脚もセットで。
 更に、その周辺に昆虫を思わせる4脚歩行メカと、肩当と腰当を備えた甲冑の胴体部だけが浮かんでいるようなデザインの浮遊メカの群れが周囲についていた。
 半死状態のファシネイターを無視し、グラッジパペットは即座にレーザーキャノンをロックオン、エメラルドグリーンの光線を迸らせた。浮遊していたファシネイターはコアをぶち抜かれ、何も出来ずにあっけなく爆発四散した。
 更に、浮遊メカの何機かが、ACの破片を食らって道連れにされた。
「ったく、筋金入りのド畜生なんか連れて来やがってよ……」
 クオレの額に血管が浮き上がった。
 彼の目の前にいたのはフォックスアイだった。それは即ち、バーテックス初代宰相となったがために、バーテックス戦争の主犯格とされてしまい、結果「レイヴン界史上最悪の愚か者」のレッテルを貼られる事となったジャック・Oが、復活させられていた事を意味していた。
 ジナイーダやその搭乗機と同じ様にして。
「テメェも同罪だジャック・O! このクソッタレのA級戦犯野郎が!!」
 青年の怒りと共に、グラッジパペットはMWG-MG/800を手放し、オーバードブーストで一瞬のうちにすれ違った。MLB-HALBERDが鮮血の如き紅蓮の刀身を生成したのが見えたときには、フォックスアイの右腕は切り裂かれていた。
「テメェがバーテックスだなんてクソッタレ連中を世に出したせいで、この世界も俺の人生も滅茶苦茶になっちまったじゃねぇか!」
 鈍足で動きの遅いフォックスアイは、クオレにとっては格好の餌食だった。マシンガンやレーザーキャノンを使うまでもなく、今となっては大した防御力ではないC04-ATLASの装甲だけを狙って切り裂く。
 MLB-HALBERDは長刀身レーザーブレードとして知られているが、クオレはその出力を調整し、刀身を通常の半分程度のサイズにした上でフォックスアイのコアへと突き刺した。刀身こそ短いが、その出力は集束されており、元の何倍もの威力を持ってフォックスアイのジェネレーターをぶち抜いた。
「全く、忌々しいッ……」
 最初のフォックスアイが倒れる前に、もう1機のフォックスアイも斬りつけられた。C04-ATLASの装甲や内部機構が切り裂かれ、痛め付けられる。
 周辺の機動兵器は、グラッジパペットを仕留めようと各々の武器を撃ち放った。だがクオレはフォックスアイを盾にし、彼らの猛攻を防いだ。そして、その上で、フォックスアイを後ろから滅多斬りにした。
「もういっぺん地獄に逝けぇぇぇぇぇッ!!」
 ジャック・Oが何を考えてバーテックスを設立したのか、今となっては分からない。しかし、クオレにとっては、ラストレイヴンとその時代――24時間戦争とバーテックス戦争にまつわるものは、例外なく憎悪の対象になっていた。
 全ては、レイヴン史上最低最悪の女ジナイーダに、ドミナントやラストレイヴンと言う、忌まわしいにも程がある称号を与え、名を轟かせてしまった結果、でかい面で破壊活動させるようになったからと言う事に起因している。
 そして、そのきっかけを作ったと言う事で、ジャック・Oもまた、クオレの激しい憎悪を買ったのであった。
 完全に機能停止したフォックスアイを遺棄し、グラッジパペットはオーバードブーストで一端距離を離した。ACの範疇にない機動兵器たちが、即座にその後を追う。
 すれ違いざま、クオレは彼ら機械軍団に共通するマークが刻まれていたのを見た。
 機械達には皆、「赤地の菱形に黒い地球」のエンブレムが刻まれていた。クオレの記憶領域では、このマークは見慣れたものであり、動揺はない。
「ソラックスにデバッガーか……デバッガーの方は機械生命体に乗っ取られてるのか」
 オーバードブーストを停止し、MWG-MG/1000を構える。
「本家本元の機械生命体が相手となると、慎重に掛からないとな……」
 クオレは呼吸を整え、迫り来る無人兵器と対峙した。
 機械生命体と呼ばれている彼等は、今から21年前に発生した“大崩落(グレート・フォール)”と呼ばれる世界崩壊を境として出現するようになった、「人の手を離れて活動している無人兵器」の総称だ。
 もともと彼等は、人工知能やリモコン等による遠隔操作によって動く人類側の無人兵器だった。それが「世界に絶望した人間のデッドコピーデータ」を内蔵、もしくは接触(インストール、ないしダウンロード)したことによって暴走、独自の進化を遂げて人類に攻撃を仕掛けるようになったものである。
 当初、彼らの出現に際しても、人間達は「SF小説から出た嘘か何かだろう」と、誰もが相手にしなかった。非現実的過るので、誰かが巻いた根も葉もない噂だろうと思ったのだ。ただしそれには、「機械が人類に対して反乱を起こすはずがない」と言う楽観と、「起こして貰いたくない」と言う恐怖も含まれていた。
 しかし、その直後にコンピュータネットワークが原因不明のシステムダウンに見舞われ、更にその後、各地の無人兵器が暴走し、バーテックス戦争を生き延びた諸都市を攻撃し出すに及び、それが嘘ではなくれっきとした現実であると認識せざるを得なくなった。
 そして、機械生命体達――厳密には彼らの大本となる人間のデッドコピーが、全人類に宣戦を布告、同時に完全殺戮による現生人類ホモ・サピエンス種の絶滅と、人類文明の徹底的破壊による根絶を宣言。制御下に置いたプラントで独自戦力を開発・量産し、その矛先を全人類に向けた。
 一方では、「超干渉」と呼ばれる能力によって各地の無人兵器や施設群を乗っ取り、遂には寝返らせて人類に攻撃を仕掛けた。そして、その中には細菌兵器、化学兵器、生物兵器、そして核兵器など大量破壊兵器も含まれていた。
 ACも例外ではなく、CR-H05XS-EYE3やYH15-DRONEと言った超高性能頭部にシステム制御を依存していたACは、例外なく乗っ取られてしまったのである。結果、アリーナにおいて、これらの頭部パーツを多用していたランカーACが全て乗っ取られ、下位のランカーを虐殺したと言う事件も多発した。
 以後、時に都市丸ごと一つが消滅する程の大量破壊・虐殺が展開され、彼等と人類の間で一進一退の攻防が続いていた。
 その戦いは、今日――西暦3097年4月6日現在も、世界のどこかで続いていた。
 ラストレイヴンとそれに関する事象を叩き潰した今、憎悪も何もなく、ただ生き延びる事だけを思い、クオレはファイアーボタンを押し込んだ。飛行する胴体だけの甲冑――ソラックスの1機が、蜂の巣にされて爆発した。
 ソラックスとデバッガーは短照射型のレーザーを繰り出して、一斉に反撃に転じた。一部のソラックスはぶら下げているプラズマキャノンを繰り出した。
 クオレは集団の周囲をオーバードブーストで大きく迂回しながら、左右に機体を振り、マシンガンを撃ちまくってソラックスを次々に撃墜する。
 ACの上半身程度のサイズしかないソラックスは機械生命体達が独自に作り出したMTで、速力・機動力が標準的な中量級2脚程度である以外、特筆するべき性能ではない。だが生産性には優れており、凄まじい数で行動している。
 今は距離を保っていられるからよいものの、集団で取り囲まれてレーザーを撃たれれば、ACなどあっと言う間に破壊される。しかも、ソラックスのプラズマ砲はAC搭載用キャノンにも匹敵する出力を有する、剣呑なシロモノであった。
 数の暴力を前にしては、ACと言えど勝ち目は薄かった。クオレからすれば、本家本元の機械生命体達は、名ばかりのドミナントに落ちぶれたジナイーダよりも遥かにタチの悪い強敵集団なのである。
 だからこそ、クオレは距離を取り、ソラックスの頭数を減らす作戦に出ていたのだ。
 だが、無視は許さんとばかりに3機のデバッガーが迫り、昆虫の様な機体上部に据え付けられたガトリングガンを発砲した。AC用武器パーツCR-WB69CGことCWC-CNG-300がその正体だと分かるや、クオレは即座に愛機を離脱させた。
 だが、離脱中に右肩のレーダーをソラックスに撃たれた。幸い完全破壊とまでは行かなかったが、レーダーロッドが折れ、レーダーコンソールに砂嵐が生じる。
 逃げるグラッジパペットを、デバッガーはソラックス達を従え、執拗に追い掛ける。その背に背負ったCWC-CNG-300やレーザーキャノンMWC-LQ/35、中型ロケット砲CWR-M70と言った武装が、憎しみに駆られるように、或いはクオレの血を味わえる事を歓喜するかの如く繰り出される。
 これ以上食らうかと、グラッジパペットは、それを巧みな機動で回避していた。ブースターは常に吹かしっぱなしの状態だったのだが、ラジエーターの性能な大幅強化が幸いし、機体温度が上昇する事はなかった。
 ナービス戦争時代やバーテックス戦争中期にかけてのACは、ブースターを吹かし続けた結果、ジェネレーターの自己熱も相まって、エネルギー出力低下を招いて動けなくなるケースが続出していた。
 これは熱量が危険域に差し掛かると安全装置が働き、自動でエネルギーが低下して動けないようになっていたもので、機体が熱に耐えられてもパイロットが耐えられないと言う事で、取られた処置だった。
 しかし、戦場ではどうしてもブースターを多用しなければならず、結果としてブースター発熱による機体温度上昇で安全装置が作動し、動けなくなった所を狙い撃たれてACが大破、逆にパイロットが戦死するケースが続出した。
 そのためこの安全装置はパイロット達の大不評を買い、25年ほど前を境に撤廃された。そのため現在のACは、熱暴走が起きても引き続きブースターを吹かしたり、エネルギー兵器を使ったりする事が可能だ。
 よってグラッジパペットには――否、現在のACには、ナービス戦争時代のACのように「ブースターを吹かし過ぎ、自熱でエネルギー出力が低下して動けなくなる」と言ったマヌケな事態はまず起こらない。
 そのACに対し、無人兵器群が執拗なまでに銃撃を見舞い続ける。その先頭にいるのは、AC用肩武装を乱射するデバッガーだ。
「ちっ、うるせぇハエトリロボだ」
 デバッガーを扱き下ろしながら、銃撃をいなすクオレは迫って来たソラックス4機をマシンガンで撃墜。入れ替わりで迫って来たハエトリロボことデバッガーに狙いを定める。しかし、中型ロケットとレーザーキャノンの十字砲火にあったため、攻撃を中止。オーバードブーストで更に距離を離した。
 大崩落以降、世界には生物兵器が野生化した成れの果てが跳梁しているが、それらは虫(バグ)型が多い。デバッガーは本来、そうした野生化した生物兵器を駆除するための無人戦闘メカだった。
 地下都市時代から用いられていた無人ガードマシン「ナースホルン」がその原型であるが、脚部ホバー内臓や上部ハードポイント増設等の改修が施され、その上部ハードポイントにAC用武装パーツを装着可能な為、ターゲットの種類に合わせた運用が可能な機体として活躍していた。
 だが、それが機械生命体軍団の尖兵に身をやつしている。
 所詮無人MTの部類に当たるため、単体ではさほどの脅威ではない。だが、複数で行動してAC用武器を撃たれると非常に厄介な相手であった。出来る事ならそれを優先的に排除したかったが、ソラックス達がレーザーやプラズマを撃ちながら迫って来た為、デバッガーだけに構っていられなかった。
 だが逃げているうちに、デバッガー3機が機械生命体の群れから突出した。
 これは好機と、グラッジパペットは即座にマシンガンを撃ち込みに掛かったが、着弾の瞬間、機体周辺に泡を思わせる緑色のフィールドが出現し、火花と共に弾丸が弾かれた。
「畜生、バリアを装備してたか……」
 クオレは舌打ちした。本来のデバッガーにはない装備だっただけに、尚更であった。
 このバリアは水蒸気や大気は別として、一定以上の質量を有する物体の一切を通さないもので、ソラックスの様に常時浮遊によってエネルギーを食ったり、スペースが小さいなどの理由がない限りは、機械生命体軍団の多くの機種が装備し、また彼等の側に寝返った兵器にもしばしば組み込まれるものであった。
 しかしクオレはすぐさま対応を変えた。マシンガンが効かないと見るや、レーザーキャノンでデバッガーを砲撃したのである。
 マシンガンを防いだバリアも高出力レーザーキャノンを防ぐのには役に立たず、射抜かれて爆発。直後にもう1機が同じ運命を辿らされた。残る1機は、2機目が爆発するあたりで急速後退して群れに戻った。
 デバッガー2機を屠ったグラッジパペットはACの墓場へと舞い戻り、落ちていたMWG-MG/800を拾い直そうとした。
 しかし、その時ソラックスと生き残りデバッガー4機が突如急速後退。やがて反転し、交戦を放棄して一斉に逃げ去って行ったのだった。
 これまでにもクオレは、戦っていた機械生命体達が突然、前触れもなく急速に戦場を離脱していく様子をしばしば見ている。その目的は定かではないが、彼等は統一された意思の元で戦う事はあっても、基本的な行動ロジックは昆虫のそれに近く、破壊本能や戦闘本能――つまりはプログラムの赴くままに行動している事が殆どである。
 故に、命令解除されれば逃走か特攻のどちらかになりがちで、今回も詳細は不明だが何かしらの命令があって、それが解除されたがために離脱したのだろうとクオレは即座に見て取った。同時に、何かしらの理由に基づく招集に応じた、と言う事も考えられた。
 クオレも彼等の全容を知っている訳ではないが、交戦の気配を感じると出現し、突然去って行くと言う彼等の不可解な行動パターンは知っていた。
「行ってくれたか……」
 クオレは安堵した。レーザーキャノンの発射可能数が、後3回にまで減少していたのだ。これが弾切れしたらデバッガーを倒す事は出来ず、後はマシンガンが切れ次第屠られるのみかと肝を冷やしていた。
「ったく、厄介なものを取り付けたもんだ」
 ジの付く忌まわしい女にそれをしなかっただけマシかと、クオレは常々思っていた。
 機械軍団側のバリア及びその発生装置は、有人ACにも搭載しようと思えば可能だったが、人類側兵器に組み込まれた発生装置は人体細胞をガン化させるほどの、放射能の如き強烈なパルスを発する事が確認され、たとえ全身をサイボーグ化させた強化人間であっても、浴び続けていれば、唯一残っている脳がガンや腫瘍にやられてしまう。
 このパルスは防護服はおろか、コックピットを守るタイプのフォースフィールドも貫通してしまう為、現在、その無力化方法も確立されていない。かと言って、無人機に搭載すれば確実に機械軍団側に寝返ってしまうと言う業物でもあった。
 しかも、都合の良い事に機械生命体側に組み込んだ場合、殺人パルスは全く発されないのであった。事実、戦場で彼等と出くわし続けていたクオレは全くパルスを浴びておらず、ガンも見られない。
 無人機に組み込んだことで暴走が促され、有人機に組み込めば普段は発せられない殺人パルスが生じる為、バリア発生装置自体に有人か無人を判断するシステムか何かが組み込まれているのではないか、との説がある。一方では、装置が拒否反応か何かを起こしてパルスを発していると言う説もある。
 しかし、防護服でも無力化出来ないパルスを発される危険性があるため、バリア発生装置の調査・解析は本日に至るまで殆ど行えず、ゆえに詳しい事は分かっていない。
 よって、未知の部分と危険な要素が余りにも多過ぎるため、人類側が用いようにも出来ないのが実情であった。
 デバッガーの場合は発生装置自体が小型である為、マシンガンやライフル程度の弾しか無力化出来ないのだが、多くのACパイロット達が用いている武器を無力化出来る事で、ACの優位性を失わせる事に成功している。
 何故ならACパーツは総じて高値で、状況に応じた換装を行うには相当の資金力が必要となる。よって、殆どのレイヴンは堅実かつ汎用性の高い実弾ライフル及びエネルギーライフル、マシンガンを好む傾向にあったからだ。
 24時間戦争後数年間はそれが特に顕著で、AC全体の戦闘速度向上により極端な速度至上主義を招き、「攻撃が当らない」「肩装備全般の価値が低下」「中量2脚至上、重量級機体全般は役立たず」と言う現象が起き、一撃系武器の価値が低下。逆にマシンガンやライフルが多くのACパイロット達に使われた。
 その結果、中量2脚でライフル二挺と言うACが氾濫し、「アセンブリによる戦局対応」は有名無実化したのだった。
 しかしそれも、機械生命体の出現によって終焉を迎えた。彼等のバリアによってライフルやマシンガンが通らなくなり、これらのACによる戦果は激減、逆に撃破されるACが続出した為であった。
 酷いものだと、機械生命体側の機動兵器1機によって、レイヴンの駆る「ライフル二挺の中量2脚AC」が30機も殺戮されたケースがあったほどである。
 しかも、更にACよりも低コストで量産可能で、しかもACと同等以上の性能を発揮する新型機動兵器の台頭により、企業や政府軍でACが次々に機種変更・退役させられる憂き目に遭い、ACパーツ市場は縮小。
 ついには、ACはその存在価値さえ、危うくなるまで至ったのである。
 時此処に至り、ACパイロットとメーカーは「パーツ数は氾濫したが実際に使われるパーツはごく一部だけだった」という、有名無実化したアセンブリとそのパーツについてを、根本的に見直さざるを得なくなった。
 その結果、近代化改修と再設計、部品数減少によるローコスト化などが行われ、また機械生命体や野生化した生物兵器と言った多種多様な外敵へと対応する為、様々なアセンブリのACが、実験的に世に出て来る事となった。
 ただ、AC使用者のイメージが強いレイヴンもバーテックス戦争を境に衰退した今、人類存続を脅かす存在を狩るハンター達が彼等に取って代わって、ACの最たる使用者として認知されていた。
 このハンター達が各地でACを運用し、平原や荒野、水辺等の戦場や、敵の種類に合わせたアセンブリを愛機に施したのだった。例えばフロート脚部は水辺のほか、有脚ACでは足を取られて動けなくなる砂漠や湿地・雪原等でも運用され、硬い表皮や装甲を持つ相手には、嘗て疎んじらていた大火力のキャノンやミサイル、更にはロケットが投入されていた。もちろん、素早い相手を狙うべく命中率に優れたライフルを従来通りに携えたり、どこでも戦えるようにバランス良く武装を施したACもある。
 皮肉な事に、レイヴンの象徴であるACの「多彩なアセンブリによる戦局対応」は、レイヴンを蹴落とす形で戦場に出現したハンター達によって復活する事となったのである。
 そして、今のクオレもそんなハンターの一人だった。
 ACの歴史は、常に変容する戦場の歴史と表裏一体であり、グラッジパペットも間違いなくそれを体現していた。
 グラッジパペットは中量級2脚だが、そこに「バランスが良い」や、「汎用型」と言った形容は間違いなく入らない。ファシネイターの弾幕を回避しながら戦う事を念頭に置いた為、機動力と火力に重きを置いた強襲型のアセンブリとなっているのだ。
 普段は命中精度と捕捉性、そして連射性能に優れるマシンガンで戦い、距離を詰めるファシネイターを手数で圧倒、マシンガンの効かない相手は一撃に秀でるレーザーキャノン、そしてまだ手付かずだったインサイドで仕留めるのが定石である。特にマシンガン連射はファシネイターのみならず、余程の防御性能を備えていない限りは現行のACに対しても非常に効果的であった。何しろ、連射しながら突っ込んだり、逆に突っ込んでくる相手から後退しながら連射しているだけで、多大なダメージを敵ACに与える事が可能なのだ。
 軽量級腕部とコアを採用し、しかもデコイやコア搭載の迎撃装置がないため、中量級2脚でありながら防御面に難がある構成だが、直撃さえ食らわなければどうと言う事は無い。そして万一としてのミサイル対策に迎撃装置KWEL-SILENTを装備している。
 同業者からはその、あまりにもファシネイター潰しだけを意識した構成に難癖をつけられる事もあったが、彼は気にしていない。憎んで止まぬジナイーダとファシネイターを叩き潰せさえ出来れば、それで良い話なのだから。
 そのグラッジパペットに、よろめきながらファシネイターが近寄って来た。先程破壊されずに放置されていた最後の1機である。そいつはギシギシ軋みながら動いているが、最早ブースターを吹かす事すらままならず、鉄塊同然のありさまとなっていた。
 再びMWG-MG/800を武装解除し、レーザーブレードを生成した上でグラッジパペットは近付いた。そして至近距離からコアを蹴りつけ、ファシネイターを後ろから地面に倒した。
 グラッジパペットは半壊寸前の仇敵の傍らに肩膝をつき、上半身を捻って左腕を引いた。
「テメェは死んでろ!」
 次の瞬間、腕が突き出され、赤い火花と共にMLB-HALBERDが突き刺さった。スパーク音と共にファシネイターは震えたものの、やがてグラッジパペットの左腕が払われ、赤い刀身が内部から鉄屑を切り裂いた。爆発と共にコアが二分され、仇敵は完全に沈黙した。
 ラストレイヴンを叩き潰した若き狩人は、周辺から敵反応が失せたのを確認し、通信モニターを覗き込んだ。
「ハインライン、こっちは終わった。敵戦力が戦場を離脱した」
 通信モニターに甘いマスクの男性が浮かび上がる。何も知らない人にこの人を俳優と紹介したら、そうだと信じ込んでしまうだろう。クオレもその美男子ぶりは認めている。
 しかし彼、アルバート=ハインラインは断じて俳優ではない。その証拠は胸に見えるIDカードにあった。クオレが身を置いている“イェーガーズチェイン”のシンボルであるトウゾクカモメの紋章が、IDカードに刻まれている。
「こっちの様子が分かるか?」
 クオレはグラッジパペットを旋回させ、周囲の様子をハインラインにも分かるように見せた。
 今回、戦場となったのは、大破壊前にユーラシアと呼ばれていた大陸東部の乾燥地帯。黄土色の砂に混じって砂岩や礫岩が随所に転がり、背の低い草が生えている。砂漠というよりはサバンナの様な様相を呈していた。
 かつて此処は湿潤で肥沃な大地だったと言うが、国家間最終戦争である大破壊、ナービス戦争、24時間戦争、更には15年に渡って続いたバーテックス戦争と、その結果として引き起こされたグレート・フォールによって環境が崩壊、現在は荒れ放題となっている。
 その荒れきった大地にグラッジパペットは立っており、周辺では紫と灰色のACが、いくつも残骸となって転がっている。いずれも四肢が叩き潰され頭部もなくなっており、CR-A92XS改めCAL-66-MACHや、CR-H98XS-EYE2改めCHD-MISTEYE、WB16PU-LAMIA2改めMWC-XP/75と言ったものが周辺に散乱している。
 実際、それが1機分の量の残骸ではない事、それが全てファシネイターの残骸である事に、ハインラインはすぐに気が付いた。
「こちらでも残骸を確認しました」
 ハインラインは、遠く離れたオペレーションルームのモニター越しに戦場を見ているが、グラッジパペットのカメラ映像は、衛星通信によって彼自ら撮影したように分かる。
「後はアルジャーノンだな。あいつが上手く行ってるか……」
 全てを口にする前に、レーダー上に味方機を示す反応が出現した。前方すぐの所を、別のACが向かって来ている。
 目の前の小高い丘を越え、クオレはその姿を検めた。
 旧型番のH10-CICADA2のころから各種機能の充実振りと対ECM性能で定評のあるMHD-MM/007、重量級だがMCL-SS/RAYと並ぶオーバードブースト出力を備え、しかも堅牢な装甲を纏っているという点において旧型番C06-EOSから大して変化のないMCH-MX/GROA、A04-BABOONから型番変更されて以降重量級腕部のスタンダード品となったMAH-RE/GG、旧型番LH13-JACKAL2の頃から2脚最高の防御性能を堅持し続けるMLH-SS/RSをフレームとしている。
 その、見るからに大柄で鈍重そうなACは、旧型番CR-WH05BPのころに一時アリーナで使用禁止が是非されたバズーカCWG-BZH-40と、これまた重い武器を携えている。左腕にはナービス戦争からバーテックス戦争終戦後まで殆ど見向きもされなかったエネルギーシールドWL04ES-GIGASの改修品・MES-SS/011が据え付けられている。
 小豆の様な色合いをしたそのACのディティールが分かった時には、通信モニターはグレーの頭髪と青い瞳を持つ、まだあどけなさの残る少年の顔を映し出していた。
「アルジャーノンです。こっちも終わりました!」
 どうやらそのようだなとクオレは頷いた。
 そのACの姿から、何も知らない大抵の人は屈強な大男をイメージしがちである。そして、その操縦者も先述したような大男か、荒くれ者のレイヴンを思い浮かべがちであり、少年が乗っているなどとは思っていないだろう。
 だがそれはとんでもない偏見であった。何故なら、その重装甲AC「ポットベリー」は、機体イメージや、太鼓腹を意味する機体名とは全く釣り合わない、しかもまだ13歳の少年・アルジャーノンが操っていたのだから。
「ファシネイター2機、ストラックサンダー、オラクル、バリオス・クサントス各1機、全部撃破しました!」
「よし、上出来だ」
 ポットベリーの後方に、嫌なほど見慣れたファシネイターの残骸に混じって、大掛かりな両肩装備のキャノン砲を空に向けて炎上している逆関節ACと、リニアライフルを携えている事が分かる以外は原形を留めぬほどに叩き潰された青いAC、そしてコアを割られた白い4脚ACが転がっていた。
 それを確認し、クオレはアルジャーノンに親指を立てた。
「本当はデバッガーが数機いたんですが……」
 どうしたとクオレは尋ねる。
「逃げて行きました」
「そっちもか」
 自分のところに現れたソラックスとデバッガーも逃げたと、クオレは話して聞かせた。
「全く……彼等は何回殺されれば懲りるのだろうか?」
 ハインラインが溜息をついた。
「それに機械生命体は何を考えているんだ?」
 機械生命体は独自の戦力を保有する一方、24時間戦争に加担したジャック・Oや、ラストレイヴンとなったジナイーダ以下22人のレイヴン達とその搭乗機を再現し、それを量産しては人類側に差し向けている事でも知られていた。
 その理由は分からないが、再現された24時間戦争の加担者達が乗る機体は、当時の性能のまま出現している。
 しかし、36年と言う時の流れは残酷だった。
 死んで甦らされた彼等は当時のままでも、クオレやアルジャーノン以下、現在のACパイロット達は当時と見た目こそ大して変わらないながら、性能面では進歩・改良・改修されたACとそのパーツを操って戦う事が出来る。その為彼等との戦力差は歴然としており、アルジャーノンの様に、1人で複数機を相手取る事も十分に可能となる始末だった。
 ジナイーダもその例外ではなく、次々とクオレ達ハンターに狩られていったのであった。
 当時から性能は変わっていない24時間戦争の主役達だが、相対的に見れば大幅に弱体化して復活させられていたのである。それこそ比較のしようがないほどに。
 その結果、フォックスアイやファシネイター、オラクル等、レイヴンなら誰もが知る名機達は機械生命体側によって復活・量産されはしたものの、人類側戦力――特にハンターによって大量虐殺されるまでになってしまい、クオレからは「乱獲」とまで言われる始末になっている。
「ハッキリ言って、ただの嫌がらせにしか思えねぇ」
 クオレが不快感を露わにした。
「第一、奴等、性能強化しようと思えば幾らでも出来るだろうに、何故ACにそれをしねぇ?」
「私には分かりません」
 ハインラインはつれない返事を事務的に返した。 
「陽動でもするつもり、と言う可能性はありますが……それにしては敵反応がなさ過ぎます。周辺エリアのどこかが襲われていると言う話も、今の所入っていません」
「だとすると嫌がらせか」
 クオレの顔がまたも不快になる。
 そもそも、一切の核兵器を人類側から奪って手中に収めたため、人類を根絶しようと思えばいつでも出来るはずの機械生命体である。1秒後にでも核兵器乱舞で人類を世界諸共絶滅出来る筈であるのだが、それをしない当りから、機械軍団は人類を見下し、弄んでいるのではないかとクオレは感じ、不快感を覚えていた。
「何にしてもこんな所に長居はまっぴらだ。と言うか残骸だろうがあのロクデナシド畜生女の、クソッタレなACなんざ見たくねぇ」
 いつの間にか怒りの矛先は、機械生命体達からジナイーダとその搭乗機へと向けられていた。
 これに限らず、クオレの怒りの矛先は常にジナイーダへと向けられているのだ。仮に向けられていなかったとしても、些細な事で矛先が変わり、1秒も後にはジナイーダ憎しの暴言が飛び出すようになる。
「ハインライン、輸送機か何かを手配してくれ」
「了解、輸送機が着陸できる場所がないので、ヘリを手配します。二人は当領域を離脱し、輸送ヘリと合流願います」
 ハンター2人は了解し、フォックスアイやファシネイター、その他24時間戦争時代のACのバラバラ死体が散らばる戦場を後にし出した。
14/08/07 13:04更新 / ラインガイスト
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■作者メッセージ
 原作のキャラ達、熱システム、マガジン制、LRでよく聞いていた(5年前、PS2番の原作が発売された後)アセンブリやら何やらと、原作関連の諸要素をこれでもかって位に叩きまくってますね、自分(汗)。
 まあこの小説自体「トラウマ払拭」及び「原作へのリベンジ」と言う所から書き始まっているので、仕方ないと言えば仕方ないのですが……。

 それを抜きにしても、正直ブースト熱量・余剰積載・部位破壊・マガジンシステムと言った、今回ネタにした(と言うより、盛大に叩かせて貰った)N系の仕様は正直要らないです。
 アクション要素を大きく損なわせた足かせでしかなく、アセンブリは勿論戦う楽しみも萎えさせてくれる事請け合い。そりゃ4以降でバッサリ切られるというもの。
 動かし戦う楽しみを低下させた以上、ACは勿論、アクションゲームとしての価値を大きく損なった事は最早疑いようがありません。
 私は、今後そんなものをやるのは真っ平御免です。

 と言うか、機械生命体登場させてるんだから正気の沙汰じゃないですね、我ながら……。

※2013年8月1日追記
 当初「機械生命体デヴァステイター」と読んでいた敵機群を「機械生命体」で統一しました。
 機械生命体は1系統(?)しか劇中で記述していないので、固有名をつける必要性が希薄だと感じたからです。
 ただデヴァステイターと言う固有名詞は、初代AC及びネクサスの巨大MTとは別に、どこかで使う……かも知れませんが。

■逆「ヴァルキュリア」
 初代ACやNXレヴォディスクでは「外見はACなのに戦闘能力は別物」と言う敵として、ワイルドキャットやヴァルキュリアが登場し、NBでもナインボールが、原作でもファシなんとかがそれに該当していると聞いています。
 でも本作のファシなんとかは逆。「外見はACなのに戦闘能力は別物」と言うのは本作でも同じなのですが、実際は主人公側が原作から36年後と言う事もあって大幅な性能インフレを起こしている為、相対的に見るととんでもなく弱くなっとります(爆)。

 こいつらが当時の性能のまま量産された理由については、現状では「後ほど機会が来たら明かします」と言う事でひとつ……。

■暴言主人公
 投稿に当たり、主人公クオレ君に手を焼かされました。何せジなんとか憎しで動かした結果、ジなんとかへの暴言や誹謗中傷だらけのキャラになってしまったものでして……。
 かと言って、ジなんとかが憎いと言うのもキャラの根幹に在るから外せない。そのため調整には少々苦しみましたが、何とか投稿しても大丈夫かな、と言うレベルには落としたつもりです。

 と言うか、無修正版クオレ君は差別用語や放送禁止用語(ぇ)の連発が当たり前で、今以上にトバしてました(爆)。


 さて今後、キャラクターや敵対者は勿論、パーツが原作からどんな仕様変更がされているかにも注目して頂きたい所ですが、果てさて、どうなる事か……。

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まろやか投稿小説 Ver1.50