前回、宇宙の星々に行くにはどのくらいの時間がかかるのかということをシミュレートしてみました。しかし、でてきた数字がでかすぎて結局わけのわからないことになってしまいました。そこで今度は違うアプローチをしてみようと思います。…つまり今度は数字からのアタックではなく、視覚的なアプローチ。
仮に太陽の大きさを直径9.2p、ソフトボールよりちょっと小さいくらいの大きさと仮定すると、今あなたの手の中のソフトボールから3.8m離れたところにある直径0.32oの小さな点が水星です。そしてあなたの部屋を飛び出して7.2m地点に0.8oの金星、10m地点に0.85oの地球ということになります。さらに15m地点に0.45oの火星、52メートル地点に最大の惑星である9.55oの木星があります。そしてソフトボールから95.5m地点の8.05oの点、これが土星です。環も入れれば1.6pほどになります。次の天王星はさらに倍、192.18m地点の3.41oの点です。海王星は300.6m地点の3.31oの点、冥王星は395m地点の0.15oの点です。先日発見されたセドナはあなたの手から遥か870m地点にある0.1oの点です。光はこの870mの距離を約9時間かけて移動するわけです。
さて、ではこのスケールのまま隣の星に行ってみましょう。太陽からもっとも近くにある恒星はケンタウルス座α星で4.39光年離れています。ということは、あなたの手から約2776q離れます。つまりフィリピンの子供が持ってるソフトボールがケンタウルスα星です。おや?日本を飛び出してしまいましたね。しかし考えてみるとすごいことかもしれません。なんたってケンタウルスα星が見えるということは、ここからフィリピンのソフトボールを見ているのと同じなのですから。ちなみに東京からフィリピンまで何もありません。それこそ“髪の毛の先ほど”もなければ空気もない、ほとんど極限に近い無がフィリピンまで続いています。
さあ、今度は隣の星雲です。私たちの銀河系は約1391万q離れたところまで広がっています。そしてアンドロメダまではは14億5000q、土星のあるあたりでしょうか。最も遠い銀河…はやってもしょうがないですね。またも距離がスパークし始めました。“土星”が出てきた時点でもはやイメージ不可能です。なぜなら人類の科学力はまだ木星までしか到達してないのですから。宇宙ってすごいね。