7月31日(日) “〈東京より ― 〉「あんたたちは日本を捨てたんだろう」から20年余”
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「あんたたちは日本を捨てたんだろう」
在ブラジル原爆被爆者協会を設立した1984年。在外被爆者援護の請願書を手に自費で訪日した森田会長夫妻を、東京で面会した日本政府職員は突き放しました。
「ブラジル政府にお願いしなさい。税金も払っていないのだから」
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31日(日) ― 東京より ―
森田会長ら3名は31日、東京・日本青年館で29日から3日間にわたって開かれた
「ノーモア ヒロシマ・ナガサキ国際市民会議」(主催:ノーモア ヒロシマ・ナガサキ国際市民会議実行委員会)
の分科会に出席しました。
「被爆者の要求と権利」と題する分科会の、この日のテーマは「在外被爆者の課題」。
まず韓国原爆被害者協会の会長・郭貴勲さんが「在韓被爆者の現状と残された課題」の報告をされました。
郭さんは「464名の人はいまだ無援護のままです。人道的な立場で在外の被爆者を援護すると発表してから2年半が経ちましたのにこんな状態です。非会員150名を合わせると、在韓被爆者の4分の1にあたる600余名がいつ救済されるのか、まったく見通しがつきません」と訴え、援護法適用をかたくなに拒む日本政府の姿勢に疑問を投げ掛けました。
続いて、森田会長も発言を求められました。
森田会長は、「あんたたちは日本を捨てたんだろう」…から20年余りにわたり、日本政府に陳情、訴えを続け、果ては裁判を起こすまでにも至ったこれまでの活動をマイクを手に振り返りました。
その声はときおり涙で震えました。
続いて在ブラジル被爆者の置かれた事情・立場を説明し、これまで支援してくださっている方々への感謝を示しました。
郭会長とともに、森田会長も、被爆者と被爆2世が半数以上を埋めた出席者から大きな拍手を頂戴しました。
皆さま、在外被爆者へのご理解を頂きまして、本当にありがとうございました。
分科会の同テーマではこのほか、以下の識者の方々から発言がありました。
在外被爆者がいまだ抱える問題を理解するために非常に有意義な、中身の濃い報告が続きました。
・市場淳子さん(韓国の原爆被害者を救援する市民の会)
・崔鳳泰さん(韓国・強制動員被害真相究明委員会)
・中川智子さん(元衆院議員・社民党、在外被爆者の援護法適用を実現させる議員の会)
・田中正熙さん(日本被団協事務局長)
・青木克明さん(広島共立病院院長)
支援者・理解者の皆さま、ありがとうございます。
私たち在外被爆者がここまで活動を続けてこられたのも、皆様からの支えをいただいたおかげです。
どうか今後ともよろしくお願いいたします。
一行はあす8月1日(月)午前、羽田から広島へ向かいます。
(ホームページ管理者)