【00/10/18 自宅にて】 はぁ、やっと終わりました――連載開始からおよそ丸二年、というところでしょうか。長いようで短いようで、いえ、やっぱりとても長い時間でした。 ――と、想い出を色々と語る、その前に。 実は、大学一年生の初秋にみねのが書いた小説に「original sin(以下、『原罪』)」というのがありまして、本作はこれの番外編に当たるのであります。ってぇか、何で本編を放っておいて番外編を連載する気になれるんだ、という感じですね、全く。考え無しもええとこです。「原罪」は、一度は永久封印を心に堅く誓ったほどの問題作でして、当時はこれを、書くきっかけになったワーウルフ君以外の他人に読ませる、ましてやウェブサイト上で公開するなんざ考えただけでも舌を噛みきって死んでしまいたい程、みねのにとって耐えられないことだったのであります。けれども、最初で方針を間違えたがために、どうしても本作中にて彬と菜那緒のことを語らざるを得なくなり、メールや掲示板に於いて「菜那緒は一体何者なんだ」というご質問が思いの外多かったということもあって、ついには本作で語るか「原罪」を公開するかのどちらかを選択せざるを得ない事態にまで追い込まれてしまったのであります(爆)。そしてみねのは断腸の思いで後者を選択しました……どうせ隠しページで、ほんの一時とは言え当時のワード文書をそのまんまダウンロードできたんだから……(勿論、連載時にはかなり修正を加えます。祐人の一人称が「俺」だし)。 この小説を思いついたのは、小説メニューにもあるとおり、高校時代からの親友・桔梗から互いの小説のタイトルを交換しあって何か書こう、と言われたのがきっかけです。「原罪」は、みねのが死ぬほど好きなT.M.Revolutionの「AQUALOVERS-Deep into the night」に対するオマージュと切っても切り離せない関係にあるため(なお、桔梗に貸したタイトルは思いっきり「AQUALOVERS」でした)、水中花、と言われて「原罪」関係の話を書こう、と思いついたのです。そして、「原罪」中の 財布の中を除いて見ると、数枚の札に混じって二枚、あるデパートで行われている美術展の特別招待券が入っていた。妹の葵から押しつけられたものだ。 という箇所から、何故葵が彬にせっかくのタダ券をあげてしまったのか、という疑問に突き当たり、そこから「原罪」の方で重要な役割を果たす脇役である祐人の方の、彬に対する屈折した友情(死)を書いてやろうかな、という構想に辿り着いたのであります(なお、「原罪」で葵について語っているのはここだけです)。 書き始めたとき、みねのの頭にあったのは「冒頭」「祐人が葵に○○してしまう」「祐人が彬に殴られる」「陸朗が葵に祐人の気持ちを解説する」「菜那緒が葵に自分のことを話す」「祐人が彬に大切なものについて問う」「祐人が水族館に葵を呼び出しておおっぴらに告白する」、これだけでした。全く無計画の極みです。あらすじとも言えないこんな断片だけで連載をしようと言うんだから、何度も言いますが、本当に無謀です。小説を進めていくうち、「菜那緒が葵に(以下略)」は、「原罪」を公開することに踏み切った時点で取り消し、「陸朗が葵に(以下略)」は、直接語り合うのではなく文明の利器(笑)携帯電話を活用することにし、ラストシーンは祐人の心が安っぽくなりすぎてしまうし何より書いていて恥ずかしくなること必定なのでかなり変更を加え――と、そのように改変されました。 キャラは、ほぼ全員「DREAM DIVER」に出てくる連中のf写像なので動かし易かったです(血縁関係は若干変更され、あと一つ重大な変更を行ったとは言え)。掲示板のアイコンを見れば、誰が誰だか簡単に検討がつきます。菜那緒と陸朗は名前がそのまんま(笑)。でも、DDのアイコンがいっぱいあるから良し!だなんて思っています。彬=アイスヴァインは、彬が最近美白だから(霊感のコピックのインクが尽きたため)区別は付きます。華蓮=マルゴー、泰基=ロートシルトは髪型が違う(イッてる人なので簡単に判明するけど、彼。何げに水中花一番人気はこの人でした)。葵=リースリングは、顔は同じですが性格はまるで正反対。と、言うか何で葵がこんなに活発な女の子になったのか、作者自身首をひねっております(笑)。で、問題はやっぱり祐人=バニュルス?顔も髪型も同じなら恐らく服装の趣味までぴたりと一致しているため、アイコンをどちらのカテゴリに位置づけて良いか解りません!だから、某人物に「何でバニュルスと祐人のアイコン増えないの〜?」と恨み言を言われてしまうのです。あうあう(T_T) ――さて、次の物語は、早朝の静かな教室で陸朗が菜那緒に遇うところから始まります。恐らく、水中花を書いているときよりも、自分自身が辛くなるでしょうが、皆様のご要望にお応えするためにも、何とか頑張りたいと思います。 そして皆様、今まで「水中花のかけら」を読んでくださり、本当に有り難うございました!! |