【00/11/18 当然ながら自宅にて】

――はぁぁぁぁぁぁぁ、遂にやっちまいました、「original sin(以下原罪)」全十話公開。
 一体菜那緒がこの後どうなったのか、販売中の短編集「虹色月長石」に書かれておりますが、皆様のご想像にお任せすると言うことで。

 恐らく本作は、みねのがこれまで書いた中で一番の問題作であり、菜那緒ほどの重い過去を背負ったヒロインも、しばらく出てくることは無いでしょう。本作の執筆・そして公開の経緯は「水中花のかけら(以下水中花)」あとがきに書いた通りです。ほんとに最初はウルフ君にしか読ませるつもりが無かったんで、設定が凄く無茶苦茶です。今回、かなり手直しをしましたが、やはり限界があるので中には実際と違うところがあると思います。

 二年前、オリジナルの作成中は本当に苦労しました。何しろ上記のように、菜那緒に恐ろしい枷を嵌めてしまったため、一日に二、三行しか書けないなんてことはざら。資料にするために、女の身で裏ビデオのチラシを集めまくり、あまつさえ母親にそれらを発見されるという恐怖を味わいました(つまり、作中のチラシ文章は、唯一自信を持って出せる部分というわけで。ただ、タイトルだけは気に入らないんですけど。もっとリアリティ持たせてしまうとネタバレになりますから)。
 作品の主題は水中花と同じく、「人間の感情は一つの型に嵌めることは出来ない」とでも言いましょうか。でも、私が多分やりたかったことは、「黒羽菜那緒」という宿命の女ファム・ファタルを造り上げることだったと思います。このサイトを読み込んだ方、また私の小説個人誌を購入してくださった方はお解りだと思いますが、彼女はもともと「DREAM DIVER(以下DD)」のヒロインで、全ての男を狂わせる夢魔の女王シュバルツカッツェです。しかし、DDでは、菜那緒はいわゆる正義の味方になってしまい、またカッツェが男を誘惑するシーンも殆どありません。まぁ、つまり、そう言うことです。ですから、彼女のために、グリム童話とかその他色々な本を読み漁りました。作中にもそれがかなり反映されています。個人的な作品なのに、凄い気合いの入れようですね(^_^;)
 原罪とDDの人間関係(血縁関係ではないです)は、やはり水中花のあとがきで述べたように、殆ど変化がありません。ただ、二点大きな違いがあります。一つは菜那緒と彬=アイスヴァインをくっつけたこと、もう一つは菜那緒と陸朗の関係(救う者と救われる者)を完全に逆転させたことです。DDで陸朗を救った菜那緒が、原罪では逆に救われる――当初は気付かなかったのですが、今思うとなにやら暗示的な雰囲気がしますな。

 今回のリメイクに辺り、まず小説そのものを十パートに分けることにいたしました。理由は、菜那緒のモノローグがちょうどキリが良いところに入っていたから、という至極単純なものなのですが(爆)それでも、サブタイトル(十話のタイトルは、陸朗の愛の形質を暗示的に記したものです)が入ったり、必要性に応じてシーンを追加したり、かなりの変更を誘発してくれました。特に八話は、殆どが新しく書き加えた箇所で成り立っています。逆に、他の部分はディテール以外は二年前と殆ど変わりありません(菜那緒の家庭事情を除く。いくら何でも、あんなことがあって普通の家族を続けられるはず無いですから)。七話からラストまでが短いか、とも思ったのですが、先に述べた八話以上の加筆は、私には出来ませんでした。やはり、この作品は二年前に私の中で完全に「完結」しているからだと思われます。
 リメイク作成中は本当に苦しかったのですが、読んでくださる方々から色々な感想を戴き、かなり励みになりました。この場を借りて深く御礼申し上げます。

 DL版(TXT形式)は、見たら一目瞭然ですが、HTML版より文字数の多い、本当の完成版です。こちらも是非を通してくださると、みねのが何を考えて執筆していたのかが解るようになっております。
 なお、もしこの作品を読んで何か感じてくださったなら、一話にある投票ボタンで投票してくださると嬉しいです。

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