最強の剣豪は誰か
宮本武蔵の巻(3)


三宅軍兵衛は、武蔵に仕合を申し込み、武蔵が現れたとき怖気づいた。
後年になって、そのときに既に負けていたのだ、と述懐した。
尾張の徳川義直の御前仕合で尾張藩士は顔が真っ青になって手も足もでなかった。
最初に与える鬼気せまる印象が大事である。
というわけで、武蔵と卜伝の肖像画対決だ。
宮本武蔵の肖像画で有名なのが、島田美術館に所蔵されている自然な形で二刀を下げたやつだ。
よくぞ、この肖像画が残っていてくれた。ありがたいものだ。他の肖像画はいまいちである、
肖像画で刀を抜いているのは、(たぶん)武蔵の肖像画だけだ。
この肖像画を前にして、打ち込めないと言ったのは、昭和の剣豪高野佐三郎であるが。これは、凡人でも分かる。
肖像画を書いた絵師の目線の高さは胸の辺りだ。実際の宮本武蔵は大男で身長は六尺(180cm)だった。
見上げるほどだったのだろうから、今なら2mを超えるくらいの大男を想像すればよいか。
宮本武蔵を背後から棒で突こうものなら振り向きざまに斬られるであろう。
間合いに入ってしまったら最後。頭突き、張り手、肘打ち、蹴り、膝蹴り、投げ、金的など何でもありという気がする。
宮本武蔵の強さは、剣技や身体能力だけでなく、三宅軍兵衛も言っているが不気味な迫力で相手を萎縮させてしまうのだ。
怖気づいたら最後だろう。
塚原卜伝の肖像画は遠目でみれば「バカボンのパパ」、アップで見れば「CSI:科学捜査班のブラス警部」にそっくりじゃん。
新当流の剣は剛剣であるが、神官の出ということもあろうが剣聖にふさわしい人格者だったと思われる。優しそう。
で、肖像画を見ると宮本武蔵のほうが強そう。
おしまい。

