武蔵伝説

都甲金兵衛

あるとき、武藏は藩主忠利に「家中の豪の中でも器量抜群のものを見ました」と言った。
忠利が「それは誰か」と聞くと、武藏は「名は存じません」と答えた。
忠利は、思いあたる者を数名呼んだが、武藏は違うと言う。
「ならば、自分で探して、ここへ連れて参れ」と命じた。
しばらくして、武藏が連れてきたのは都甲金兵衛という冴えぬ男であった。
聞いてみると、心胆を鍛えるため、毎夜、寝るときに白刃を細い糸で天井から吊るして、その下で眠るのを常にしたという。


これで、心胆を鍛えることができるなら真似をしようと思い、
ラジカセを吊して、その下で寝ようと思ったが、危ないので止めた18歳の頃の俺。