人体実験計画の歴史について、著書“BLUEBIRD”から

この問題の多くの被害者は、なぜ、自分がこんな酷い目に遭わされているのかという疑問をいだくのではないでしょうか。私自身、一年ほど前までは、インターネットの情報を、さらっていくような余裕もなく、全く持って不可解なまま、多くの年月を過ごしていました。昨年、2003年の11月に、電磁波悪用被害者の会に出席するまでは、完全に孤立した被害者であり、生命を踏みにじられてしまっていたとしても、なにひとつ不思議はありませんでした。同様な境遇にいる人の話を聞いたりして、問題の共通性を感じたり、海外の有志の方の活動報告を読むなどするうちに、視界はずいぶん透き通ってきたようです。多くの資料は、この問題が人体実験であることを示しています。それ以外の目的を考えることは、困難であります。

このコーナーは、おおむね、アメリカの精神科医 Colin A. Ross が、2000年に出版した、"BLUEBIRD"という本の内容を、紹介していく形で進めて行きたいと考えています。"BLUEBIRD"というのは、1950年代にCIAに受諾された、人体実験計画の名前です。本の内容は、1950年代から1980年代にかけての、冷戦期の人体実験について、CIAが公開した、機密資料を基に記されています。現在、稼動している人体実験についての機密資料は公開されていません。が、本の中で扱われていることは、現在行われていることのプロトタイプ(原型)と見出されます。本の副題は、「精神科医による多重人格の、故意の生成」とあり、電気ショックや薬物、性的な暴行などにより、多重人格者を作り出す実験の事例などが記されています。ノン・リーサル・ウェポンについての記述もあります。

私が受けた一連の、暴行が一体どういった影響を与えることを目的として、計画されたかということは、まだ、はっきりとはわかりません。しかし、キャロル・スミスさんの論文の内容などから、ある程度の推察はしています。あの論文を始めて読んだとき、最も印象に残った部分が、「心の中での孤独という疑われようのなかった性質」というフレーズで、まさしくそれこそが、私が、奪われ続けていたものだということを、あらわに気づかされたのでした。タイトルにある精神侵略という概念、「心の中の恒常的な他者の存在」といったフレーズなどが、被害者がこうむる精神的な損傷をあらわす、鍵となっているように見られます。

被害者がそういったマインドレイプの損傷から立ち直るためには、平穏な環境と時間が重要になるでしょう。暴行の後遺症に、長いこと苦しまされてしまうことも多いようです。一刻も早く、この差別的虐待が認知され、人体実験の停止、被害者が救援をうけられるようになることを、切に希望します。

著書“BLUEBIRD”の概略

本書を通じたテーマは、精神科医による人体実験が、「医師としての誓い(ヒポクラテス・オース)」に反しているというものです。著者のColin A.Ross氏は、CIAの諜報活動に関しては、寛容なようです。書籍を出版するための事情があったのかもしれません。軍事活動をもてはやすのは、アメリカ社会の特質ともいえます。ただ、人体実験は医科学的な問題と捉えることが適切でしょう。軍事・諜報という言葉が、本来の趣旨を超えて、都合よく世間で利用されてしまっているような印象を受けます。人体実験の有用性については、はなはだ疑問です。殺傷目的の兵器の研究、もしくは、施行者の痴的興味のためでしかありません。社会のど真ん中で、見過ごされ続けてきた、凶悪犯罪の一種です。原書を一読することをお勧めします。

★“BLUEBIRD”(Colin A. Ross著)の目次。セクションごとに、簡単な概略を紹介します。

INTRODUCTION

I.HISTORICAL BACKGROUND(歴史的背景)

1 PROJECT PAPERCLIP(ペーパークリップ計画)
2 THE TUSKEEGEE SYPHILIS STUDY(タスキージーの梅毒研究)
3 RADIATION EXPERIMENT(放射線実験)

II. COLD WAR MIND CONTROL EXPERIMENTATION(冷戦期のマインドコントロール実験)

4 BLUEBIRD AND ARTICHOKE(ブルーバードとアーティチョーク)
5 MKULTRA AND MKSEARCH(MKウルトラとMKサーチ)
6 OTHER CIA MIND CONTROL PROGRAMS (その他のCIAマインドコントロール計画)
7 LSD EXPERIMENTS(LSD実験)
8 BRAIN ELECTORDE IMPLANTS(脳電極インプラント)
9 NON-LETHAL WEAPONS(非致死兵器)
10 DR. LOUIS JOLYON WEST(ルイス・ジョリョン・ウエスト博士)
11 DR. MARTIN ORNE(マーティン・オルネ博士)
12 DR. EWEN CAMERON(エヴェン・キャメロン博士)
13 JOHNS HOPKINS UNIVERSITY(ジョンズ・ホプキンズ大学)
14 OTHER DOCTORS IN THE NETWORK(連携したその他の医師)

III. G.H. ESTABROOKS

15 G.H. ESTABROOKS

IV. MANCHURIAN CANDIDATE CASE HISTORIES(傀儡生成の具体事例)

16 LINDA MACDONALD(リンダ・マクドナルド)
17 MARY RAY(メアリー・レイ)
18 PALLE HARDRUP(パール・ハードラップ)
19 PATTY HEARST(パッティー・ヒアルスト)
20 CANDY JONES(キャンディー・ジョーンズ)
21 SIRHAN SIRHAN(サーハン・サーハン)
22MARK DAVID CHAPMAN(マーク・デビッド・チャップマン)
23 IATROGENIC MULTIPLE PERSONALITY DISORDER
(医師の故意による多重人格障害の形成)

V. CONCLUSIONS(結論)

24 THE REALITY OF THE MANCHURIAN CANDIDATE

REFERENCES

APPPENDICES

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