てぬぐいの雑記


 思ったり、思わなかったり。
思ったことを記す。


…… ……

9    芝居
更新日時:
2004.04.21 Wed.

4月20日、歌舞伎座、昼・夜、三階の客。
今年に入って歌舞伎座は4回目、気づけば毎月通っている訳か。
四月というのに午前中から暑く、まるで夏狂言に来ているかのような心持ち。客席では扇子を遣う客も多数目についた。
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昼の部。「番町皿屋敷」が思いのほかよかった。三津五郎の青山播磨、福助のお菊。
恋心を試された播磨から溢れだす無念の情が、こちらの気持ちにまで染み込んでくる。古典として形骸化されていないドラマに胸を衝かれた。
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夜の部。「青砥稿花紅彩画」(あおとぞうしはなのにしきえ)……『白波五人男』の通し。
「浜松屋・勢揃い」は数回観たことがあるが、通しで観るのは初めて。やはり次第が分かると物語はぐっと面白くなる。
勘九郎は今回弁天小僧。私が歌舞伎に興奮を覚え、面白いと思ったのは、彼の存在があってこそ。惚れさせる役者の華をいつも感じる。
終幕、大屋根の立ち回りの後の割腹。がんどう返しで舞台の奥に消えていく姿に悪として生きた人生が色濃くもえていた。儚くも美しい。
臆すことなく大声の大向う、「中村屋ぁ!」。
気持ちいいだろうなぁ。いつか私も叫んでみたい。精進、精進。
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切符代、昼4000円、夜4000円也。



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