てぬぐいの雑記


 思ったり、思わなかったり。
思ったことを記す。


…… ……

8    遊山
更新日時:
2004.05.15 Sat.

4月27日、歌舞伎座、「俳優祭」に出掛けた。
(社)日本俳優協会の主催で概ね2年に一度、一日だけ開催される。歌舞伎、新派らの所属俳優の福利厚生など、会の運営資金集めが目的とのこと。
私は今回2回目。
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満員の客席には「あたしゃ芝居が好きさっ」という道楽を重ねたおばさま達のオーラが立ちこめてでもいるのか、端から息苦しささえ覚える。
百戦錬磨の先輩客に負けじと気合を入れ、着席。電話予約の鬼と化しやっととった切符は3階A席、\6300。(あぁ今日も散財)
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演目
・舞踊 華酔木挽賑〜お祭り
・連鎖劇 奈落〜歌舞伎座の怪人
・模擬店
・滑稽俄安宅珍関
幕が開けば皆大喜び……連鎖劇の映像部分に現れた白衣の孝太郎、アイスホッケーで怪我をした染五郎などの楽屋落ちに破顔。
團十郎のにぎり鮨を始め、ずらりと並んだ役者衆が商う様々な模擬店にも上気。この模擬店の間は写真撮影OKとのことで、持参のデジカメのシャッターを切りまくった。なんせいつもは舞台はもちろん、劇場内は一切撮影禁止。「えぇい今日は無礼講ぢゃ」とばかり、役者の姿はもちろん、あんなところやこんなところも撮ってきてしまった。
安宅珍関では福助のオスカル、高麗蔵のトートらの出演による宝塚ごっこ。勘太郎・七之助らの氣志團もどき〜SMAPもどきに大笑い。さすがダンスのキレも伊達じゃないね。余興満載、普段の興行では見られないはじけっぷりを堪能した。
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しかし、このようなことに我を忘れてはしゃいでいる自分をふと省みると、情けなや、なんと軽薄なことよ。とほほ。
でも芝居見物などというものは、もともと半分浮かれたお祭りのようなところがあるわけだし、通や評論家のみがお芝居を育ててきたわけでもない……でしょ?。所詮気晴らしに遊びに出掛けて来ているんだから存分に楽しまなくては、と自己弁護。ミーハーのテンションを再び揚げて、華やぐ雰囲気に呑まれていった次第。(雰囲気=まるで学園祭かのような高揚感。もちろん私も生徒の一員?)
これからも輝く瞳の客でいつづけたい。
 
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このときは元気そうに見えた團十郎丈だがその数日後病に倒れてしまった。快復と復帰を心から祈るばかり。男も惚れる晴々しい男の姿を早く拝みたいものだ。
復帰の際は是非、口上にて快気の証に「にらみ」を、それも海老蔵と二人並んでにらんでくれたら涙ものか。



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