両腕で高耶の体を抱きしめて、うなじに唇を押し当てる。
高耶は少しピクッとしたものの、振り払おうとはしなかった。
「あなたは本当に何もわかってない。俺のような男に、そんな言葉をくれるなんて…
付け入りますよ。」
低く囁きながら、ゆっくり舌の先を滑らせてゆく。
「ふ…んん…」
微かな吐息が甘く乱れて、高耶は小さく口を開いたまま、キュッと目を瞑った。
左に這い下りた直江の舌は、高耶の反応を確かめるように、敏感な首筋を舐めては軽く吸い上げる。
喉が渇いて堪らない。
高耶は薄く目を開けると、直江の顔を見つめた。
「付け…入る?」
おまえがそんな男なら、こんなことを許す俺じゃない。
わかっていて、それを言うのか?
「やって…みろよ。」
言った瞬間、直江の唇が動きを止めた。
高耶は乾いた唇を舐め、コクリと唾を呑み込んだ。
息をするのも忘れて、直江は魅入られたように、じっと高耶を見つめていた。
強烈な欲望が胸を焼く。
たぎる血の熱さに体が震えた。
だから、あなたは何もわかっていないと言うのだ。
あなたの為なら何でもする。
何を捧げても惜しくない。
朝顔を育てながら、今日を思って、毎日が幸せだった。
あなたの喜ぶ顔を思い浮かべて、あなたの笑顔が見たくて…
全ては、あなたがくれたもの。
貰ってばかりは、俺だ。
何も要らない。
あなたが喜んでくれるなら、それだけで俺は…
…本当に心から、そう思っていたのに…
「どうしてあなたは…」
言葉に出来ず、直江は高耶を抱きしめて、荒々しく唇を重ねた。
もう、優しいだけの夜では、終われそうになかった。
後ろから抱き締められたまま、頭の芯が痺れるような口づけと、肌を這う直江の指に曝されて、高耶は苦しそうに身を捩った。
直江の腕は、しっかりと高耶を抱いて逃がさない。
「感じるでしょう?…ここも…ほら、もうこんなになっている…」
ジーンズの中に右手を忍び込ませ、直江は高耶の耳に低く囁いた。
同時に左手の指で、敏感な胸の突起を軽く擦ると、高耶の体がビクンとしなった。
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