丑三つ時
ここの病院は建て直してから5年ほどしか経過していないので、
特に怪談らしい怪談は聞いてませんが、この世に存在している物のほうがよっぽど
不気味です。
わたしの大部屋にはわたしを含めて4人ですが、わたし以外の皆さんは寝たきりです。
高齢な方もいらっしゃいます。わたしが部屋に入った時にはもう爆睡しておられました。
昼間に寝て大丈夫なのかなとちょっと気になりましたが、関係ないみたいです。
えぇ、ちなみに病院に入院すると、就寝が9時30分起床が6時となっております。
わたしの生活パターンと言いますと、就寝早くて1時起床早くて8時です。
明らかにズレ過ぎです。9時30分に寝てくださいと言われても眠れるはずがありません。
おまけに、病院は9時30分以降はエアコンを切ってるフシがあります。
一応、目をつぶってみますがこんなん無理です、拷問です。
手術も済ませていないわたしはまだ健常者です。
それでも、皆さん眠ってらっしゃるので、わたしだけ起きてるわけにもいかず、寝ようとしたんですが、
その時、隣で眠ってる方の鼾が、「ぐぐぐぐぉぉぉぉ、ぐぐぐぐぉぉぉぉ」なんだか
隣に獣がいるみたいな鼾です。この方に触発されたかどうか知らないですが、正面の方も
「ぐがががぁぁ、ぐがががぁぁ」
この方は途中で苦しくなって「ぬぅぅぅ」「ぶはぁあ」などとおっしゃいます。
おのれはラオウか。
さらに、対角線上の方は寝言「うひゃ」だの「きゃきゃ」などとおっしゃってます。(女性の声みたいです)
こんな状態でどうやって眠ればいいんでしょうか。
そんな大合唱は丑三つ時まで続きました。わたしが眠れたのはそれから数時間後。
その数時間後には、起床でした。お金払ってでも個室が良かったかもしれません。