薄暗い闇夜のもと。
柔らかなベッドの上。
俺の腕の中に、その少女はいた。
輝く金色の髪。普段は後ろにまとめられているそれが、今はその枷を解かれ、ベッドの上に柔らかく広がっている。
華奢な体と、薄闇の中でも色あせない美しいその顔。さまざまな感情に彩られたそれが俺の体の下で不安げに揺れていた。
俺もセイバーも、すでに一切の衣服を脱ぎ捨てている。
生まれたままの姿で、俺はセイバーを組み敷いていた。
この状況、そして、これから行われる行為。そういったもの全てが、俺の思考を緩やかに狂わせて行く。
「セイバー……」
静かに呼びかける。
セイバーは答えない。
ただその瞳が、じっと俺に問いかけてくる。
本当にいいのですか?
後悔はしないのですか?
と。
いまさら、それに言葉で答える必要なんか無い。
ためらいは……もう既に捨てた。
それなのに――――遠坂の顔が脳裏にちらつくのはなぜなのか?
歯を食いしばる。
自分の不甲斐なさを追いやるように
――――俺は、全てを振り払うように言葉を吐き出した。
「おまえを抱くぞ……セイバー」
うっすらと紅潮したセイバーの体。
腕で優しく押さえながら、俺はセイバーに口付けた。
「……ん……ん、ん」
甘い感触。さっきの無我夢中だったときとは違い、セイバーの柔らかさと甘さを感じる。
「んっ……あ――――シ、ロウ」
俺の名を呼ぶ声。セイバーのその小さな鳴き声も心地良い。
柔らかい唇。その全てを味わいたい。
閉じあわされた唇の間に、俺は自分の舌を侵入させる。
「……っ!」
ピクッ、と、セイバーのまぶたが震えた。閉じられた瞳がうっすらと開き、泣きそうに俺を見つめてくる。
その仕草がたまらなく可愛くて、もっともっとセイバーを抱きしめたくなる。
「セイバー……口をあけて」
いったん唇を離して言う。
「……っん……う……」
「あけて……」
催促するように唇をついばみ、セイバーの瞳を覗き込む。
戸惑いに揺れた瞳が、諦めにも似た感情を示すのにそう時間はかからなかった。
セイバーの唇が俺を迎えるようにゆっくりと開く。あまりにも小さな突破口。でも、俺にはそれで十分だった。
「……んっ」
優しく吸い付く。さっきまでとは違う、深いキス。俺の舌が、セイバーの口腔に吸い込まれていく。
「んん……ん……っくぅ……ん」
しばらく口内の暖かさを堪能したあと、おくのほうに縮こまっているセイバーの舌を自分のもので絡め取る。
「ン……あ……む、んん……っ」
俺の舌の動きに応えようというのか、それとも、口内に浸入してきた異物を追い出そうというのか、セイバーの舌が柔らかく蠢き始めた。おずおずと、俺のものに触れてくる。
「ん――――セイバー……」
「はぁ……はぁ……んん……シロウ」
名を呼び合う。そして、本格的にお互いのものを絡めあった。
ぴちゃぴちゃ、と、子供が水と戯れるような音。
暖かく、柔らかいセイバーの舌。
俺たちは、求め合うように舌を絡めた。
セイバーの舌を唇で挟み込んで吸う。そのまま柔らかく噛んだり、舌でこすったりしながら可愛がる。そして、さらには彼女の口内に自分の唾液を流し込んだ。
「―――っ!! んぅっん……く、……んん」
こくっこくっ、とセイバーの喉がなる
俺の暴虐無尽な振る舞いに、それでも必死にセイバーはこたえてくれた。
今まで押さえつけられていたものが一気に開放されたように、俺たちは何の遠慮も無く、ただただ思いのままに唇を重ねあった。はじめはためらいがちだったセイバーも、いつしかその行為に魅入られていった。火傷しそうなほど、熱い吐息が俺の頬に当たる。
どのぐらいそうしていたか。
俺たちはようやくお互いの唇を解放した。
ゆっくりと分かたれる唇と唇。その合間に架けられる唾液の橋。はしたないその光景が、相手の少女がセイバーというだけで、どこか美しく感じられた。
「……はぁ……はぁ……んんっ……は、ん……ん」
荒い息を吐くセイバー。顔は紅く火照り、その瞳は、キスだけで達してしまったかのように、熱く潤んでいる。
「セイバー……」
彼女の名を呼ぶ。
潤んだ瞳が俺に向けられた。
「ん、ん……シロウは―――キスが、うまいのですね……」
「え……っ!」
いきなりそんなことを言われてびっくりしてしまう。
「そ……そうか?」
なもんだからそんなバカみたいな答えを返してしまう俺。
「はい。唇での交わりが……こんなに良いものだとは思いませんでした」
そう言って、自らの唇を白魚のような指でうっとりとなぞる。
その仕草があまりに色っぽかったので、俺はごくりとのどを鳴らしてしまった。
と。
ふと、セイバーを抱く前に、ひとつ聞いておかなければいけないことがあることを思い出す。
「あ……セイバー。その……こんなことしといていまさらなんだけど、おまえ、こういうことって……その……初めてなのか?」
抱くぞって宣言して、おまけにディープキスまでかましておいていまさらだが、やっぱ聞いておかなきゃいけないし、初めてだったら優しくしないといけないし、遠坂の時も、その、大変だったし……
「……はい、そうですね。女性として殿方に抱かれるのは初めてです」
セイバーは微妙にわかりづらいことを言った。ただ、初めてらしいということはわかった。なら男の俺がしっかりしないといけないわけで、自分の好き勝手に事を進めるわけには行かない。
俺はひとつ大きく深呼吸をする。頭の中から欲望だけを満たそうとする思考をたたき出す。
「シロウ? どうしたのですか?」
…………
「シロウ?」
…………っは。
「い、いや……なんでもない」
冷静になればなるほど、セイバーの美しさが俺を攻める。しかも今は俺がセイバーを組み敷いている姿勢なわけで、必然的にセイバーの視線が上目使いになり、その潤んだ瞳を見るたびに脳髄が焼ききれそうになる。
おまけにセイバーは裸だ。つまりなにも着ていない。
白くて細い首とか、鎖骨のラインとか、つつましい胸のふくらみとか、そういったものが全て俺の目の前にさらけ出されている。おかしくなるな、というほうが無理な話だ。
だから……
「セイバー……その、できるだけ、優しくするから……」
そう自信無げに言うしかなかった。
もう一度、優しくキスをする。セイバーは嬉しげにそれにこたえてくれた。唇を重ねあう。
でも、今回はそれだけじゃない。
手をセイバーの胸のふくらみに持っていく。
「……っん! んん……う、あ……シ、ロウ。そこは……」
大きくは無いけど、柔らかくて弾力のあるふくらみ。それを、まるくこねるように優しく揉む。
「は――――ん、やぁ、そこ……は、だ……っ!」
手のひらにピンク色の突起が当たるごとに、セイバーの体がぴくんとはねる。それを体と唇で抑えながら、よりいっそう行為を加速させる。
「……はぁ……んん、……くぅ、ん、ん……」
少しずつセイバーの声が熱を帯びていく。
可愛く尖った胸の先端。
今度はそこを重点的に攻めることにする。
「ぅあっ……く、ん、あ、あ……んっん!」
きゅっと乳首を指でつまむと、セイバーが可愛い鳴き声を上げた。その声をもっと聞きたくて、キスしていた唇を離す。そのままセイバーの顎のラインを舌先でなめ上げる。もちろん、指は彼女の胸の突起を可愛がったまま。
「はぁ……はぁ……シ、ロウ、あうっ、く、んん……やぁ……そこは……もう……あうっっ!」
あんまりにも反応が可愛いんで、胸の突起を指でピンとはじいたら、切り裂くような鳴き声とともにセイバーの体がはねた。
「や、あぁ……シロウ、そ、れは、ん、ん……ひ、どい……で、す」
「ん……わるい、セイバー。おまえが、可愛すぎるから……」
優しくするって言ったばかりなのに、すでに理性が崩れかかってる自分がなさけない。でも、セイバーが可愛すぎるのも悪い。
優しく、優しく、ふたつのふくらみを両手で愛撫する。
「はぁ……ん、ん……」
彼女の頤がくっと上がる。
薄闇に光る白い首筋。細い繊細な血管が通るそこに、俺は吸血鬼のように吸い付いた。
「んっん……ん」
滑らかでしっとりとした肌に俺の唾液がたれる。震えるそののどもとに、自分のものだと知らしめるように痕を残す。
「シ、ロウ……」
俺を呼ぶ声。顔を上げると俺を見つめるセイバーの瞳。
その瞳が―――もっとしてください―――と言ってるように感じられたのは、俺の身勝手な考えだろうか。
「セイバー」
俺はその期待(?)にこたえるべく、右手をゆっくりと下に滑らせていく。おなかをなぞり臍を通過する。
その腕の意図にセイバーは気づいているのだろうが、進行を阻むようなことはしない。体を硬くして、ゆっくりとそのときが来るのを待っていた。
「―――っん」
柔らかな繊毛をかすめ、俺の手がその部分に到達した。
濡れている。
セイバーのもっとも大事な部分。そこは俺の愛撫にこたえるように蜜をあふれさせていた。
「セイバーのここ、すごい濡れてる……」
「やぁっ……そんなこと、……言わないで……ください……」
「ん……でもほんとのことだし」
割れ目の入り口をくすぐるように指でなぞる。
「……あ、……ん……」
緩やかに震えるセイバーの体。
俺はゆっくりと、セイバーの中へと指を埋め込んでいった。
「っ……くぅ、あ……は、あ……んん」
熱い。
肉の壁につつまれた指が、そこだけ別の次元に放り込まれたような熱さを感じる。
秘口の肉壁が半分だけ差し込んだ指に絡み付いてくる。
「セイバーって、結構いやらしいんだな……」
「――――っ! な、なにを……シロウ、そんなこと……」
「ん……だって」
指を動かす。
くちゅくちゅという蜜の音。
出し入れするたびに、ねっとりとした愛液が、俺の手のひらにあふれてくる。
「初めてのくせして、もうこんなに濡らしてるなんて……」
「や……ぁ、ひどいです、シロウ……これ、は……シ、シロウが……」
「俺が……なに?」
「シロウが、……あぁ、……シロウの…指だから……」
だからこんなに震えてしまうと、泣きながら訴えてくる。
「…………」
完全にやられた。
脳のヒューズが吹っ飛ぶ。
そんな顔で、そんなこと言われて、おかしくならないはず無いじゃないか!
「セイバー……」
「……あ、あ、……ん、シロウ?」
「脚……ひらいて」
「え? あ……その、……は―――い」
一瞬戸惑いを見せたが素直に俺の言葉に従う。
その従順さが、またたまらなく可愛い。
おずおずと開かれる細く白い脚。ほんの少し出来たその隙間に、俺は自分の体を滑り込ませた。
「……っあ、シ、ロウ」
セイバーがびくっと体を震わせたあと、今度は逆に強張らせる。このまま最後まで抱かれると思ったんだろうか。
だが、初めてのセイバーを相手に、いきなり入れるような無茶はしない。まずはもっと濡らしてから……
ふたつのふくらみ、胸の合間にキスを落とす。しっとりと汗ばみ始めたセイバーの肌。その肌を滑り落ちるようにキスの雨を降らす。
「ん……ん……は、あぁ……んっ」
そのまま少しずつ体を下にずらしていく。
柔らかで引き締まったお腹、可愛くくぼんだ臍、そしてさらにその下へ……
「あっ……!」
俺のたくらみにセイバーは気づいたようだ。あわてて俺の頭を抑えようとする。
もちろん、そんなものに屈する俺ではない。目的の場所まで顔を近づけていく。早くセイバーのあの場所を味わいたい。
「んっ、やぁ……シロウ。あっ、……そこはっ!」
俺の唇はとうとうセイバーの秘所へたどり着いた。
すでに蜜をあふれさせているそこに、優しくキスを落とす。
「ん……っ! あっン……だめです……そこは……きたない……!」
「そんなこと無い。奇麗だよ……セイバーのここ」
「やぁ……そんなこと……シ、ロウ……」
両手で俺の頭をどかそうとするが、俺はかまわず薄桃色の割れ目をなめ上げる。
「あうっ、う……んっ、くうぅ……はあっ、は、……んっ……!」
「ん……すごい、あふれてきた」
「は……ん、ん、あ……や、やめて、ください、シロウ……」
「かわいい……ぴくぴくしてる」
「やあっ……! そんなとこ……見ないで……っ!」
セイバーの顔が真っ赤になる。
舌をうごめかせながら、そんなセイバーを下から眺めた。自分のする行為ひとつで、セイバーの表情や声がころころ変わる。
それが嬉しくて、もっともっとセイバーを狂わせたくなる。
蜜口の少し上、草むらの中にその身を隠すような肉芽。
それをペロっと舐める。
「ひぁっっ――――!!」
今まででもっとも大きなセイバーの鳴き声。同時に体も反り返るようにはねる。
女性の体の中でもっとも敏感な箇所。
それはサーヴァントであるセイバーにとっても同様のようだ。
「んっ……く、ん、シロウ……いま、なにを……」
「……ん? ここをいじったんだけど……」
そう言って舌先でつんつんと突く。
「もしかしてセイバー、自分でここ触ったこと無いのか?」
「くっぅっっ! そ、そのようなこと、あ、う、……するわけが……んっ!」
陸に打ち上げられた魚みたいに、面白いように体をくねらせるセイバー。
どうもセイバーにとっての最大の弱点のようだ。
舌でいきなり愛撫すると刺激が強そうなので、指に変更。たっぷりとセイバーの愛液をまぶし、やさしくそれをころがす。
「んっ、はあ、あ、はあ、んっく……んん……!」
つるつるとまあるく可愛がりながら、セイバーの反応を楽しんだ。甘い香りのする蜜がとろとろと零れ落ちてくる。
「く、ん、はあ、はあ、んん……あ、ふ」
荒くなるセイバーの呼吸。跳ね上がりそうになる脚を片手で抑えこむ。
そのまま、中指を蜜口のなかへ沈める。
ちゅぷりと響くみだらな蜜の音。
さらに、ぷっくりとふくらんだ肉芽を親指で押しつぶす。
「あうっ……く、ん、はっ、だ、だめです……シ、ロ……ウ」
絶え間なく送られてくる刺激にセイバーはかすれた声を上げた。体は休みなく震え続け、その瞳は焦点を失いかけている。
「はあ、ん、やめ……て、ください……あぁ、シ、ロウ……もう……あ、あっ」
限界なのか。
体は痙攣するように震え続け、あふれる蜜の量が多くなる。
もう一押しすれば、セイバーはのぼりつめる。
その直前――――すっと彼女の中から指を引いた。
「……あ……」
引き抜かれる瞬間、セイバーが可愛い声を発する。
「……はあ、んん、はあ、はぁ……?」
不思議そうに、あるいは不満そうに、俺の顔を見つめてくるセイバー。
「やめてもらいたかったんだろ?」
「―――っ」
俺が意地悪くたずねるとセイバーはきゅっと唇をかんだ。涙目でこっちを睨みつけてくる。
なんだろう。
その可憐な顔を見ていると、もっと可愛がりたいというかいじめたいというか、そんな気持ちになってくる。
これはあれか?
好きな子ほどいじめたくなるという子供の感覚か?
彼女を抱く前にあったいろいろな感情がいつの間にか溶けさり、いまはただ、セイバーを体中で感じたい。思いっきり可愛がりたい。
それだけが俺の脳裏を支配している。
「はあ、はぁ……ん、……シロウ……」
切なげな声で俺を呼ぶ。
「ん? なんだ、セイバー」
「……そ、の……、もっと、つづけて……ください……」
「つづけるって、なにを?」
当然わかってるがとぼけてみせる。
「――っ。……わたしの……を、さわってください……」
「ここ?」
セイバーのもっとも敏感な箇所を避け、その周囲を微妙なタッチでなでる。淡く茂る繊毛が手に心地良い。
「……ん……いや、ちがいます……シロウ、あ、んん……意地悪しないで、ください……」
「じゃあ、ちゃんと言ってくれよ」
じゃなきゃわかんない、とばかりに蜜口に浅く指を入れ、すぐに抜く。そして、じわじわと煽り立てるように軽い愛撫を続ける。
「も、う……ん、ん、あぁ……もっと……つよく……してください。……あ、ん、シロウ……あぁ、ん……おねがい、します……シ、ロウ」
微妙な快感に体を支配され、涙目で俺におねだりしてくる。
ちょっといじめすぎたかな?
まあ、俺もそろそろ我慢できないし。
指を二本、奇麗にそろえて、セイバーの中に差し込む。
「あっく……っ!」
「ん……すごい、締め付け……セイバーの中」
「あっ……あ、ん、そんなこと……あ、言わないで、んん……くださ、い……」
羞恥からか、顔を真っ赤にして体をこわばらせる。
「くっ……!」
それにともなってセイバーの中が収縮した。きつく締め付けられる俺の指。きゅうっと肉壁が圧迫してくる。
指だけでもこんなにきついとなると、自分の物をここに入れたらいったいどうなるのだろう。
その光景を想像して、腰の一物が期待感で震える。今すぐにでもここに突っ込みたい。
しかしまだ我慢する。
もう少し体をほぐさないと、きっと痛むだろう。
だから……
「ん……」
指を蜜壷に差し入れたまま、セイバーの肉芽に顔を寄せる。充血し剥きだしになったそれに、ふぅっと息を吹きかける。
「ふぁっ……ん!」
それだけのことで、セイバーの体は敏感に反応した。
「……シロウ……」
その呼びかけには、多分に期待が含まれていた。ならばそれに応えよう。
肉芽に唇を寄せ、そのまま優しく口付けた。
中の膜を傷つけないよう指を出し入れしながら、口に含んだそれに、たらりと唾液をたらす。
「んっくぁ……っ! はあ、ん、はっ、ん、ん……くぅっ!」
セイバーはぴゅっぴゅっと蜜壷から愛液を飛ばす。俺の腕は手首までねっとりとした蜜にまみれた。暖かい。
蜜をかきだすように、差し入れた指をくっとまげ、肉壁の天井を指でこすってやる。
「――――っっっ!!!」
声にならない悲鳴。
セイバーの体が震えた。
暴れようとする彼女の大腿を、空いている左の腕でしっかりと押さえつけ、そのままセイバーを追い込んでいく。
「あうっっ! シ、ロウ……っ! ああぁ、も、う、……だめ、です……あ、あ、やぁっ! もう、お、かしく……なって……あ、あ……」
びくんっびくんっ、と、セイバーの体の振るえが大きくなっていく。蜜壷からはひっきりなしに愛液が飛びちり、指を痛いほど締め付けてくる。ぐっと俺の頭に置かれたセイバーの手に力が入り、髪の毛をくしゃくしゃにした。
「んっっん、はぅっう……! あ、んん、な、にも……あ、あ、もう……かんがえ、られ……ない、んっ!」
俺のほうももうじらそうなんて思わない。とにかく今はセイバーののぼりつめる瞬間が見たい。どんな声で泣くのか、その声が聞きたい。
「あぁ、あぅうっ! シ、シロウ……ん、シ、ロウ……」
俺の名を呼びながらセイバーはのぼりつめていく。
震えは限界に達し、あとほんの一押しで、この可憐な花びらは落ちようとしている。
それを散らそうと、指を小刻みに震わせながら円をえがくように出し入れする。唇をすぼめ、剥きだしの突起をちゅうっと吸った。
「ひあぁっ……!! シ、んん、……シ、ロウ…………んん―――っ!!!!!!」
かん高い声。
脚の強張りが最大にまで張り詰め、下のシーツがくしゃりとゆがむ。
指が折れそうに感じるくらいの締め付け。ねっとりとした蜜が奥から止め処もなくあふれてくる。
震えが極限まで高まったところで、不意に、ふっと全ての力が抜けた。
「んっ……ん、はあぁ……は、あ……」
弛緩したセイバーの体がベッドに沈む。
手足に力はなく、全てをさらけ出した格好のまま、俺の前でみだらに震えていた。
甘い吐息。緩やかに吐きながら、潤んだ瞳で俺を見つめてくる。
「……シ、ロウ……」
囁くように俺の名を呼ぶ。
その声音に、俺は満足した。
セイバーの中からゆっくりと指を引き抜く。
「……ぁ」
さびしげに、切なげに声を漏らす。
ぐっしょりと濡れたセイバーの秘所を、名残惜しげにひと撫ですると、
「んっ……」
ピクン、とかわいらしく体を揺らす。
「はあ……はあ……ん……シロウ…………」
時々、余韻を感じるように体を震わせながら、セイバーはなにかを求めるような視線を俺に送ってきた。
それがなんなのか、俺にはよくわかる。
というよりも、すでに俺のほうが我慢できない。
俺の物は天を突くようにそびえ立ち、その開放される瞬間を今か今かと待ちわびている。その先端からは先走ったものがすでに垂れ落ちていた。
「……それが……シロウの……」
セイバーに見つめられ、それはよりいっそう凶暴さを増していく。
「あ……おおきく、なって……」
そんなにじっと見つめられるとさすがに気恥ずかしい。
俺は若干照れながら、セイバーににじり寄る。
と。
突然なにを思ったのか、セイバーが俺の物に手を伸ばしてきた。凶悪な面構えのそれに、ほっそりとした白く美しい手がやんわりと添えられた。
「セ、セイバー、なにを……!」
「……あ、また……おおきくなってきました……」
「……っ!」
柔らかいセイバーの手のひら。それにつつまれて、心地よさげにびくんと俺の物が震えた。どくんどくんと血が流れ込んでいくのがはっきりと感じられる。
セイバーは大事な宝物のようにその一物を扱った。
背筋がふるえ、腰のおくからせり上がって来る感覚。やばい!
「セイバー……!」
「……あ」
あわててセイバーの手を振り払う。
危なかった。あともう少しでセイバーの手の中に放出するところだった。
「シロウ……」
なぜですか?
そんな顔で俺を見つめてくる。
うう、その純粋さがある意味怖い。自分だけ先にイってしまったら、男としてなんつうか立場が無い。
俺はふうっと息をつき、自分の物を落ち着かせるように深呼吸をした。
いよいよ、これからが本番だ。
セイバーの脚を持ち、より大きく開かせる。
「あっ……シロウ……」
俺を迎えるべく開かれたそこに、すっと体を割り込ませる。
切なげなセイバーの瞳。それに優しくうなずきながら、自分の物をセイバーのそこにあてがう。
「ん……っ、んん……」
閉じられた肉の重なりを、亀頭で押し広げる。
熱い。
亀頭から感じるセイバーの熱さと鼓動。
たっぷりと濡らしておいたおかげか、ぬるりとそこへ吸い込まれた。
「あっ……うぅ……ん、ん」
ほんの少しだけ入れられたそれにも違和感を感じるのか、セイバーの顔が苦しげにゆがんだ。眉をひそめ、それでもそのときが来るのをじっと待っている。
少しずつ、彼女の肉壁を押し広げていく。
「……くっ!」
正直きつい。まだ先端だけなのに、彼女のそこはあらゆるものを拒むように俺を締め付けてきた。
「くぅっ……ん……ん、ん!」
瞳を閉じ、唇をかみ締めているセイバー。
痛みはあるだろうに、そんなそぶりはまったく見せていない。
このまま、ゆっくりゆっくりと押し進んでも痛みを長引かせるだけだ。
俺は、セイバーの腰を両手でつかみ、しっかりと固定する。腰にぐっと力をいれ、呼吸を整えた。
「セイバー……入れるぞ……」
その宣言に、セイバーは俺の腕をしっかりと握り締めてこたえた。
「はぁ……ん、ん、はぁ……、は、い――シロウ……。あなたの……ものを……んっ、ん――くだ、さい……」
「……っ!」
その言葉で脳が沸騰した。
歯を食いしばり、一気に腰を押し込む。
「あっくっっっ!! うぅ……はぁ、う、く……!」
痛みにセイバーの頤が跳ね上がる。俺の腕が強く握り締められた。無意識なのだろう、つめが立てられる。
だが、そんなことよりなにより、つきこんだ一物が、尋常ならざるその締め付けに悲鳴を上げていた。
「ぐぅっ……くっ……!」
濡れているとかそんなのはなにひとつ関係なかった。とにかくきつい。柔らかさなどまったく感じない。とにかく、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
セイバーの奥底に突きこんだまま、まったく身動きの取れない俺の物。それに襲いくる衝動を俺は耐え、セイバーは始めて男の物に貫かれた衝撃に耐える。
「セ、イバー……」
「シロ……ウ……」
お互いの名を呼び、それぞれの耐えるべきものを、ただただ耐える。
荒い吐息が絡み合い、俺たちは今ひとつになった。
「セイバー……」
彼女の名を呼ぶ。
「はあ、はあ、ん……シ、ロウ……」
泣きだしそうな瞳で、それでもけなげに俺を見つめ返すセイバー。
脳髄を溶かされそうな感覚。
ようやくセイバーの体から強張りがとけはじめていた。
「はぁ……ん、ん、もう、だいじょうぶ、です……シロウ……」
そんな顔で言われても説得力がない。
「あなたの、思うように……ん、うごいて……ください」
歯を食いしばりながらセイバーが言う。
つながった箇所からは、見紛うことの無い破瓜の証し。深紅の血が一筋。
痛くないはずが無い。それなのに、セイバーは俺のことばかりを考えている。
だから俺は、その痛みが少しでも快感に変わるよう、優しく、ほんとうに優しく、律動を開始した。
「はっ……ん、ん……くぁ……」
ゆっくりと引き抜く。
肉の壁に自分の物がそぎ落とされそうな感覚。
それに耐えながら、今度はゆっくりと突きこむ。
「ぁ……シ、ロウ……」
きつさは変わらない。
それでも少しずつ柔らかくなっているのは感じ取れた。
「シ、ロウ……あ、ぁ……んっ……や、さしい、のですね……」
セイバーの声が陶酔したものに変わっていく。
くちゃくちゃ、と、腰を動かすたびにみだらな水の音。
再びあふれ出したその愛液のおかげか、律動が徐々にスムーズなものへと移行していった。
「……くっ! セイバー……!」
俺は再び歯を食いしばって耐える。
今度は痛みではなく、快感。
柔らかさを増したセイバーの膣は、今や俺の物に絡みつくようにうごめいている。
そのさまはまるで生き物のよう。絡みつき、搾り取るように俺を責めさいなむ。
「あ、あっ……ん、シ、ロウ……! あ、あぁ……なにか、へんです……あぁっ!」
「く……っ!」
セイバーの声につややかなものが混じり始めた。それと同時に彼女の柔肉がより激しく蠢動する。
「……っ、セ、イバー……!」
理性が飛びそうになる。
セイバーの中は今まで感じたことの無い快楽を俺に与えてくれた。初めてなのだから意識してのことではないだろう。ならば、これはまさしく天性のものか。
その美貌、気高さ、剣の才、それにくわえて夜のほうも無敵ときては、うう、俺の手には負えないかも……
「シ、ロウ……?」
「くっ、セイバーのなか、すごい、きもちいい」
「……んっ、ん、ほんとう、ですか……?」
「あ、ああ……」
「んっ……! あっくぅ……ん、シ、シロウ、の、も……おくに、……んぁっ! おくに、とどいて……ます、んんっ!」
軽く達したのだろうか、きゅっと俺のものを締め付けてきた。どうやらセイバーは感度のほうも抜群らしい。
そして再び、今までよりなまめかしく、俺の物を飲み込んでいく。
「く、は――――」
ぐっ……やばい。
このままじゃ耐え切れない。
腰の一物が自分の体の一部分じゃないような違和感。
俺は覚悟を決めた。
「んあぁっ! シ、ロウ……!」
セイバーの腰を両手でつかみ、俺のほうへ引き寄せる。
必然的に、俺の物はセイバーの奥底まで叩き込まれた。
「はあ、はぁっ……! ん、シロウ……あ、あぁ、きつ……い……んっ……!」
深呼吸。
ほんの少しでもいいから余裕を取り戻す。
「いくぞ……セイバー……」
宣言して、今までとは比べ物にならないほどの激しさで律動を開始した。
「ふあぁっっ―――!! あっく、んっ、んっ、ひあっ……! や、シ、ロ、んっっ……! っは、くっん、ふあっ……!!!」
部屋の中にセイバーの嬌声が響き渡る。
抑えようにも抑えられない、心のそこからの叫び。
理性で感情を制御できない。
「やっ……! シ、ロウ……っ!! あ、あぁっ……こわい、シロ……んあぁっ……お、おかしく、なって……あぁっ……!!」
セイバーの泣き声が聞こえる。
でも、もう俺は止まれない。
今止まると、それこそ俺が狂う。
ただただ、目の前の少女をむさぼりつくす。
「ひあぁっ……、んっく、ん、はあぁ……っ!」
息が出来ない。
ちょっとでも気を抜けば一気に放出してしまいそうだ。
歯が砕けるんじゃないかというぐらいかみ締める。そうやって耐えながら、俺は限界が近いのを悟った。
「あ、あっ……んっっくっ! シロ、ウ……もう、だめです、あっくぅっ……! やあぁ、ゆ、ゆるして……ください、あ、あ、シロウ……もう……っ!」
セイバーの声も切羽詰ったものへと変わる。
お互い、極限まで快楽が高まっていた。もう我慢できない。到達するそこまで、俺たちは獣のように交わりあった。
「くぅっ――セイバー、もう、ぜったいに……っ、二度と―――はなさないからな――!!」
「あうっ……ん、シ、シロウ……!」
腰をたたきつけながら唇を重ねる。
ありったけの思いをそこに込めた。
「は、はい、わたしも……んっ……ぜったいに……あなたから、はなれません……あぁっっ!」
セイバーの腕が俺の頭を捕まえ抱きとめる。
「あ、あなたに……ん、わたしの、すべてを……ささげます。―――剣も、この身も、この心も……ん、ん……この、たましいさえも……すべて――っ!!」
意識が飛んだ。
俺もセイバーも、なにを言ったのか、なにを言われたのか、まったく理解できないまま、ただお互いを求め続けた。
「ぐっ……セイバーッ!」
「あ、ああ、シロウ……シロウ……っっ!!!!!!!」
その身が消え去るような快感。
ためにためていたものが一気に放出される。
すさまじい締め付けを感じながら、大量の精液をセイバーの中へ注ぎ込んだ。
緩やかに弛緩していく時間。
空間に張り詰めていたものが解け、正常な時を取り戻していく。
荒い吐息を交わしながら、俺とセイバーは脱力感につつまれた体をベッドに横たえた。
天井を見上げる。
暗闇につつまれた黒い天井。
何とはなしにそれを見やりながら、ふと、遠坂はどうしているのだろうと考えていた。