立野
豊肥本線 大正五年開業:現存
言わずと知れた、我が国最大のZ型スイッチバックである。
九州の中央部を縦断し、熊本と大分を結ぶ、豊肥本線は、
世界最大のカルデラ=阿蘇山を越えるが、
三十分の一(33.3パーミル)という九州一の急勾配をもってしても、
外輪山の切れ目をよじ登るのは容易ではなく、
立野駅から一旦、1km以上も逆行しながら高度を稼いだ上で、
再び前進して、赤水へと向かう構造となった。
しかも、昭和三年には、高千穂を目指す高森線
(現第三セクター「南阿蘇鉄道」)が、
瀬田から来た線路を延長する形で敷設されたので、
どこにも行き止まりがない途中駅のような配線の
不思議なスイッチバックになっている。
SL末期に繰り広げられた、9600やC58の奮闘を、
今の子供達に伝えるかのように、
現在は、「あそBoy」8620型(58654号機)が、
休日のジグザグ坂を登っていく姿を、見せてくれる。
*上段の写真は、府川泰氏が昭和50年代に撮影した、
スイッチバック風景。
三段目を行く列車は、
キハ58系(キハ65系混結)の急行「火の山」号であろうか?
*3段目の2枚は、
鈴木信雄氏のホームページ「遠い汽笛(旧:鉄路の詩)」
から転載させていただいた、
「あそBoy」の姿である(撮影は、平成9年8月)。
なお、2段目右の構内配線図(国鉄末期のもの)と比べると、
すでに配線が簡略化されていることが、この写真から見て取れる。
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