笹子


中央本線 明治36年開業:昭和41年配線変更により消滅






その名の通り、笹子峠にかかる駅。 スイッチバック時代は、発着線が、山裾に沿った形で 本線から角度を持って引き出されていたため、 ホームから通過列車の姿が見えず、 乗客は、怪訝そうな顔付きで列車待ちをしていたと言う。 この駅も、昭和41年12月12日、同区間の 複線化に伴う、配線改良で、 スイッチバックを解消、 25パーミルの勾配上に島式ホーム1本が設置された。
*写真は、左側が、古矢眞義氏の撮影による、スイッチバック時代の写真 (複線工事の兆しが見てとれるので、撮影は昭和41年?)  右側が、並木美太郎氏による、廃止後の同駅の様子(撮影は平成8年)。 だいたい近いアングルで撮られたものを並べてみたので、 笹子駅の変遷が、分かっていただけると思う。
上段は、旧駅発着線から本線方面を望んだところ。 EF13牽引の上り客車列車が引き上げ線から 本線に出ようとしていた、その分岐点付近は、 現在、新ホームが設置されている。
中段は、旧分岐点近く(100キロポストがある)から、 右奥に旧駅を臨んだところ。 かつて、愛称サボ付きの165系急行「アルプス」が力行した 勾配線を、183系特急「あずさ」が疾駆する姿は、 同区間を代表する優等列車の競演とも言える。 余談だが、中央東線初の特急「あずさ」(181系)が誕生したのは、 笹子のスイッチバックが消えたのと同日、昭和41年12月12日ゆえ、 「あずさ」は、笹子のスイッチバックを一度も見ることがなかったと言える。
下段は、旧分岐点付近から、引き上げ線方向を見る。引き上げ線の勾配が、 16パーミル〜8パーミル〜Lと、小刻みに変化しているのが興味深い。 現在、引き上げ線のあった場所は、埋め立てられてしまったが、 駅ホームから笹子トンネル方向を見ると、 複線化以降に作られた、保線車両用の留置線らしき線路が、 25パーミルの本線に対して、 小さなスイッチバックを形成しているようで、面白い。
なお、 並木氏のホームページ では、笹子以外にも 初狩と勝沼のスイッチバックに関して、 クリッカブルマップを使用した、詳細な現状報告を 試みている。 本ページでも見習いたい手法である。
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