二本木
信越本線 明治44年開業:現存
関山のスイッチバックが廃止された現在、
信越本線で唯一残されたスイッチバック駅である。
残された理由としては、隣接する日本曹達の工場
に関連して、貨物の発着があるということであろう。
その意味で、中央本線の初狩にスイッチバックが残ったケースとよく似ている
(但し、初狩は、旅客ホームは勾配中に移設)。
新幹線の長野乗り入れ以降、
「あさま」等の優等列車も少なくなり、寂しさを増した当区間ではあるが、
幾重にも分岐する側線上で専用DLが賑やかに貨車の入換をする様子や、
数百メートルの有効長を持つスイッチバック線を各停電車が往復する姿は、
古き逞しい「国鉄駅」の姿を今に伝えてくれる。素晴らしい駅である。
*上部写真は、平成20年の3月に撮影された、スイッチバックの様子。
「妙高号」同士(手前は6号、向こうが5号)の離合風景である。(撮影:谷口元一氏)
*二段目は昭和48年夏撮影。上とほぼ同じアングルである。上り普通列車が
ホームで待避している前方を、169系の下り急行「妙高」が通過していく。
*二段目〜三段目は、平成14年4月撮影、当駅の近影である。
EF62や信号扱い所の姿は消えたものの、現在でもほどんど変わらぬ景色を
見せてくれている。
特に、右下写真に写っている、
引き上げ線に架かる木製のスノーシェッド(おそらく開業当初のもの)などは、
文化財的な価値すらあるものと言えよう。
★平成19年3月一杯で、発着貨物列車廃止!! スイッチバック存続にも暗雲!?
平成19年3月31日付けで、二本木駅に隣接する日本曹達から発着する貨物列車が廃止。これにより、当駅のスイッチバック存続条件の
大きな要因が失われ、その将来に暗い影を投げかけることなった。そろそろ“文化財”的な意味合いも含めて、こういった施設の存続を検討する
時代に入ってもらいたいものである。
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