東赤谷


赤谷線 昭和16年開業:昭和59年路線廃止により消滅





国鉄〜JRでは唯一、私鉄を含めても、岩手開発鉄道の岩手石橋 でしか見られない、珍しい折り返し型の終着駅である。 赤谷鉱山の鉱石運搬を主目的に敷設された赤谷線であったが、 昭和40年代に閉山が相次ぎ、赤字線第一次廃止対象線として、 日中線などと同様、昭和59年3月末日をもって、全線廃止。 なお、この駅にあったターンテーブルは、現在、大井川鉄道の千頭駅構内にて、 現役で活躍中である。
*最上段は駅付近を行くキハ58系気動車(昭和50年代、府川泰氏撮影)。 列車は、いったん奥まで進み、そこからスイッチバックして 右上の駅構内に姿を現す。
*その他の写真は、すべて路線廃止当日のもの。 この日ばかりは、山間の小駅に、 通常は2両編成のDCを4両に増結しても、足りないくらいの乗客が 押し寄せたが、あれからすでに15年を経過した現在、 跡地は何もないバスの転換場となっている。 ただ、当時から、引き揚げ線の奥にあった、 石灰石の採掘用のトロッコが、その後もしばらく残ったというのが、救いかも知れない。
*それにしても、不思議なのは、終着駅のスイッチバックという構造である。 なぜ、平坦な引き揚げ線の場所に駅施設を作らなかったのか? そうすれば、無用な折り返しは簡単に避けられたはずなのにと、考えてしまう。 ただ、奇しくも、東赤谷、岩手石橋ともに、鉱山関連の駅なので、 その施設との位置関係が、こうした「妙な」形態を生み出したことは、 想像に難くない。もちろん、筆者にとっては、幸運なことである。

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