発動、軌道の鎚作戦(オペレーション・オービタルハンマー)

遂に発動された、統合軍の一大攻勢作戦「オペレーション・オービタルハンマー」。
統合空軍第8戦術航空隊「ブルーセイバーズ」が、いよいよ出撃する。
最大の攻撃目標は衛星軌道上のアストラルテック本社・小惑星LP−2。
全ては長きに渡る、MUCOCとの戦いに終止符を打つ為に。

蒼き剣は宇宙を切り裂く。


BlueSabers -Operation Orbital Hammer-
発売日 2003年12月30日
定価 1500円
ステージ数 11面
コンティニュー 3回(その場で)
6回目(ステージの最初から)
選択可能な自機 16機
備考 ライフ制
支援機システム
ステージ分岐

2002年、冬にリリースされたBlueSabers。
この実質の続編が、このBlueSabers -Operation Orbital Hammer-(以後、OOH)だ。
当時は前作の追加ディスクとしての構想があった物の、完全な新作としてリリースされた。
全てにおいてパワーアップした、完全なるBlueSabers。
それがOOHなのだ。

全てが大幅に進化した、BlueSabers

まず、グラフィック。
前作はドット絵に背景の一部がポリゴン使用であったのだが、このOOHはフルポリゴンに。
筆者の個人的な感想を言うなら、前作のようなドット絵中心の方が良かったのかもしれないが…
その辺りは個人個人の好みだろう。
更にミッションデモや同時進行のマルチストーリーがある。
BlueKnightsにあった、ステージ分岐も復活している。
同時進行と言うのは、前述の分岐に関する事だ。
例えばステージ3を例に挙げよう。
片方が都市の奪還、もう片方が都市侵攻部隊阻止。
このストーリー構成が、なかなか良い味を出している。
つまりはステージの分岐によって、プレイヤーがどちらかで戦う事になる訳だ。
選択次第では新設されたばかりの部隊に編入や、かのブルーナイツと共に戦うルートもある。
この演出は、なかなか熱い物を感じる。
また、英語音声による演出も導入。
実質は甲谷ひとえ氏が一人で喋っているのだが、その発音はなかなかに流暢。
個人的には日本語音声でも良かったと思ったのだが、それも個人の好みと言う事で。
更には、稼ぎのシステムも大幅に刷新されている(これについては下の項目で書こう)。
まさしく全てが大幅に進化した、完全なるBlueSabersなのだ。

システムは前作を踏襲しつつ、更なる追加要素が

前作の通り、支援機システムは健在。
今回は新たに戦線投入された新型支援機、デプリクスがある。
他の2機に比べて自機のシールド、特殊兵器の補給速度が早いのが特徴だ。
なかなか通好みの支援機とも言えるだろう。
また、この支援機に追加要素が加わった。
支援機のシールドを消費して起動する、支援機特殊攻撃だ。
バリストラスなら、ありとあらゆる攻撃を防ぐシールドを一定時間展開する「ハイプロテクション」。
コングレスなら、強力なレーザーを照射する「ツインハイパーレーザー」。
デプリクスなら、緊急回避の出来る高速移動「アクティブスラスター」。
これらの特殊攻撃を使う事も、クリアの鍵となる。
ただ、支援機のシールドを消費するので、バカスカ使用していたら、たちまち撃墜寸前まで行ってしまうので、使い所はよく考える必要があるのだが。
因みに、支援機のシールドは『自機のノーマルショットを敵に打ち込む事で、回復速度が上がる』システムも導入されている。
とりあえず支援機のシールドを早く回復させたいのなら、ノーマルショットを積極的に使うべしと言う事か。

稼ぎのシステムも前作から大きく進化した。
支援機のシールドがフルの状態で敵を撃墜すれば2倍。
同じ状態で、自機のノーマルショットで撃墜すれば4倍も入る仕組みになっている。
うまく敵機にダメージを与えて、削りに削ってからノーマルショットでトドメ、が稼ぎの基本となる。
また、自機や支援機がノーダメージだった場合のボーナスもあるので、常に気の抜けない稼ぎプレイが出来ると言う訳だ。

他にも、ブルーナイツであった隠し機体が本作品では大幅に追加。
最終的にはなんと16機にも増えるので、全てを出す事を前提にプレイするならば、かなりのやり込みが必要とされる。
全てが揃った時のプレイヤーセレクト画面を見て、あまりの数についニヤリとしてしまう。
昨今のシューティングゲームでも、そんなに自機が使えるゲームは、まず見かけないだろう。
あと、OOHには壮大なオマケも用意されているが…
それに関してはプレイして、直接自分の目で確かめていただきたい。
ハッキリ言って、脱力必至だ(筆者からすれば、だが)。

決して簡単ではないが、手応えのある難易度

難易度は前作と比較すれば上がっていると言って良い。
これはVRシミュレーターではなく、実戦と言う設定から考えれば妥当な物だろう。
ただ、決してクリア出来ないと言う凶悪な難易度ではない。
やり込めば活路が見出せるゲームバランスは健在だ。
(初めて5−Bボスの弾幕を見た時は言葉を失うかもしれないが…)
ステージ構成は前作より減って、全5面。
ただし、分岐を含めれば最終的には4つに分かれるので、少ないとは感じない筈だ。
何より自機別で全ステージクリアすると言う事を考えればボリュームは多く、やり込み度も高い。
他にも前作で猛威を振るった、ガンマ2のエクスプローダー。
この武器が、敵の放つ機雷の爆風で打ち消されるようになった。
強力すぎた故に入った調整なのだろうが、筆者はこれに関しては賛成である。
更にはレーザーが効かない(ハイパーレーザーはさすがに効果があるが)、対レーザー装甲を装備した敵機も存在する。
これにより、どの敵にどの特殊武器で戦うかと、言った事を覚える必要があるのだ。
もっとも、それに関してはやり込めば自然に体が覚えてくれるので、特に心配する必要は無い。
こう言った調整もあってか、本作品は前作よりも手応えのある難易度に仕上がっている。
もし、本作品が簡単だと感じるようならばスコアアタックに挑戦してみるもいいだろう。
おそらくは、もっとも緊張感のあるプレイが出来る筈だ。
因みに、ブルーナイツにもあった全面ぶっ通しプレイのスペシャルモードはOOHでも健在。
例によって、このモードは敵の攻撃が激しくなっているので、クリアするのにも一苦労だ。
ただ、ブルーナイツのそれと比較した場合は、難易度はそれなりと言った所。
アドバンスドモード、と言う位置付けで考えるのもアリだろう。

これは正統な続編であり、新作とも言える完全版だ

ブルーナイツでやった事を全てやった上で、新要素を更にプラス。
相変わらずの名曲、適度な難易度、同時進行のストーリー、多彩な自機、徹底した稼ぎのシステム…
それがOOHだ。
2003年度の同人シューティングの中でも、高水準に位置する名作と言っても良い。
前作よりも難易度が上がっている事は事実だが、やり込む事で突破の出来るバランスになっている。
稼ぎも熱いので、トップスコアを狙ってみるのも良し。
とにかく隠し要素を全て出す為に、ひたすらプレイし続けるも良し。
リプレイ機能も実装されているので、スーパープレイや制限プレイを記録してみるのも楽しい。
好きな楽しみ方が出来るシューティングと言う訳だ。
グラフィックがフルポリゴンになっている事については、意見が分かれるかもしれないが、それ程気にはならないレベルだ。

多少シューティングに慣れてきたプレイヤーへ、もう一歩前へと踏み出すきっかけとして、このOOHをプレイしてみるのが良いだろう。
前作よりも手応えのある難易度は、やり込めば丁度良く感じる事請け合いだ。

さて、このOOHで今まで続いてきたBlueWingsシリーズは一応の完結(?)を見せる事になる。
しかし…次の作品は、BlueWingsシリーズの外伝とも言う物になっているのだ。

その内容は今までの物とは大幅に違う、新しい形として現れる事になる。

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