空を駈ける、蒼き剣

来るべき作戦へ向け、統合空軍は新鋭機の正式パイロット選定試験を行う事となった。
それは、新型機を用いたVRシミュレーターによる選抜試験。
結果次第で、統合空軍第8戦術航空隊「ブルーセイバーズ」への編入が決まる。
パイロット達は、自らの腕を見せるべく、VRシミュレーター上でしのぎを削るのだ。

…そう、彼等の戦いは、ここから既に始まっていたのだ。



BlueSabers -BlueWings Part3-
発売日 2002年12月30日
定価 1500円
ステージ数 7面
コンティニュー 3回(その場で)
6回目(ステージの最初から)
選択可能な自機 3機
備考 ライフ制
支援機システム

2002年、冬。
同人シューティング界に、一つのブームが起ころうとしていた。
上海アリス幻樂団の作品、東方シリーズである。
東方に影響されてか、当時の同人シューティングゲーム界も弾幕ゲーが増えつつあった。
…しかし、敢えて流行には乗らず、独自の路線を貫こうとしていた所が一つ、存在した。
それが、ブルーセイバーズである。

敢えて弾幕ではないシューティング

今で言うなら、シューティングゲームは2つに分けられると思う。
一つは弾幕。
そしてもう一つは高速弾の多い物。
前者は今で言う、ケイブのゲームが主に有名だろう。
近年では、他社のシューティングも弾幕に影響されつつあるのは、シューター諸子も周知の通りだろう。
後者は、最近で言うなら例えが出ないので、少し前の作品を例に挙げていく。
セイブ開発の雷電シリーズや、彩京のシューティング辺りが主に筆者は思い浮かぶ。
さて、ブルーセイバーズはプレイした人なら、このゲームに弾幕らしい弾幕は殆ど無いと思われる事だろう(多少あると言えばあるかもしれないが)。
なら、このゲームは高速弾メインなのか?
…その答えは半々。
確かに高速弾はあるかもしれない。
だが、それらも前述の雷電シリーズや彩京シューティングと比較すれば、難易度は高いとは言えない。
それは何故なのか?

リアルさを追求したシステム

普通のシューティングゲームならば、レーザーやミサイルを際限なくバカスカ撃てる物。
しかし、このゲームは別だ。
ノーマルショットのバルカン以外、レーザーやミサイルと言った特殊兵器は、弾数制限があり、ゼロになると撃てなくなる。
いわゆる弾切れと言う奴だ。
じゃあ、使い切ったらそれまでなのか?と聞かれるかもしれない。
しかし、答えはノーだ。
随伴している支援機をコールし、ドッキングをする事によって、特殊兵器の弾数を補給出来るのである。
更に、被弾したシールドも一定時間ドッキングしていれば回復してくれる。
「なんだ、いい事ずくめじゃないか」と思うかもしれないが、そんなムシの良い話ばかりではない。
まず、支援機には耐久力がある。
これが尽きれば、支援機は撃墜されて、もうコール出来なくなってしまう。
そうなったら、特殊兵器は2度と補給出来ないのだ。
単に支援機を呼べばいいと言う訳ではなく、状況を見てコールし、特殊兵器を補給する。
そう言った戦略性が必要とされるのが、このブルーセイバーズなのだ。

絶妙なゲームバランスと遊びやすさ

ここまで見ると、「それじゃ、難しいんじゃないのか?」と思う人もいるだろう。
しかし、そう思うのは早計だ。
支援機と言っても、実は相当頑丈だったりする。
多少無理をして、特殊兵器を補給しても撃墜される事はまずない(ただ、敵機がレーザーを撃ってきた場合は別なのだが)。
頑丈さをアテにして、弾の多い所で盾として使うと言う戦略も成り立つ。
また、支援機の耐久度はコールしていない状態の時、少しずつ回復している。
支援機の使いどころはプレイを重ねる内に、自然に覚えていける筈だ。
つまりは、やり込めばやり込むだけ、腕が上がっていくのを実感出来ると言う事。
確かに攻撃の激しい所はあるだろう。
だが、それもやり込めば活路を見出す事が出来る。
現に東方シリーズをすぐ投げた、ヌルシューターである筆者もそうだった。
ゲームバランスも、良く練り込まれていると言う訳だ。
特殊兵器を3つ使う操作も、少しプレイし続ければすぐに慣れて、手足のように扱える。
それはプレイしてみれば、自ずと分かる事だと筆者は思っている。

堅実な面白さ、それがブルーセイバーズ

他の同人シューティングと比べれば、確かに派手さは無いかもしれない。
だが、ゲームにとって大事なのは遊びやすさではないだろうか?
昨今のシューティングは難しいと言う声を良く聞く。
難しいから投げ出した、と言うのはよくある事ではなかろうか?
このゲームは特殊兵器に弾数があり、適時支援機をコールして、補給しなければならない。
その辺りに、敷居の高さを感じる人はいるだろう。
だが、実際やってみれば、何という事も無い。
初心者にはガンマ2+コングレスの組み合わせで行けば、かなり進めると思うし。
何より、やり込んで上達する事が実感出来る、数少ないシューティングなのだ。
リプレイ機能も実装されており、『ここはこういう攻撃なので、この武器を使えばいいのか』と研究も出来る。
シューティング初心者の教本として、是非ブルーセイバーズをプレイしてみては如何だろうか?
楽しめる事を保証しよう。

なお、この1年後に実質の続編であり、完全版でもあるOOHがリリースされるのだが…
それについては次のページで語ろう。

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