誇り高き、蒼の騎士達
起死回生の、一大反攻作戦「オペレーション・ウィンドストーム」。
主軸となるのは、新型戦闘機「ベータ・カスタム」、「ガンマ・カスタム」、「イプシロン」。
そして、フィンベル級大型戦闘母艦。
飛び立つは、蒼き騎士達の名を冠する部隊。
…それは後に、第1次MUCOC戦役と呼ばれる戦いの幕開けであった。
BlueKnights-BlueWings Part2- 発売日 1993年8月16日 定価 1500円 ステージ数 10面 コンティニュー 5回 選択可能な自機 6機 機種 X68000 備考 ライフ制
ステージ分岐
パワーアップ制
X68000で数ある同人シューティングの中でも、隠れた名作と呼ばれた物があった。
それがBlueKnights-BlueWings Part2-である。
前作であるBlueWingsから、非常にパワーアップした本作を追っていこう。
縦スクロール版の…
このゲームはステージ分岐がある。
内容は、簡単なステージか難しいステージのどちらかを選ぶと言う物。
それによって、エンディングも変化する。
簡単なコースのエンディングなら簡素な物。
難しいコースなら……と言う訳。
さて、ここまでを見て、あるタイトルが頭に浮かんだ人もいるだろう。
かつてデータイーストが出した、ウルフファング-空牙2001-が、まさにそれである。
縦スクロールシューティングで、それをやってのけたのがこのゲームなのだ。
ただ、ゲームの内容は前述のそれとは全くの別物なので、安易なパクリでは無いと断っておく。
独特なパワーアップシステム
このゲームのパワーアップは、多少変わっている。
ノーマルショットはアイテムを取る毎に、2段階まで強化される。
しかし、特殊武器を使う場合は別だ。
特殊武器アイテムをストックし、それを使う事でパワーアップすると言う方式になっている。
つまり、取得したアイテムを保存して、いつでも好きなタイミングで使用する。
そんな使い方が出来ると言う訳だ。
特殊武器アイテムはレーザー、ショット、ボムの3つ。
単発で使う事も出来るが、特徴的なのが2つ同時に特殊兵器を使用する事。
これは2つの武器が同時に発射と言う訳ではなく、2つの武器の要素を兼ね備えた新しい武器が使えると言う、画期的な物なのだ。
ベータ・カスタムで例を挙げれば、レーザー+レーザーでハイパーレーザー。
レーザー+ショットでリフレクトレーザー。
ボム+ボムでスーパーボム…と言った感じだ。
武器によっては、敵の弾を消す効果もあるので、うまく色々と使い分けるのがポイントとなる。
また、特殊武器を使用した瞬間、自機が僅かな時間無敵になるので、危険回避にも使える訳だ。
慣れるまでがとっつき辛いかもしれないが、一度慣れてしまえば面白く感じる筈である。
高めの難易度、しかし…
このゲームの難易度を挙げるなら、残念ながら多少難しく感じる。
攻撃がやや厳しく、回避が難しい攻撃がいくつかあるのがその理由だ。
ただ、2面エンドのトレーニングモードがあり、そちらは難易度も抑えめ。
ゲームに慣れるにはうってつけのモードだ。
まあ、極端に難しいと言うレベルではないので、やり込めばクリアは十分に出来るレベルであると予め書いておくが。
そして、このゲームには最高難易度のモードが存在する。
1面から全コースのステージをコンティニュー無しでぶっ通しプレイするスペシャルモードだ。
このモードは敵の攻撃が更に激しくなっており、クリアするのには相当な腕が要求される。
現に筆者も、クリアまでに相当な時間と苦労が掛かった。
まさしく、制作者からの挑戦状とも言うべきモードであろう。
やり応えは十分ある筈だ。
隠れた名作と呼ぶのに相応しい出来
このゲームが隠れた名作である理由は上記の通りだが、他にもまだある。
BGMが素晴らしい事だ。
後の作品にも言える事だが、このゲームのBGMはとてもノリが良く、つい耳に残る物が多い。
どの曲も、シューティングゲームらしい曲調が揃っているのだ。
ステージ1の曲が、ステージ4−Aでアレンジされて使われている所も憎い。
なお、この手法は後にオペレーション・オービタルハンマー(OOH)にも使われている。
他に、隠し機体がなかなかクセモノだ。
抜群の破壊力を持つ、ツインブラスターを装備しているが、シールドが2つしかないベータ・ブラスターユニットタイプ。
被弾しても、時間と共にシールドが自動回復するガンマ・シールドリペアユニットタイプ。
移動速度をボタンでいつでも加速する事が出来る、イプシロン・ブースターユニットタイプ。
どれも特殊武器アイテムが取得出来ず、ノーマルショットのみでしか戦えないのも特徴だ。
腕に自信のあるプレイヤーは、これらの機体でスペシャルモードに挑戦するのもアリだろう。
筆者が思うに、イプシロン・ブースターユニットでスペシャルモードをクリアするのが、最高難易度を誇るのではないだろうか。
ただでさえノーマルショットの威力が弱く、シールドも少ないのだ。
唯一の武器は異常な速度のみと言う辺りが、実に漢らしい(と思う)。
今となってはプレイするのが難しいこのゲームだが、もし幸運にも遊ぶ機会に恵まれたのならば、是非ともプレイをお勧めする。
何故なら、後に続くBlueSabersのルーツは、ここにあるのだから。