失敗山日記 T−1 |
初めてのビバーク、熊 in 奥多摩 天祖山(99年11月6日) |
―― 山で非論理的になるのは私だけ? (ブドウ糖の不足?) |
by 山へ行っちゃあいけない男(登山不適格者?) |
その5 |
どのくらい経ったのでしょう。目が覚めました。睡眠剤を飲んですぐに寝入っていたようです。 6時過ぎに少し明るくなりましたが、路を探すのに充分な明るさが来るまで、荷造りをしながら はやる気持ちを抑えます。昨日の声の主(人間のほう)はまだ現れません。昨日の光の方向に声をかけますが、反応はありません。今私が探すよりも、里に出て人に知らせるほうが良さそうです。 7時、リュックを背負って歩き出しました。少々抱いていた不安とは裏腹に、10歩も進まぬうちに、木に付いた目印のテープが目につきました。結構間違えやすい所なのでしょう、テープは何本もあり、尾根から右への降り口を示しています。 下ること30分で林道に出ました。さらに林道を4、50分。バス停の自動販売機で缶ジュースを2本飲み干し、やっと人心地(ひとごこち)つきました。 駅前の山岳遭難を扱う交番に行き、昨夜の光のことを話しました。地図上で私のビバーク場所を示したところ、谷を挟んで向かい側は一般者通行禁止の林道があり、林道工事の仮説事務所のような所もその辺りにあるとのこと。 |
*連載の読み物のように、1日1ページずつ読んでいただくのが私の希望です。 |