わたしも街道をゆく/1991年/東北へ
わたしも街道をゆく 1991年 東北へ


1991年8月7日 脇野沢から八戸へ 本日の走行距離222Km

むつ市土産は青タン

 風も強いし怪しい雲行きだけど、カッパは着ないで出発できた。でも寒い。毎日毎日思ってたけど、今日こそトレーナーを買うぞ。

 昨日メを付けておいた景色、たとえば暗い林とその前に咲く黄色い鮮やかな花のコントラスト、そんなものを写しながら走っているからちっとも前進しない。でもまたそれが楽しいソロツーリングなのである。陸奥湾沿いのR338には小さなお社が多い。漁の厳しさを物語っているのだろうか。

 再びむつ市を通過、やっとトレーナーを買った。しかしただそれだけのことで怪我をするばかな私。やっと見つけた衣料店で買おうと思ったが、その店の前の歩道は狭かった。反対側のディスカウント屋の駐車場に停めちゃおうかなとも思ったが買物もしないのに悪いので、その駐車場の前の歩道にバイクを停めようと乗り上げた時、右のステップと歩道の植え込みの高くなっている所の間に、ぶらっと下ろしてた右足を思いっきり挟んでしまった。ううっ痛い! 思わずバイクごと倒れそうになるが、こんな所でコケるもんか、ぐっと耐える。
 折れたかと思うほど痛かったが、大丈夫大丈夫だよねと自分を励まし、痛みを乗り切る。あとで見たら右のふくらはぎにでっかい青タンとかさぶたが出来ていた。こんなに苦労したのにその衣料店は開店前で結局ディスカウント屋に行ったのである、こんなことなら最初からこっちの駐車場に入っていればこんなことにはならなかったのに。ほんとにばかみたいである。

さいはて尻屋崎

 さて気を取り直して痛みこらえてトレーナー着込んで、大好きな尻屋崎へ。
 放牧場の入口を入ると、道がダートに変わる。ダートを走ることに不安もあるけど、前と変わってないことが嬉しい。ほらほら牛さんも馬さんもいる。
 ダートは海岸ぎりぎりを岬に向かって延びている。やっぱりかっこいいよなあ、さいはてだよなあ。だから下北半島って好きなんだ。あんまり中央指向にならないでこのままでいてほしい。強い風に吹かれながら海の向こうに目を転じると、あれは北海道だろうか。
 また来ることがあるといいなと思いながら、尻屋崎を後にする。

 尻屋から隣の集落、岩屋へ向かう途中でお社を見つけた。瀧之不動明王と名前もちゃんとあって、赤い鳥居の向こうには素木の鳥居も祠もあるのに周りをすっかり背よりも高い草に覆われている。お参りしようにも道がない。誰もお参りしないのだろうか、ちょっとかわいそうになってしまう。
 岩屋のバス停から階段を登っていくと町と海が見渡せる神社があった。まさしく最果ての風景って感じである。

 内陸に入ると広い草原がまるで北海道みたい…なんて言っているところに、きたきた、雨だ。むつ市からR338を南下、下北半島に2回来て2回ともカッパを着ている。天気さえよければ広々としてて気持ちいいに違いないのに、この雨では単調さばかりが感じられる。
 やっと海が見えてきた東通村の白糠あたりは、これが国道? と言いたくなるような人家の間を縫って走る細い道。港にはイカ釣漁船がたくさん。こぢんまりした大漁旗がなびいている。

 カッパを着たまま八戸に到着。意外に都会でびっくりする。カッパ姿が恥ずかしい
 今回のツーリングではホテルに泊まったからといって外食なんてしない。コンビニなどで買い込んだ食料を、部屋で食べるのである。安上がりでしょ、ちょっと悲しいけどさ