わたしも街道をゆく/1990年/北海道へ
わたしも街道をゆく 1990年 北海道へ

1990年8月6日 洞爺湖から羽幌へ 
 目が覚めたら洞爺湖は霧に包まれている。

 近くから見たかったのに昭和新山がなくなった。霧でなんにも見えないのだ。ふもとまで行っても見えない。ちぇっ、昨日行っとけばよかった。

 R230から、細川たかしで有名なんだっけ、真狩村を抜けR5へ。きれいな円錐形の羊蹄山を見ながら走る予定だったのに、この霧は何? 羊蹄山どころじゃない。前が見えないのだ。この道が真っすぐなのか先にコーナーがあるのかもわからない。道の両側はどうやら畑が広がっている様子。シールドに霧がこびりついてほとんど視界がゼロ。ジャケットが濡れる。
 倶知安あたりで霧は晴れたけど、雲で羊蹄山は見えない。

 R5を北上。噂には聞いてたけど、真っすぐな道、信号ない、これじゃあ片側一車線、中央分離帯なしの高速道路だ。法定速度って何キロだっけ。80〜90kmで走ってたって、すごい勢いでブチ抜かれる。路肩でのほほんと写真を撮ったりしてたって容赦はない。トラックの風圧で立ちゴケしそう。
 市街地では道の両側に果物の店が並んでいる。おいしそうだなあ。気が付くと路肩にバイクを停めて店先にいる私。さくらんぼ、下さい! タンクバッグの中に隙間を作り、さくらんぼを入れる。

 余市を過ぎて小樽へ。

 小樽といえばまずは運河でしょう。埠頭にバイクを停めてきれいに整備された遊歩道を歩く。煉瓦作りの倉庫が川面に映り、鳥が低く飛んでいる。ふむふむ。

 もう一つ小樽といえば、北一硝子店。肩から掛けたタンクバッグがぶつからないように気にしながら店内を回る。ああ、きれいだなあ。どれもこれも全部欲しくなっちゃう。ゆっくり時間をかけてみんなや自分のお土産を選んだ。
 そしてもう一つ、小樽でしなくちゃいけないこと、洗濯しなきゃ。国道沿いに見つけたコインランドリーでお洗濯。待ってる時間にさっき買ったさくらんぼをつまむ。洗濯が終わる頃には、パック一杯のさくらんぼが全部なくなってしまった。今日のお昼ご飯だ。

 石狩川を越えるとR231は日本海に沿って北上している。いつもの私のペースでのんびり景色を見ながら走りたい、心ではそう思っているのに、なぜかアクセルが開いてしまう。遠くに見える断崖や、一歩踏み入ればキタキツネがお散歩してそうな丘の連なりの中を走り抜けていくのが気持ちいいんだ。VTZだってたまには早く走りたいよね。
 でもスピード出すならそれなりに、荷物はしっかり付けなくちゃいかん。ふと見たバックミラーの中を、三脚とカッパと、洗ったばかりの洗濯物の入った袋が飛んでいった。袋はすり切れちゃったけど洗濯物、散乱しなくてよかったあ。嫁入り前の娘がこんな所でパンツとかそういったものをぶちまけてるようじゃ貰い手がなくなる。

 その夜一諸の宿だった男の子が、2日にわたって私らしいのが走ってる所を見たそうな。その度に、荷物が落ちそうだ、って思ったらしい。誰か私にきれいな荷付けの方法を教えて下さい。

 羽幌の民宿で、去年の5月のツーリングで和歌山に行ったときに知り合った、愛知県のKさんと待ち合わせ。1年3ケ月ぶりのご対面。食事しながら話が弾む。次の日はコースが違うのでまた3日後に、今度は釧路で炉端焼きね、と約束をする。朱鞠内湖でキャンプという話も出たが、数日前に亡くなった方がいると聞き、びびってやめる。
 しあさって、楽しみにしてますね。


前の日に戻る

次の日に進む

「わたしも街道をゆく」top pageに戻る