五稜郭を歩く。星の形の、日本で初めての洋式城郭は戊辰戦争最後の戦場となったところだ。回りを囲む濠に浮かんだ水草は、なぜだか五稜郭と同じ星の形をしている。榎本武揚は本当に北海道共和国を創ろうとしていたんだろうか。
その榎本と土方歳三の蝋人形が五稜郭タワーに置かれていた。なんだかちょっと気持ち悪い人形だ。宝塚の化粧に似ている(ヅカファンのみなさんすいません(^^;)。
展望台から函館の町並みを眺める。これから走る北海道の大地が広がっていた。
函館市を後に、R228を走る。左手には海が広がる。
ここのクッキーが大好きだから、トラピスト修道院へ。国道から右折して線路を越えて走っていくと真っすぐな並木道の向うに教会、周りを見れば草原に林。いつものツーリングの口癖が出てしまう、「うわあ、まるで北海道みたい」。道を横切る蛇さんにまで暖かい目を向けてしまうのは、このでっかい大地にいるせいかしら。そんな景色の中を修道士の人たちが歩いていた。私達みたいな俗世間にどっぷり浸ったニンゲン達は彼らの目にはどう映っているんだろう。
国道に戻り海岸線を走る。昆布を干す光景が続く。北海道だねえ。
白神岬は、北海道最南端の地。こんなとこあんなり誰も気に止めないんだろうけど、私にはとても大事な場所。バイクと一諸の初めての夏、前が何も見えない霧の中を走った津軽半島、竜泊ライン。竜飛岬に着く頃には日が射して、津軽海峡の向こう側に、ここ、白神岬が見えた。いつか向こう側に行くんだって思ってから、3年もかかっちゃった。遠かったな。
その北海道を今走ってる、それだけでもう、幸せ。
日本海沿いを北上、江差へ。かつてはニシン漁で賑わっていたという。ニシンたちはどこに行ってしまったんだろうか。今、江差の港にはニシンの代わりに開陽丸がいる。幕末この沖で沈没した軍艦開陽丸のレプリカの中には、当時の船員たちが使っていたものなどが展示されている。海水まみれになっていたものをこうして展示できるまでにするのも大変なことだったようだ。ここにいる蝋人形たちは、まるで生きているようで怖い。じっと見ていると動きだしそう。
R227、229、277と国道を継いで内浦湾、八雲町で昼食。海の幸が乗ったラーメンを食べた。
洞爺湖畔に着いたのは夕日が沈みかける頃。少うし霞みがかった湖の上、金色の光の中をジェットスキーが走っている。夕日の中、気持ちいいだろうな。奇妙な昭和新山の姿も見える。あんなものが突然地面からわいてくるなんて、びっくりするよね。明日行ってみようっと。
夜は湖畔の花火大会を宿から見る。夏は毎日やっているんだという。短いものね、夏。同室の女の子たち(バイクできている)が、お互いの事故の自慢をしあってた。北海道の2日目の夜は、ちょっとムカムカしながら更けてゆく。キライなんだよ、事故自慢。