わたしも街道をゆく/1989年/中国地方へ
わたしも街道をゆく 1989年 中国地方へ


1989年8月13日 萩から松江へ 本日の走行距離332Km

琴姫とカラオケ大会

 R191からR9、日本海沿いを走ったり海から離れたりしながら、東へ。

 朝ご飯にパンを買った店の中には、カープの選手の写真がいっぱい。このあたりでもやっぱ地元なのかなあ、カープファンなんだ。

 あまり天気がよくない。降らないといいけど。
 鳴き砂の浜。歩くとキュッキュッと音がするという。琴姫伝説があるので、琴姫の碑もある。でも……浜辺には盆踊りのやぐら、そして「琴姫祭りカラオケ大会」という看板、ビーチバレーに興じる若者、あーあ砂浜は足跡だらけだし、ちっとも音なんてしない。せっかく国道から離れて分かりにくい道をたどってきたのに、つまんない。今度は人のいない頃に来よっと。 出雲大社でオジサンと出会う

 気をとり直して縁結びの神様、出雲大社。参道に入る手前でバイクを停めてたら、地元のオジサンがやってきた。いろいろお話をして一諸に写真を撮った。相変わらずツーリング先ではオジサンにはもてる私ではある(このオジサンとはしばらく年賀状をやりとりさせていただいていた。お元気なのかなあ…)。

 教科書に出てきた大社造り。落ち着いた木造の造りに、でっかいしめ縄。道をへだてた神楽殿のは本殿のよりもすっごいでっかくてびっくりしちゃう。ご利益、あるかな。
 昨日萩のユースで一諸だったらしい男の子と会う。今日も一諸の宿らしい。

 門前で割り子そばを食べて出発、日ノ御埼へ。ところが日ノ御埼道路に来てみたら、すさまじい突風がピューピュー吹いてる。真っ黒な雨雲も空を占領しつつある。どうしようか、風でコケるってこともありそうだ。
 でも日本一高い灯台、見たい。コケたら運が悪いと思えばいいや、ということで、横風に流されながら、ついでに雨まで降って来た中、日ノ御埼へ。傘をさして観光。スラッとしててなかなかスタイルがいい、ハンサムな灯台だ。
 雨はまだ降ってるけど空が明るいのでちょっと待つことにする。無料休憩所で、しばしボーッ。…ほら、やんだでしょ。

 宍道湖、中海のほとりを走る。天気が悪くてパッとしないので、ほとんど素通り。さすがに日本一地味な県、島根。気持ちまで地味になりそう。(島根のみなさんごめんなさい)

 島根半島の東端、美保関へ。灯台の裏(表かなあ)、海側に廻ると鳥居がある。その断崖絶壁の向こうは、日本海だ。鳥居にかかった額には「沖之御前、地之御前」と書いてある。沖に見える小島がご神体らしい。地之御前のほうは、足元の崖の下の方かしら。海に向って手を合わせることになる訳だ。でっかい気持ちになれていいね。

 松江市内に戻った頃には雨がまた降ってきた。地図を開きながら走っていたら、地元の男の子が助けてくれた。ありがとう。