わたしも街道をゆく/1988年/九州へ
わたしも街道をゆく 1988年 九州へ

1988年10月22日 福江島から中通島へ 本日の走行距離114Km

 今日もフェリーで島から島へ。とりあえず福江の町に戻る。石田城、という城跡が残っていて、城門の中には高校がある。城跡の高校なんてかっこいいねえ。近くには武家屋敷(といっても塀だけみたい)も。こんなに江戸から離れた所もちゃんと江戸時代だったんだね。
 福江港でお昼ご飯。パンかじりながら缶コーヒーを飲む。暖かいお日さま、いい天気、こーんな遠くにいる自分、なんだかとっても幸せだよ、かもめさん、と話しかける。
 フェリーを待ってると昨日のオジサンに会ってしまったが、私はちょうどバイクの人と話をしてたので、挨拶だけは一応した、ビール頂いた礼儀である。

 フェリーが向かうのは中通島、通称上五島。友人宅を訪ねる途中に坂本龍馬ゆかりの地に行くという、フェリーに乗る前におしゃべりをしていたNさんと走ることになった。

 入り組んだ海岸線、小さい教会がかわいいなあ。

 島の東端にある頭ケ島天主堂は島民たちが長い年月かけて石を運んで造ったという、重厚な石造りの教会だ。シブイ。手前の民家の庭にはイカが干してある。教会がなんでもない風景に溶け込んでいる。
 龍馬さんゆかりの地。紀州藩から借りた船がこの沖合で沈んだという。熱っぽく龍馬さんの話をするNさん、まるで見てきたような話ぶり。でもきっとこれが龍馬さんの魅力なんだよねえ、さすが、と感心する。
 Nさんが友人宅への手土産を買うのをAコープの前で待ってたら、私のためにキウイを買ってくれた。疲れが取れるから後で食べな、と手渡してくれた時、もうちょっとで涙がこぼれそうだったんだよ。その気持ちが本当に嬉しかったです。

 一人に戻り、島の北へ向かう。さっそく道に迷いながらもいくつかの教会を眺めつつ、走る。
 夕方、東シナ海の雲が、赤く染まる。国民宿舎の近くの曽根天主堂では夕方のミサの時間なのか、人が集まってくる。私が道を尋ねたオジサンだって、手にはしっかりと聖書を持っている。
 うーん、そうか。教会って私たち観光客にとってはいわゆる観光地だけど、ここに住む人たちにとってはここは日常生活の中に普通に存在する祈りの場なんだ。キリスト教、なんて言うとなんだかちょっとかっこいいみたいな(?)イメージってあるけど、信仰する人たちには普通の、あたりまえのことなんだろうなあ。そんなことをちょっと考えてみた夕方だった。


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