わたしも街道をゆく/1988年/九州へ
わたしも街道をゆく 1988年 九州へ

1988年10月14日 日南から佐多岬へ 本日の走行距離279Km

 日南海岸、晴れ。
 フェニックスに囲まれて、まるで日本じゃないみたい。海が光って、鬼の洗濯岩も眼下に見えるし、おまけにこのポカポカ陽気。言うことなし。

 鵜戸神社へ寄り道。参道は海岸線、気持ちいい。でも運悪く観光バスさんと一諸になってしまった。オバサンばっかだあ(人のことはいえないのでは…)。
 運玉っていうのがある。神社のすぐ横が海なんだけど、そこの岩(亀みたいな形をしている)の窪みに、5個で100円の運玉を女性は右手、男性は左手で投げ入れて、入ると願い事が叶うの。楽勝だと思ったのに、なんと1個も入らず。ちぇっ。

 国道に戻り、日南市から飫肥市へ。九州の小京都だと言うので見に来たけど、うーん…たしかに昔風の建物が並んでるけど、なんだか取って付けたみたい。お城も見ずに海岸線へ戻った。
 国道を離れる。コーナーが続くけど、海がとにかくきれい。お猿さんで有名な幸島なども見え、楽しくって嬉しくって、何度も何度も停まってしまう。

 やって来たのは都井岬。遠くの丘の上にいるの、あれってもしかして馬?ワクワクして駒止の門を通過する。
 都井の野性馬は普通の馬よりスリムで小さい。それが道をうろうろしているんだからもうびっくり。林の中にもほらいるいる。馬もいるけど、猿もいる。道に出てきて毛繕いしてるヤツもいる。近付いてもなかなか逃げない。
 灯台の前で、遠く大隅半島を眺めながらのアメリカンドッグがお昼ご飯。今日はあの先っぽまで走る予定でいる。そろそろ行こうかな。

 R220、448を走る。青い海青い空、あったりまえの光景なのかもしれないけどとにかくもう大感激。ねえねえなんでこんなにきれいなの、ヘルメットの中から見渡す景色に問いかけてしまう。
 数字が大きい国道の割にはきれいな道、さすが本州最南端へと続く道だね、と思いきやそれも内之浦の東大宇宙空間観測所まで。そこを過ぎると、舗装が荒れてくるわ工事中でダートだわ嫌になってしまう。でもまた来る事があったとしたらきっときれいな道になっちゃってるんだろうなあ。広くてトンネルがあって真っすぐな走りやすい道。嬉しいけどちょっと淋しいかもしれないな。
 そろそろ大隅半島横断を終え、海沿いのR269に出るあたり…あ、薩摩富士だ!つまり開聞岳。なんてかっこいいんだろう。きれいな円錐形だ。と思ってるうちに今度は桜島だあ!鹿児島湾の向うで、煙上げてる。この辺に住んでいる人が羨ましい。こんなかっこいい山が、それも海の向うに見えるなんて、いいなあー。
 地図ではあと一息の佐多岬。なのに走ってみると、けっこう遠い。ちょうど前から射してくるまぶしいお日さまをかわしつつ走る。海の彼方に見える島は、種子島?屋久島?夢みたいに水平線に浮かんでる。

 やっと着いた佐多岬ロードパークの料金所。こりゃ佐多岬の向うに沈む夕日が見られそうだゾ、とウキウキしてたのに……は?今日はもう終わりってどういう事。岬に終りなんてあり?
 しょうがないや、とりあえず今日泊まる国民宿舎の場所を聞いた。横の細い道を教えてもらい、国民宿舎の前を通り越してどんどん行くと、ラッキー、ロードパークに出たもんね。でも走ってたらまた料金所。ダメダメ、とオバサンに言われるも、ちょっとだけですからお願いします、と灯台の駐車場まで強引に来た。でも係員のオジサン達にもう帰ってくれないと閉められない、と言われて引き返す。他にもバイクが何台かいたけどやっぱり帰ってゆく。
 灯台が見える所で写真を撮っていると、さっきのオジサン達が車で走ってきて、閉めちゃうよー、だって。仕方がないかあ、あきらめて明日出なおそうっと。
 そして初めて泊まる国民宿舎。夕食の時、「お飲み物どうしますか」との問いに、つい「ビールください」…大ビン一本(小ビンがなかったのだ)は、豪勢なおかずと共に平らげてしまう。そうそう高千穂のヤラセカメラマン氏もいた。

 …ここは本土最南端、そしてバイクだけで来られる日本の一番南。波の音がする。(カラオケの音もね。)
 なんか、すごいや。


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