そういえば九州では朝ご飯に納豆って出ない、やはり西では嫌われているのかなあ、そんなことを思いながら朝ご飯食。
気をつけてな、と見送られ、いざ、高千穂峡へ……と思う間もなく、前の車がちょっとかけたブレーキにこっちも思わず急ブレーキ、それもカーブで砂利が落ちてるその上。コケない訳がないのである。私の場合
…起き上がるのは早かった。でも足が痛いっ、VTZの周りをぴょんぴょん飛び跳ねてるところへ、一部始終を見てたらしいNTT職員氏が現われ、助けてくれる。近くのバイク屋さんに連絡をして、来てもらった。ホンダのお店ののスズキ氏に、切れなくなったクラッチレバー、ちょっと曲がったハンドルとミラーを直してもらう。あとは大丈夫かな、と見るとあららステップ割れてる。ここでは直せないと、VTZを軽トラに乗せ、お店まで運ぶ。店頭の新型VTZのステップをわざわざ外して付けてもらった。本当にありがとうございます!
では記念に写真を1枚、とカメラを出した。…ありゃ、シャッターがおりない。コケた衝撃で壊れてしまったらしい。ショック。バイクが壊れたよりももっとショックを受けてしまった、この先どうしたらいいの〜。
呆然としつつバイク屋さんを出発。カメラ屋があったから聞いてみたけど、「わかんないねえ」…はあ、ため息出ちゃう。
ふたたび事故(!)現場を通過し、高千穂峡へのヘアピンカーブを慎重にクリア。とりあえず写るんデスHiを買い、観光。
高い岩に両側を挟まれた渓谷はなかなか。ただなんとなく気分的に落ち着いて観光できなくて残念だったなあ。あちこち工事中でもあったし。今度は、工事中でもなくて、自分のカメラ持ってる時に来たい。ところで、立派なカメラで撮影中のオジサンは、そばのすすきを引っこ抜き、自分のアングルの都合のいいところに挿していた。ヤラセ、だ。
さて目指すは宮崎市、そこまで行けばカメラなんてあっという間に直るはず。きっと。
延岡からR10へ。なかなか快適。日向市の手前で隣り車線のトラックがホーンを鳴らした。ん、なんか悪いことしたかなあと見上げると、運転席でオニイサンが手を振っている。こっちの車線が流れ出し、トラックを抜く時手を振ったら振り返してくれる。そのうちトラックは左折。全然知らない人だけど、2人で手を振りあって別れた。その手が頑張れよって言ってた。なんだか嬉しくなっちゃった。
海が見えてきた。パン買って、海見ながら食べよう、と思ったのに走ってるうちに内陸に入ってしまい海がない。あのリニアモーターカー試験場に行ってみたけど、なぜか雰囲気がさみしくて、それにくさい(肥くさいっていうの?)のでここはパス。道沿いにあった都濃神社で、お池の白鳥見ながらお昼ご飯。
宮崎に来たらここを走らなくっちゃ、と何かの本に書いてあった、一ツ葉有料道路。フェニックスの並木から伸びる長い影、その上をVTZが一つづつ越えてゆく。左手には、エメラルドグリーンの海が広がっている。カメラの件もしばらく忘れてなんて幸せなのでしょう。
さて宮崎市内へ。とにかく駅前へ行けばきっと「なんとかカメラ」があって、あっという間に修理完了だ。…あれ、駅前、何だかずいぶん地味で県庁所在地の駅とは思えない。おまけにカメラ屋なんてない。なんで?
駅前のレンタカー屋で聞いたのは、寿デパートの中のカメラ屋。次に行ったのは商店街のカメラ屋。そこで紹介されたリコーの修理センター、ここで直らないはずはない。なのに……福岡に送りますから20日ぐらいはかかりますねえ、だって。
泣きたくなってきた、もうツーリングなんてやめて東京へ帰りたい。本当にそう思った。半ベソをかきながら市内を走り、宮崎カメラというお店へ。ずっと写るんデスを使うわけにもいかないもん、「一番安いカメラください!」もったいないけど買ってしまった。あーあ。(後日譚・何軒聞いても直らないと言われた壊れたカメラ、ゆうパックで東京に送り返したら、直ってしまった。そうか、二三度落とすと直ったのか)
そして青島、宿に荷物を置いて青島見学に出かける。国道から曲がると両側が土産物屋、いかにも観光地といった様子である。まったくもう、と思う反面なんだかほっとするのはどうしてかしら。絵はがきがこれまた昭和初期風、うれしくなっちゃう。
潮が引いていないから、鬼の洗濯岩は見えない。でも折しも夕焼け時、カメラを構える自分の影がフレームの中まで長ーく伸びている。青島神社を参拝、島を一周して戻る。
他の客(あ、ホステラーさん、て言うのか)との兼ね合いだそうで、10畳の部屋に移された、一人なのに……。広すぎる。淋しいしなんてったって怖いので、部屋中に荷物を広げた。
夕食はイギリス人のオニイサンと一諸。イングリッシュでコミュニケーションをはかってしまった。でもときどき何を言われてるのか判らなかったりして、悲しい。うーん勉強しなくては。
こけた傷がお風呂でしみる。