九州での初めての朝、最初の目的地は、平尾台。
R322を走っていたら、神社があった。東大野神社だって。わたしも「大野」だ、ご利益あるかなあ。まあとりあえず無事故無違反祈願をしておいた。
セブンイレブンで朝食にパンと缶コーヒーを仕入れる。でも、この今日の朝食は悲惨な運命に遭遇しまったのだった…。荷物の上に袋をちょこっと簡単に止めて少し走ったら、ドン!となにか落ちた音。バックミラーを見たら、ちょうど私のパンとコーヒーが、後続車に轢かれている衝撃の瞬間。ああ〜。辛うじてコーヒーは助かったけど、パンは袋から出ちゃったよ〜。とほほ。
平尾台へ向かう県道は、急カーブの連続。コーナー毎に書いてある数字を追いながらよいしょよいしょと登って行く。
ん、どこにカルスト台地があるって?見回すと、見えないくらいの山のてっぺんに、石灰岩の台地があった。でも、これ以上バイクでは行けないんでしょ。面白くないなあ。四国カルストの方が全然すごいっす。
駐車場でさっき落としたコーヒーを飲んで朝食を済ませ(パン食べたかった…)、またコーナーを数えながら国道に戻った。
R322、R201は、明るい農村。稲穂が金色に輝いて、のどかだなあ。でもR10に出たとたん渋滞。でも、けっこう路肩が広いのに、地元ナンバーのバイクは、車と一諸にじっと渋滞している。VTZは失礼して路肩走行で、先へ行く。
豊前では線路の向こうに周防灘が見えた。う〜ん、きれいだあ。やっぱ海はいいねえ。そして中津からは内陸に入り、耶馬渓、青の洞門へ。耶馬渓はもう少し紅葉してたらもっときれいだっただろうな。
青の洞門は、江戸時代にお坊さんが、住民が道がなくて困っているのを見て30年もかけて掘ったそうな。機械もない時代にものすごい精神力。岩肌のノミの跡が生々しい。
さすがに観光客も多い。秋川市から来たというオバサマとお話する。私が東京から来たことにやたらと感動してらしたけど、ここを掘った和尚さまの足元にも及ばない、って当たり前か。ああ私も後世に残るものの一つも欲しいものです。
渓谷沿いに走り、国道に出たら道が悪い。田舎によくあるくねくね道が続いている。疲れます。
そろそろガソリンを入れようと思ったらどこもやっていない。……今日って日曜日?違うよねえ。やっと見つけたのは九州石油。東京で見かける九石はなんだかボロくてガソリン入れる気にならないけど(当時(^^;)、さすが地元、大きいし色使いも派手。気前がいいのも気に入ったねえ、50円もおまけしてくれた。
R10から宇佐神宮へ。門前にVTZを停めて、参拝前に腹ごしらえしましょ、ってんで遅い昼食をとるため、参道に並ぶお土産屋さんの一つに入って肉うどんを食べる。他にお客がいなくて落ち着かないなあ、早く食べて行こう、とヘルメットを持って行きかけた時、お店のオバサマ達が声を掛けてくださった。
どこから来たの仕事は歳は、となんだか矢継ぎ早の質問にあう。ああだこうだとお話をしてから、目的の宇佐神宮へ向かう。
宇佐神宮は、朱塗りの建物が華麗。道鏡のご神託で有名なところ。
帰りがけ、冷たい物でも飲もうかなあと、さっきのお土産屋さんに寄ってみる。ジュースご馳走になっちゃった、ありがとうございます。んで飲みながらいろいろおしゃべりをしていると、ひとりのオバサマが名前を教えなさいという。オバサマは姓名判断をしてくれた。なんだか霊感占いみたいなやつだ。うーんと何か考えている(御神託を受けているというべき?以前伊勢神宮に参拝に行く時に電車で寝ていて、伊勢が近付いてきたら天照大神さんが迎えに来てくれた気がしたそうな…)。だけど結果はちょっとがっくり。ツーリング中だというのに、一生に2回は死にそうな事故に遭う、だって!むごい……。でもオバサマ、ちょっと画数違ってたみたいな気がするよ。だけどご先祖を大事にしなさい、というアドバイスは謙虚に受けけ、事故にも気をつける事にしよう、うん。
R213、周防灘に沈みかけてる夕日を見ながら国東半島に入る。
あ、VTZのメーターがもうすぐめでたく1万キロだ、メーターを気にしながら走る。あとちょっとなのにすぐそこがトンネル、ああんどうしよう、もし中でなっちゃったら。と思ってるうちトンネルへ。そしてVTZのメーターは、1万キロを指してしまった。ああ。
トンネルの中で止まってるのがこんなに恐いとは思わなかった(止まるなよ)。たまに走り去って行く車の排気音が、トンネル中に響いて襲いかかってくるみたい。早く早くメーターの写真を撮ってここから出なくちゃ。……そんなにしてまで一所懸命写したのに現像したらフラッシュが反射してメーターなんて写ってない、あ〜あばかみたい。
まあなんにしてもVTZ、買ってすぐの四国ツーリングから始まって半年、よく頑張ってるよね(^^) 今後もよろしくね!
風の強い国見の港は空の端をぼんやり茜色に染める夕焼けの下。釣りをしている人たちもいる。しばらくボーッとしてから今日のお宿へ。久々のユースはどうも疲れる。