絵物語を求めて 1950年代の児童文学の挿し絵2
アントーノフ「緑の谷」と同じ創元社・世界少年少女文学全集第41巻ロシア篇にノーソフの
「ヨールカ」が載っています。
クリスマスツリー(ロシアではヨールカ)をともだちミーシカと取りにいったが、ミーシカは足をいためたので、
ツリーをソリ代わりにして引っ張ってかえるおはなし。ノーソフの作品はユーモアにあふれており、いつの時代
にもよめます。挿し絵は陰影が少なく、「緑の谷」のそれよりもマンガにちかい。作品によく合っています。
この挿し絵の作者も記載されておりません。
同じ作者の「ヴィーチャと学校友だち」が岩波少年文庫にあります。「緑の谷」や「ヨールカ」同様、ペン画に
よる、リアルな挿し絵がついています。挿し絵はゲ・ボージン。
非常にまじめな描線の絵ですが、ときどきマンガチックな描写があります。
童心社の「ぼくのともだちミーシカ」の挿し絵は、創元社の「ヨールカ」と同じ画家が書いたのではないかと
思うほどタッチがよく似ています。(「ヨールカ」は「ぼくのともだちミーシカ」の1章。)