絵物語を求めて カレル・チャペック
カレル・チャペックの「イギリス便り」を読んでいるうちに著者自らがかいたイギリスのスケッチ
が素晴らしいものであるという気がしてきました。
ホームページを作っていて、気をつけなければならないことは、自分のWebサイトをとめどなく大きくしていきたいと
いう誘惑にかられて、次々に頁をふやしてゆくことです。(大伽藍を構築したいという誘惑に勝てない。空き瓶を
セメントで固めて何年もかかってけったいな家を建てたおじさんに親近感を覚えたりする。)
わたしはすでにその危険な罠におちこんでいるようです!とりあえず「イギリス便り」のページもつくることにします。
チャペックの絵はたのしく、肩がこらないのですが、上手なものかどうかは、わかりにくい。本当にうまいのか、
「へたうま」なのか、わかりにくい。上にかかげた絵は比較的わかりやすい絵です。馬をみる限り、チャペックの腕は
なかなかのものであると言えます。
ケンブリッジで学生達が大学のキャンパスにごろごろ寝転んでのんびりしているというか、青春を謳歌しているというか、
昼寝をしている様子をスケッチしたのもありましたが、これもなかなかよろしかったです。
ペンで絵をかくと、書き直しが効きませんから、ある程度の緊張感を持って描くのがいいのだと思います。チャペックの
絵は線を何本も書き重ねるということをせず、一本の線で物の輪郭を書いているのが、山川惣治の書き方に似ている
ように思います。
「山椒魚戦争」に作者自身が描いたと思われる山椒魚の骨格のスケッチが1枚だけあります。その調子で、作者自身が
もっと多くの挿し絵を「山椒魚戦争」の中に描いてくれていたら、よかったのですが。