絵物語を求めて2 恐竜探検
ゲームブック「恐竜探検」の挿し絵(部分)。ウイリアム・スタウトによる。
最近の復原図による恐竜の姿勢は、山川惣治の絵物語に出てくるものとはかなりちがいます。山川惣治の恐竜は、
大英博物館のチャールズ・ナイトの復原図のような古典的な姿勢をしています。映画「キング・コング」にでてくる
恐竜もチャールズ・ナイトの復原による姿勢をしています。たとえばティラノサウルスはしっぽをひきずって仁王立ち
しています。しかし最近の復原図では胴体は水平で尾は胴体とつり合いをとるため、ぴんとのばされています。
シーソーに足がついて歩いているような感じです。
顔つきも骨に皮を張りつけただけといったようなゴツゴツしたものになってきました。ティラノサウルスも目の上の
突起がつののように描かれるのが多くなってきました。胴体も左右が薄くなり、前からみるとあまりどっしりして
いません。
スティーブン・スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」は、新しい解釈の恐竜が登場しますが、従来の
恐竜のイメージも生かしているようです。
もし、恐竜の登場する絵物語が書かれるなら、恐竜の姿勢はウイリアム・スタウトの描いたようなものでなければ
なりません。