山川惣治と絵物語の世界page1507  

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15.山川惣治の絵の魅力7 メカ

絵物語のもうひとりの雄、小松崎茂が、航空機や戦艦や戦車を書かせると右に出るものがないくらい だったので、山川惣治が描く機械や兵器はあまり問題にされません。しかし、山川もけっこうメカをかいているのです。 密林ものに、ちらっと近代兵器が登場するとその効果は抜群です。

上の絵は「少年王者」の怪人アメンホテップの乗る万能装甲自動車ライトニング・ジープ(子供に分かりやすい命名) の内部です。たいへん細かく書き込んであります。「少年ケニヤ」の最後に爆破寸前に急ブレーキをかける蒸気機関車 の内部がこれと同等の細かさで書き込まれていました。

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「少年ケニヤ」では正真正銘のジープが登場します。ワタルとゼガは保安官に追跡されないよう、ジープを川に落とし こんでから逃げ出します。ジープの前輪がちゃんと川の方向へ切られています。

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同じく「少年ケニヤ」。ナチの秘密工場の内部。黒鉛炉でしょうか。旧式の原子炉の絵と思います。ちゃんと調べて かいているのではないでしょうか。

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また「少年ケニヤ」。マウマウ団の本拠を爆撃するケニヤ政庁の爆撃機。この一こまで見えるだけ。あとはおそろしい 爆撃から逃げるのがやっとで、飛行機をみるひまなどなくなります。

山川惣治はこれらのメカを密林物語にちらっとと出す手際が抜群でした。万能装甲車ライトニング・ジープは大きな 敵を三度倒します。そのやっつけ方は、相手によって、全部違うのです。同じ手は二度と使わない。その語り口が上手 なので、ちらっと登場するメカがたいへん印象に残ります。


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