15.山川惣治の絵の魅力5
山川惣治の絵では、しばしば人物の顔が逆光線でとらえられています。
上の絵はいずれも「少年王者・ザンバロ篇」からの引用。
人物を逆光でとらえると、なぞのような雰囲気を人物に与えます。また内省的な性格を人物に付与します。「少年
ケニヤ」で、アメリカ人旅行家からゼガやワタルを見た時の不思議な印象が、逆光線で、表情の見えなくなった
ゼガやワタルの顔を描写することにより、表現されていました。
西部劇映画「荒野の決闘」の中で、アープとドク・ホリデイは酒場の中でも帽子をかぶっており、とくにドク・ホリデイ
の額の右半分は帽子の影になって、なぞのような雰囲気をだしていました。
絵物語が洗練され、人物の内面的描写にせまろうとしていた証拠と思います。