作品論13 うみのサブー
「幼年クラブ」に連載された「うみのサブー」。例によって一部しか読んでいませんが。
ウミガメ、大だこ、しゃこ貝、いとまきえい、さめなど、海の動物がいっぱいでてきます。
それで足りず、サーベルタイガー、ゴリラなど陸上の動物も出てくるようです。地中で暮らしている、変な種族も
でてきます。
上の絵は、サブーと酋長の娘メリナですが、メリナの肩から腕への線がすばらしいと思いませんか。幼年向きの
まんがや読み物は、男の子と女の子を並べて書いても嫌味がないので、かえって、大胆な描写ができます。
どうも全編をつうじてのいちばんの悪人は、船首に目玉を書いた怪船の船長(スキンヘッドの人物)らしいのですが、
この人物が、最初から登場せず、とちゅうから現れるのは、山川作品の特徴と思います。
連載の最初のほうでは、あまり線が書き込まれていません。そらや、うみの描写は図案のように簡略化されています。
山川惣治の、海の描写、空の描写を楽しむことができます。