作品論2-2 少年エース2
角川文庫「少年エース」では、アラスカ・インディアンや、イヌイット(エスキモー)のエピソードを
大分省略しています。文庫本の売れ行きがもう一つだったので、「少年エース」は3巻までとすることになり、作者はもっとも
古びていないストーリーの部分をつなぎあわせたらしいのです。
しかしイヌイットのエピソードなどは、作者はよく調べて書いており、省かなくともよかったように思います。いろんな動物
があらわれて、結局それらを殺してしまうことが多いのですが、のちの時代の目から見て、少し殺し過ぎのように思って
省いたのでしょうか。
あるいはイヌイットの話は長いので、1巻におさまらず、中途半端でおわってしまう。途中を飛ばして白人の少女を助ける
ところまで行こうとおもったのかもしれません。
「少年エース」にはよく人を助ける場面が出てきます。その部分はいつの時代でもふるびません。
私は図書館にあるサンケイ新聞を時々読んでいましたが、巨大なオケラが登場してきたのを憶えています。最後に怪物が底なし
沼に高々と尾を持ち上げて沈んでいく場面がありました。その後「少年エース」を読んでいません。結末はどうなったので
しょう。サンケイ新聞のマイクロフィルムでしか、「少年エース」の結末を読むことはできないのでしょう。いずれまた
読んでみたいものだと思います。