コンソールを使う
全くデフォルトのままではさすがにコンソールで生活するのは苦しい。 だがコンソールには 近頃の X 環境に比べると「恐ろしいまでに軽い」という絶大な利点がある ので、必要に応じて使えるよう仕込んでおくとよい。 kon と screen との併用を推奨する。
tty 数の調整
/etc/ttys ファイルでコンソールで開く仮想端末の数が決まっている。 この数ぶん、Alt-Fx キーで切替えることができる。 デフォルトでは ttyv0 〜 ttyv7 の 8 つが cons25 な端末として定義されており、 ファンクションキーで言うと Alt-F1 〜 F8 がそれぞれ対応している。
Alt-Fx でも切り替えができるが、PrintScreen でも切り替えができる。 ファンクションキーを使うと直接その番号の端末に行くが、 PrintScreen は順繰りに切り替えていってくれる。 どちらの使い方も有り得るので、両方とも覚えておいて損はない。
さて、 定義してある数ぶんだけ getty が動くことを、もったいないなぁと感じるなら、手動で削る。 削り方は… ファイルを見ればわかる。
スクロールバック
Scroll Lock キーを押して画面をロックすると Page Up / Page Down キーで スクロールバックして流れ去ったメッセージを見ることができる。 ロック解除には (もちろん) もう一度 Scroll Lock キーを押せばよい。
小フォント多行の利用
vidcontrol でコンソールの桁数・行数を増やす対応が可能 (どうせなら kon を使うほうが良い。 vidcontrol で文字を小さくする方法はお薦めしない)。 例は以下の通り。
準備 # kldload vesa % vidcontrol -f 8x8 /usr/share/syscons/fonts/iso-8x8.fnt 調査 % vidcontrol -i adapter % vidcontrol -i mode 実施 % vidcontrol -i mode 80x50 復帰 % vidcontrol -i mode 80x25
ノートPC などでは、対応していないモードがあるかもしれない。 途中で真っ暗になっても、恐れない。 死んではいないはずなので、ブラインドオペレーションで復帰できる。 上述例の最後の「復帰」の1行を網膜に焼き付けておくべし。
キーマップカスタマイズ
英語キーボードなら特に何も設定せずそのまま使える。 日本語キーボードの場合はインストール時に sysinstall から 設定するのが良いが、設定し忘れた場合には /etc/rc.conf に直接 keymap="jp.106" と書いて 後述のように kbdcontorl で読み込ませるか reboot してしまえば使える。
キー配列のカスタマイズをしたい場合には、 /usr/share/syscons/keymaps/ 以下にひな型がたくさんあるので 英語キーボードなら us.unix.kbd 、 日本語キーボードなら jp.106.kbd など、 ベースになるものを探して、修正を加える。 ファイル名から .kbd を除いたものを /etc/rc.conf に設定することになる。
最もありがちなカスタマイズは「capslock を殺して ctrl にする」だが、 これには キーコード 029 のところを探し出して clock を lctrl にすればよい。 他のキーも、同様に自分の好きなように書き換えることができる。
参考までに、ThinkPad X23 の英語キーボードで us.unix.kbd をベースに 修正を施した部分を例示する。
: 029 lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl O : 041 esc '~' esc esc esc esc debug esc O :
参考までに、ThinkPad X61s の英語キーボードで us.unix.kbd をベースに 修正を施した部分を例示する。
% diff us.unix.kbd us.thinkpad.kbd 20c20 < 014 del del bs bs del del bs bs O --- > 014 bs bs bs bs del del bs bs O 35c35 < 029 clock clock clock clock clock clock clock clock O --- > 029 lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl lctrl O 47c47 < 041 esc esc esc esc esc esc debug esc O --- > 041 esc '~' esc esc esc esc debug esc O 89c89 < 083 bs '.' '.' '.' '.' '.' boot boot N --- > 083 del '.' '.' '.' '.' '.' boot boot N
修正したキーマップファイルは、kbdcontrol で即座に反映することができる。
# kbdcontrol < /dev/console -l us.unix2
キーリピートとビープ
キーリピートとビープも kbdcontrol で設定できる。 デフォルト状態は /etc/rc.conf に書いておけば 起動時に /etc/rc.d/syscons がよきにはからってくれるが、 ビープは sysinstall では設定できないし、 臨時で変更したい場合に備えて覚えておいても損はない。
# kbdcontrol < /dev/console -r fast # kbdcontrol < /dev/console -b off
■キーリピートを速くするための rc.conf のエントリ keyrate="fast" ■ビープを鳴らさないための rc.conf のエントリ keybell="off"
rc.conf に書いた設定は /etc/rc.d/syscons によって処理される。 他のオプションについても、このスクリプト自体を見れば どのように処理されるかわかる。
スクリーンセーバ
/etc/rc.conf の saver で指定したスクリーンセーバが使える。 選択肢については sysinstall を見るのが速い。 テキスト以外のスクリーンセーバも vesa および見たい対象のモジュールを kldload して [SHIFT]+[Pause] すれば reboot せずに見ることができる。 (BIOS が使いものにならない場合は テキスト以外のスクリーンセーバは危険)。
テキストの fade_saver をプレビュー # vidcontrol show # kldload fade_saver # sync; sync; sync; [SHIFT]+[Pause] グラフィックの logo_saver をプレビュー # kldload vesa # kldload logo_saver # sync; sync; sync; [SHIFT]+[Pause]
スクリーンセーバの種類はいろいろあるが、 単に EnergyStar するものは「green」。
スクリーンセーバが動くまでの時間は、rc.conf に blanktime で指定する。 単位は秒。今だけ変えるには、vidcontrol -t s で秒数を指定する。
マウス
moused が動いていればマウスが使える。 PS/2 マウス、USB マウスともに moused 経由で使用できる。 X 上の端末エミュレータ同様、左ドラッグで選択して 中クリックでペーストする動作である。
コンソールで漢字を使いたい
デフォルトではコンソールに漢字を出せない。 これまでにも何度も言っているが、kon を使うのが簡単。 もしくは mgterm, jfbterm などを使う。