FT作家紹介


J.R.R.トールキン

John Ronald Reuel Tolkien
(1892-1973)

「指輪物語」の作者。南アフリカのブルームフォンテン生まれ。1895年にイギリスに移る。古英語および中世英語を専門とする言語学者で、リーズ大学での英語学教授職を経て、1925年以降オクスフォード大学で教鞭をとる傍ら、C.S.ルイスらと知り合い、文芸クラブ「インクリングス」を結成。1928年頃から自分の子供の為に物語を創作。後に編集者の目にとまり、1937年「ホビットの冒険」を発表・好評を博す。戦争後の1954・55年に続編の「指輪物語」を三部作として発表。これが1960年代にアメリカで刊行されるやいなや学生達の間で大ヒットとなり、ファンタジーの名作として、後の作家達に多大な影響を与えることになる。「モダンファンタジーの始祖」「ハイ・ファンタジー文学の父」とも呼ばれ、他にも多くのファンタジー作品を手がけた。伝承文学を愛し、言語学にのめり込むうちに、数多くの人工言語と架空文字のキアスとテングワールを創作する。とりわけ有名なのは「指輪物語」にも登場する二つのエルフ語、クウェンヤとシンダリン。

C.S.ルイス

Clive Staples Lewis
(1898-1963)

ナルニア国ものがたり」の作者。北アイルランドのベルファスト生まれ。幼い時に母を亡くしキリスト教信仰を受け入れられずに若年を過ごす。子ども時代には、兄と共に「ボクセン国」という架空の国の物語を作って楽しんでいる。15歳の時、父の恩師であるカークパトリック氏の家に住みこみ個人指導を受け、オクスフォード大学入試では奨学生試験に合格。戦争後の1925年には、26歳でオックスフォード大学のモーダリン学寮で英文学特別研究員になり、J.R.R.トールキンと知り合う。オクスフォードの文芸クラブ「インクリングス」ではトールキンの「ホビットの冒険」や「指輪物語」の朗読等も聴いている。親しい友人でもあり、かなりの影響を受けた様子。ただし、トールキンの方はナルニアについて批判的だったとする説も。ルイスは30歳過ぎに信仰心に目覚め回心し、以降、神学論文や神学的作品を次々と発表、宗教家として活動する。1950年から発表しだした「ナルニア国ものがたり」は信仰心に基づいた児童向けのファンタジー。同シリーズ最終巻「さいごの戦い」では1956年にカーネギー賞を受賞している。

アーシュラ・K・ル=グウィン

Ursula kroeber Le Guin
(1929-)
「ゲド戦記」の作者。カリフォルニア生まれ。父は世界的な文化人類学者、母もまた著名な作家。ラドクリフ女子大でフランスとイタリアの中世およびルネッサンス期文学を専攻し学士号を、コロンビア大学では修士号を取得した。さらに博士号取得のため1953年フルブライト奨学生としてパリへ留学したが、そこで知り合った男性と結婚。博士号取得はあきらめるが、主婦業の傍ら創作活動を始めた。「ゲド戦記」の第一部「影との戦い」では1969年ボストングローブ・ホーンブック賞を受賞。「闇の左手」では1969年のネビュラ賞と1970年のヒューゴー賞をダブル受賞し、SF界にフェミニズムSFという新しい潮流をもたらした。その後の作品も多数の賞を受賞している。鋭い視点により豊かなテーマ性でSF・ファンタジーを描き、両ジャンルにおける第一人者として名高い。現在、オレゴン州ポートランド在住。ちなみに、栗本薫のグイン・サーガの主人公、グインの名はここから取ったとされている。

J・K・ローリング

Joanne Kathleen Rowling
(1965-)
「ハリー・ポッター」の作者。イギリスのブリストル近郊生まれ。小さい時から書くことが好きで、5歳の時最初の物語を書いた。エクスター大学に入学し、フランス語と古典を専攻。1990年母親が多発性硬化症のため45歳の若さで亡くなり、ローリングは英語の教師になるため単身ポルトガルへと渡る。ハリー・ポッターの構想を思いついたのは、ロンドンのキングス・クロス駅に向かう長距離列車の中のこと。ポルトガルではジャーナリストだった夫と出会い結婚したが、娘が誕生してまもなくの1994年には既に離婚。姉の住むスコットランドのエディンバラへと移る。幼い娘を抱え生活保護を受けながらカフェの片隅で魔法使いの学校を舞台とした物語「ハリー・ポッター」を執筆した。この時の彼女の失意と孤独感が、孤児であるハリーが両親を思う姿に現れているという。1997年に出版されたシリーズ第一作「ハリー・ポッターと賢者の石」は世界中で一億部の売上を記録する超ベストセラーとなり、スマーティズ賞を始め世界中で多数の賞を受賞。現在へと続くファンタジーブームを巻き起こした。2000年6月には英国女王よりO.B.E.勲章も授与。2001年からはシリーズの映画化も始まった。ちなみに一億部とは「聖書」と「毛沢東語録」の次に続く記録とのこと。※2004年5月時点でシリーズ全体の売り上げは世界200カ国で2億5600万部との報道あり。

BOOK紹介(指輪・ナルニア・ゲド)
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