2007年 さくらそうの生育状況

<<前のページ | 次のページ>>
2007年4月15日(日)
急な気温の上昇は困ります…

 昨日、今日と気温が高く、桜草の開花が進んでいます。しかし、あまり高温が続くと,開花期間が短くなり,せっかく一年育てて開花した桜草の鑑賞期間が短くなり、残念でもあります。せめて二週間ぐらい鑑賞できるように、開花したら気温が低くなってほしい、なんて勝手なことを思っていますが…
 左の写真は、実生苗です。殆どが一重です。残念…遅く咲くものに八重が咲く可能性がありますので、まだ希望は捨てないようにしましょう。
 右の写真は、成株種の開花状況、賑やかになってきました。このため、写真撮影をしましたが、私は、アレルギーなので、桜草をトレイから出すときは、手袋をしなければなりません。しかし、カメラの操作には手袋をしたくないので、そのまま触ったら、手が少しかゆくなってきました。ある人にお聞きしましたら、アレルギーになったら絶対に素手では触れてはならぬ、との忠告を頂いたのですが、昨年、素手で作業をして、思いっきりカブレた経験がありますので、気をつけねば、と思っています。

2007年4月16日(月)
勝手な希望が現実に、今日は涼しくなりました

 余り暑いと開花時期が短くなる、と勝手なことを考えていたら、本当に涼しくなりました。神様がどこかで聞いていたんですかね。
 実生苗が一重ばかり(八重の開花は現在4株のみ)と嘆いていましたが、考えてみれば、品種改良、特に遺伝を考えればそんなに簡単に八重は誕生しませんよね。
 加茂花菖蒲園の一江さんが書き表した文献を紐解くと、八重に一重を掛けたF1は、殆どが一重になるそうです。八重になる遺伝子は劣性遺伝と考えられるようで、F1の遺伝子には八重の形質が潜在している、とのこと。よって、この一重の実生株を「戻し交配」あるいは「F1同士の交配」をしてみる必要があります。
 やはり、計画性を持った交配に努めなければ、効率は悪いですね。幸い、静岡にお住まいの方からメールを頂き、交配のノウハウをご教授願っているので、大いに助かります。
 左の写真は、「牡丹雪」に似た白色八重咲です。桜草の純白花を作るのはかなり難しいようです。白といっても薄く他の色が混じるのが普通で、白といってもクリーム色っぽい白で、本当の輝く純白はなかなか難しいようです。
 右は、濃紅色の大輪八重です。花径の大きさは十分なので、花弁が増えると見事だと思います。

2007年4月17日(火)
夏から一気に冬の気温に逆戻り
 朝から降雨で気温が低い。桜草にとって、この気温は開花期間が延びるため大いに歓迎なのですが、雨はいけませんね。雨降りでは桜草の観察も傘のため見づらい、写真が撮りづらい、交配が出来ない、雨粒のため花が下を向く、など雨は本当に困ります。
 桜草は、次々に開花していますが、紹介するような新花はありません。
 左は、物置の屋根に置いた実生苗ですが、いづれも一重です。しかし、八重との交配株ですので、八重の血は入っていることから、これはと思う良い花は、交配に使いたいと思います。
 右は一昨年播種の花ですが、濃紅色の花です。写真で見るより濃厚な深紅色です。濃色花を作出するのに利用したいと思います。
2007年4月18日(水)
朝は曇っていましたが涼しいです。午後は、また雨…

 朝は曇り。涼しくて、葉桜の季節とは思えない気温です。そのため、早く開花した桜草は、まだ咲き誇っていますので、今週末の交配までは持ちそうです。
 しかし、後が続きません。まだ半分以上は未開花です。昨年に続き、今年も良い花は開花しそうにありません…
 左は、今春購入した「気まぐれ」です。色彩といい、薄く白の縁取りといい、綺麗な花です。でも、完全な八重ではなく、花も小ぶりなのが残念です。
 右は、一昨年播種した株が開花したものです。白カガリ弁八重ですが、やはり花が小ぶりで八重の形も良くありません。色彩も艶っぽい白ではなく、少しくすんだ白です。
 加茂花菖蒲園では、10数年にわたり、3万株以上の実生の中から八重を選別したといいますから、素人には簡単には良い花は出来ないと思いますね。
 今夜から明日に掛けても雨の予報。ここはじっくりと交配計画を立て、あさって以降、本格的な交配を始めようと思います。

2007年4月19日(木)
今日も冷え込みましたが、雨が上がってホット一息

 涼しさを超えて寒いくらいですね。そのため、桜草の花は長持ちしています。明日は晴天の予報。撮影日和となるようなので、写真は勿論、ハイビジョン・ビデオ撮影もしたいと思います。
 撮影後は、本格的な交配を始めたいと思います。今年は、交配の種類を最小限にして、先を急がすじっくりと確実な交配に取り組んでみようと思います。
 さて、写真は、カガリナデシコ弁の八重咲花です。
 左は、濃紅色の八重で、写真で見るより濃紅紫色の花です。花径がもう少し大きくなると良いんですが。
 右は、薄紫の八重です。薄紫花は涼しい感じがしますが、華やかさが少し足りないかな?でも良い感じ…
 八重咲種は、従来の桜草のように楚々として咲く花とは異なり、華やかな、或いは派手な花なので、今後は、益々この方向に向かって行くのではないでしょうか。

2007年4月20日(金)
久しぶりの晴天、撮影がはかどりました

 午前中は、絶好の撮影日和。春は強風が良く吹くのですが、今日は風も殆どなく順調に撮影できました。ただ、未撮影の桜草が少なかったのが残念です。
 本日撮影した写真で綺麗に撮れたものは、「写真集」に掲示しましたので、そちらを確認してください。
 午後は色々と野暮用があったので、午前中に写真・ビデオ撮影、そして交配をしようと思っていたのですが、思ったより撮影に時間がかかり、交配までは手が回らず、昼までには出来なくなり、明日に持越しすることにしました。
 桜草の交配親を決めるのと、それに掛け合わせる株を選別するのに、結構時間が掛かってしまいます。
 さらに、これらの株の「長柱花」と「短柱花」を選別し、異柱花同士の交配をしなければ種子は出来ないので、どれとどれを交配するのか考え交配を実行するには余りにも時間がありませんでした。
 明日の午前中に交配をすることにしました。
 ところで、新花は左の写真一種類のみでした。しかし、この花の色彩は従来種に酷似しており、残念ながら新鮮味はありません。
 また、実生の八重も特に紹介するようなものではありませんので割愛しました。
 全体の桜草の開花は、例年よりやや遅く、全体の6割ぐらいの開花状況で、昨年のような花盛りの雰囲気ではありません。
 右の写真がその一部分の開花状態です。一年のうちの僅か3〜4週間の短い桜草の競演です。

2007年4月21日(土)
暖かい一日でした。第一回の交配終了です。

 昨日出来ず順延していた交配作業、天候にも恵まれ、第一回を終了しました。
 八重咲種は短柱花が多いのですが、交配する長柱花のF1で良い花がなかなか見つかりませんでしたが、何とか使えそうな花を見つけ、4ケース(80株位)ほど交配をしました。
 受精確率を上げるには、第二回の交配が必要ですが、状況を見て行ないたいと思います。左の写真が、交配を終了した株です。
 また、実生株に新たな八重咲株が2株見つかりました。写真は明日にでも掲載したいと思いますが、変わり花ではありません。
 右の写真は、一昨年播種の株に開花した花です。丸い花びらに特徴があります。中心の花弁が大きくなるように交配をする必要があります。

<<前のページ | 次のページ>>

戻る