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はじめ通信9-1022

民営化の嵐にある北区の病院
民主党政権は社保病院をどう公的存続するのか

●10月21日に、健康保険病院労働組合(健保労組)と日本医療労働組合連合会(医労連)による、社会保険病院・厚生年金病院、新宿診療所の公的存続を求める、厚生労働省前の座り込み・要請行動に参加した北区の「社保病院存続させる会」と、そねはじめ前都議、中川大一区議は、住民の皆さんとともに、政府庁舎前で、今臨時国会への社保病院公的存続の法案提出を訴え、代表が省内に入り、担当職員に政府への要望書を手渡しました。

●鳩山政権発足直後の9月21日、厚労大臣の指示で、社会保険病院と厚生年金病院については売却路線を撤回し、公的存続の方針が出されました。
 さっそく、「整理機構(RFO・・社保庁の病院その他の施設を売却するための組織)」の「売却予定施設リスト」から、社保病院・厚生年金病院が削除されました。(ここからクリックできます)

●現在の課題は、26日開会の臨時国会に、社保病院などを存続させるための法律改正案が提出できるかどうかです。
 さる10月9日に、「存続させる会」代表が、昨年の集会に出席した民主党の谷博之参院議員に面会して聞いたところ、「公的存続の方針は明確だが、臨時国会に法案が間に合うかどうかは、厳しい見通し」との話だったといいます。

●21日の厚労省の社保庁担当者との交渉で明らかになったのは、担当者としては、何とか法案を、この臨時国会に間に合わせる意向であることです。参加した浜松病院、東京北社保病院、新宿中央病院、鎌田社保病院、福島・二本松病院の、患者・住民代表は、法案提出を強く要望し、厚労省を激励しました。

●さらに健保労組が厚労省からの聞き取りを基に、今後のスケジュールとして作成したのが下の図です。
 法案が臨時国会で成立しても、新たな受け皿となる「地域医療機能推進機構(推進機構)」には理事15人を予定しており、発足には一定の時間がかかるため、来年9月までのRFOの存続期限を半年間延長させ、2011年4月に推進機構を発足させて、60数箇所の病院を移管することになりそうです。

●しかも、これまで大半の社保病院の運営を委託してきた全国社会保険事業連合会(全社連)などが、社保庁と運命を共にして解体される見通しであることから、2013年春までには全社連への各病院の運営委託を打ち切り、以後、病院は推進機構の直営ということになるそうです。
 ただし、東京北社保病院の委託先は地域医療振興協会なので、運営委託をやめれば自治医大からの医師供給ができなくなり、これまでの手厚い小児救急体制などが維持できにくくなるため、北社保病院が国機構の直営でよいのか、直営にしないとすれば、今の委託先のままで、どこが保有できるのか、などが懸案となりかねません。

●厚労省は、北区に、社保病院保有を働きかける可能性を示唆しているとのことですが、誰が見ても無責任です。
 と同時に、区民にとってはどれが最も適切な道なのかは、慎重な検討が必要でしょう。

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