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はじめ通信9−0618

知事が表明した少子化克服の総合対策を早期に公表・実施せよ

●都議選直前の第2回定例会は、都議会の慣習で短期間で行なわれ、以前はほとんど議案もない議会でしたが、最近は激動の政治情勢を反映して、さまざまな動きが起きています。前回の2005年にも、浜渦副知事を解任に追い込んだ百条委員会が4月から断続して続けられ、最後まで論戦が行なわれたり、子どもの医療費助成について、都民要望を重く受け止める旨の前進的な答弁を引き出すなど、その後の知事選での「中学生まで無料化」公約に知事を追い込むきっかけともなりました。

●今度の定例会でも、知事の所信表明で、今年度の保育所定員増の目標を5千人規模から8千人へと1・5倍に増やすことが突然表明されるなど、変化がありました。
 また、知事の答弁で、少子化の流れを変えるため、「かつてない重層的で複合的な対策を早急に行なう」との表明がありました。

●しかし定例会の後も、どのような対策を行なうのか、発表はありません。
 そこで、共産党都議団として、いち早く総合的な少子化対策を提案した、2004年12月の私・曽根はじめの代表質問の提案をはじめ、この間私たちが提案してきた少子化対策の考え方や、目標などを、知事が検討している「少子化対策」に盛り込むよう、具体的な政策も含めて、申入れを行ないました。

●2004年12月の代表質問では、少子化対策として、数々の手当てなどの経済給付を支給することで、出生率の大幅に引き上げに成功したフランスに学ぶよう提案したのに対して、普段なら共産党の提案には乗ってこない知事自身が、フランスの対策を評価し、「機会があれば調査に行きたい」などと、踏み込んだ答弁さえ行ないました。
 ただ、5年たってもいまだに、知事がフランスに調査に出かけた話も、研究した政策も聞こえていません。

●今回は改めて、2004年の代表質問提案の基本と、その後の情勢を踏まえて、@児童手当や出産一時金の上乗せ、A仕事と家庭の両立支援、B若年世代の公的住宅・家賃助成実現、その他の経済負担軽減、C働き方の改革、D住宅・保育・医療など子育て環境の整備、などで少子化の総合対策を緊急に公表・実施するよう、強く申し入れたものです。

●以下に、申入れ文を紹介します。

東京都知事 石原慎太郎殿

2009年6月9日
日本共産党東京都議会議員団

 少子化克服にむけた総合対策の早期実施を求める申し入れ

 日本共産党都議団は、2004年12月の都議会代表質問で、全国でもっとも深刻な東京の少子化克服にむけて、家族手当など20種類もの経済給付を充実させ、週35時間労働制を実現しているフランスや、医療費も教育費も大学まで無料、青年に住宅手当を支給して自立を促進しているデンマークの例などをあげて、都として先進的で総合的な対策をうちだすよう提案しました。

 これにたいし石原知事は、フランスが思い切った経済支援を子育て家庭に実施していることを評価し、「調査をしたい」と答弁しましたが、その後5年がたちました。少子化の克服は、ますます重要かつ緊急の課題になっており、日本共産党都議団はくり返し、施策の充実を求めてきました。今回の6月都議会で、知事がようやく、少子化の流れを変えるために「かつてない重層的で複合的な対策を早急に行う」と表明したことは重要です。

 日本共産党都議団は、青年団体とともに、若者の「仕事、子育て、生活、学費アンケート調査」にとりくんでいますが、「子育てにかかるお金の負担が重い」「経済的に心配で、子どもをもてない」「休みがとれない」「仕事が見つからない」「家賃が高い」「家が狭い」など、切実で深刻な声が多数よせられています。こうした現状を緊急に打開し、若い世代が自立して生活ができ、安心して子どもを産み育てることができる環境整備をすすめることなしに、少子化を克服することはできません。

 日本共産党都議団は、児童手当や出産育児一時金の都独自の上乗せ、仕事と家庭の両立支援の拡充、若者や子育て世帯向けの公的住宅整備、家賃助成をふくむ「経済負担の軽減」「働き方の改革」「住宅・保育・医療など子育て環境整備」をはじめ、少子化克服にむけた総合対策を、都として緊急に具体化し、実施にふみだすことを重ねて要請するものです。

 以 上

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