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はじめ通信8−0522
「この期に及んで」シリーズD
全国初めて橋下大阪府知事が、
いったん始めた少人数学級を四〇人学級に戻す策動


●今年、初当選した橋下徹大阪府知事は、どうやら大阪府民の支持をつなぎとめていくための戦略として、これまでの官僚出身の太田房江知事にはなかった、意表をつく大胆なトップダウンによる、住民サービスなどの切りこみを進めることをねらっているようです。
 そして、その手法は、関西風の”泣き落とし”も見せながら、中心は「財政赤字」を口実に、東京都の石原慎太郎知事を真似た、高飛車な政策や姿勢を押しとおすことで、大阪府民から「若いのに頼もしい」「とにかく頑張ってる」と言われるのをねらっているようです。


●先日、大阪府内の市長会との協議の場で、今年度からの補助金カットをとおすために涙まで見せているのが報じられましたが、一見、熱血漢のようにふるまいながら、中身としては、あらゆる分野で、住民にとってかけがえのない事業や施設を廃止や売却に追いやろうとしているのではないでしょうか。
 とりわけ、その中には、全国の児童文学愛好者の寄付や協力で建設され、その後大阪府の管理運営となった、大阪の児童図書館の廃止計画や、珍しく太田房江知事が自民や公明の抵抗を抑えて実施に踏み切った小学校低学年の少人数学級まで、40人のすし詰め学級に戻すことによる教員減らしで、30億円を削減する計画まで含まれています。


●いま、労働組合などが橋下知事を批判すると、テレビなどのマスコミからたたかれるだけでなく、抗議電話が殺到するそうです。
 しかし先日、アイススケートの高橋選手らトップアスリートが、橋下知事のリストラ対象にあげられた大阪府立のアイススケート場を守るために、演技と訴えをを行なって、マスコミでも報道されたように、子どもたちの成長や教育に必要な事業や施設まで、十杷一からげに後退させようとする態度は、必ず大きなしっぺ返しを受けざるを得ないと思います。


●5月19日の日経新聞夕刊には、同日午前に橋下知事が、吹田市の小学校を訪ね、少人数学級の授業を見た後、校長に話を聞いたとの記事が載りました。(右の記事)
 校長は、「一人一人の児童と接する時間が多い少人数学級は効果がある」と力説して、橋下知事も「合理性を感じた」と応じたと言うのですが、もともと、国の文部科学省でさえ少人数学級の優位性を認め、自治体の裁量での実施が進められて、既に全国では東京都以外の全道府県で進んでいます。これを逆転させようとするなら、まさに石原知事に勝るとも劣らぬ教育改悪と言うべきでしょう。


●いっとき頼もしそうに見えるトップダウンが、どういうみじめな末路をたどり、住民に多大な迷惑をかけることになるか、東京の石原トップダウンの鬼っ子である、新銀行への追加出資や、築地の世界一の水産物市場を、オリンピックのメディアセンターの建設のためと言う理由で、突然、豊洲の東京ガス工場跡地に移転するとしていた計画が、頓挫しかかっており、それぞれ1千4百億円とか、2千億円以上の途方もないムダ遣いが、かなり手遅れに近くなってから判明している姿を、大阪府民には、よく見てほしいと思います。


●それでも、知事になってから一度も40人のすし詰め学級を見ようともせず、実態を無視したままにしている石原知事の態度から見れば、現場を観に行っただけ、よほどましかもしれません。

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