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民営化の嵐のなかにある北区の病院8−0718

RFO整理機構の実態とは・・・

”残り2年、民間優先で売りまくり後は野となれ山となれ”

●与党の自民・公明が、北社保病院を含めて社会保険庁の全医療機関を売りに出すことを前提に、「出資」という形で移管することを決めたという、RFO(独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構)とはどういう組織でどんな「実績」を挙げているのか調べてみました。

●RFOは2005年10月に設立され、5年間で社会保険庁保有の313施設を出資して移管し、売却される予定とされ、設立時点で288施設、現在は302施設まで出資・移管されています。

●予定されながらまだ社会保険庁から移管(出資)されていない11施設のうち10箇所は、厚生年金病院です。RFOのHPの、出資された施設リストの欄外に、「今後、医療機関が順次、出資される予定」と書かれているので、RFOの担当者に電話で確認したところ、既にRFO設立時点から全ての厚生年金病院が、出資され売却リストに載ることが政府の方針で決まっているので、そのように記述してあるとのことでした。

●東京北社会保険病院を含め、全国54箇所の社会保険病院は、今のところ出資予定に入っていないと、担当者は答えたので、とりあえずほっとしましたが、与党合意がされた以上、いつリストに入ってもおかしくない状態です。

●RFOは、14の不動産企業に売却の入札をまかせ、民間のノウハウを活かしながら、最小限のコストで市場価格による最大の売却益が得られることを原則に処分を進めていくことをうたっています。

 これまでの国有地処分のように、まず自治体などに最優先ではたらきかけ、優遇価格で譲渡するというやり方ではありません。施設の利用目的も変更してかまわないようです。

 したがって既に売却した164件のうち、自治体や公社などへの売却は4件しかなく、医療や学校、福祉法人などへの売却も27件にとどまる一方、営利企業向けが80件と圧倒的です。(下の表参照)

●さらに問題なのは、売却先が要求した場合、名前を公表しないでよいため、売り先が名称不明の匿名「法人」というのが、61件もあるということです。

誰がどういう目的で購入したのか、今後どうなっていくのか闇のままで売りさばき、住民が気づく頃にはとんでもない施設に豹変しているかもしれないのです。

地域医療の中核である厚生年金病院が、同じやり方で処分された場合、地元で大きなトラブルがおきることも予想されますが、さすがに、厚生年金病院はいまだに移管自体が実施されていません。

●自民・公明は、厚生年金病院と同じように、社会保険病院も扱えるだろうと考えたのかもしれませんが、明らかにムダ遣いだと分かっている他の施設と違い、各地域の医療拠点である病院を、こんなやり方で,どんどん売却していけるのか、各地域で、大変な住民・患者とのトラブルは避けられないでしょう。

●次号では、相対的に規模の小さい診療所がすでに売却された例で、どんなことが起こっているのか見てみたいと思います。

 発足後のRFOによる出資施設の売却実績数(売却相手別・年度別)

 

総数

営利企業

自治体等

公的法人

匿名法人

個人

05年度

    9

   3

   1

   1

   2

  2

06年度

70

  33

   1

   3

  32

  1

07年度

97

  44

   2

23

27

  1

 

 

※164

  

80

   

 

27

   

61

  

※同じ施設で売却物件が複数の場合があるので年度・種類別の件数は総数と合いません。

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