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はじめ通信8−0611
シリーズ「この期に及んでG」
現職校長が首をかけて告発したのに、何も答えられない都教委とは何なのか

●5月21日の朝日新聞夕刊に、都立三鷹高校の土肥さんという校長が実名で、職員会議での挙手や採決を禁じた都教委の通知によって、職員会議が形骸化し、生徒に接している教員の意見が反映されにくくなり、学校の活性化はできないと、現職校長でありながら、勇気をもって告発しました。
 以下に、その記事の大要を紹介します。

■都立高校長、教委に反旗「職員会議で挙手禁止おかしい」

 東京都教育委員会が都立学校の職員会議で挙手や採決を禁じた通知に、都立三鷹高校の土肥信雄校長(59)が「現場の言論の自由が失われている」と撤回を求めている。都立高校の改革に現職校長が異議を申し立てるのは異例だが、都教委は「方針を変えるつもりはない」としている。

 通知は06年の「学校経営の適正化について」。「職員会議を中心とした学校運営からの脱却」を掲げ、校長の意思決定に影響を与えないよう、職員会議での挙手や採決で教職員の意向をはかるのを「不適切であり、行わないこと」とした。翌年、通知が守れていないとして4校の校長を厳重注意した。

 これに対し、土肥校長は「教員に何を言っても仕方がないという空気が広がり、職員会議でほとんど意見が出なくなった。生徒に日々接する教員の声が直接反映されないと、活性化につながらない」と昨年秋以降、校長連絡会などで通知の撤回を求めてきた。自校では職員会議で多くの教員に発言を求め、意思決定の参考にしているという。

 土肥校長は東京大学卒。学生の頃は東大紛争の時代で、クラス討論や集会に参加。商社に就職後、「平等や平和主義を生徒と考える仕事を」と免許をとって高校の政治経済の教師になり、02年から校長に。「都教委は校長主導といいながら、校長を自らのロボットにしている。民主主義を教える教育の世界で言論の自由がないのは許されない」と語る。

 都立校の校長の一人は「土肥校長の言う通りだが、教職員組合に決定権を握られると困る。都教委か組合かと言われれば、多くの校長は都教委につくしかない」と話す。

 都立高校の保護者や教員、市民らでつくる「自由の風ネットワーク」は土肥校長の主張を5月に入って知り、「教育者としての信念を貫かれる校長先生に敬意を表する」と校長を支援し、通知に反対する署名活動を開始。1200人を超えたという。それを21日午後、都教委に渡し、通知の撤回を求める予定だ。

●都立学校の運営を「校長の権限強化」を理由にがんじがらめにしているのは、職員会議の挙手を禁じた通達だけではなく、それを日常的に監視するための「学校経営支援センター」という組織であり、ここが職員を随時学校に廻らせ、職員会議の議事録を点検したり、校長などに「支援」と証する、事実上の支持・命令を出して、教員が声を上げられないよう押さえつける役割を果たしていることは、今年2月21日に、わが党が記者会見で明らかにしたとおりです。(ここからクリック
 マスコミでも時おり報道されてきた、この都立学校での異常な学校運営に、ついに現場の責任者である校長先生から声が上がったことは、非常に重要です。

●この記事で紹介している校長の発言で、私が「やはりそうか」と思ったのは、土肥校長の「都教委は校長主導といいながら、校長を自らのロボットにしている。」と語ったことばです。
 この通達の徹底を都教委に強く迫った2006年3月16日の自民党都議の予算特別委員会での質疑のとき、私が思わず「それだったら、校長を人間じゃなくロボットにしろということじゃないか」と野次ったら、議場はしんとなって、異様な雰囲気だったのを思い出しました。その場の誰もが、私と同じ印象を受けたのではないかと感じています。

●この夕刊が出た翌日、5月22日には、都教委が開かれていますが、都の教育庁側からはもちろん、教育委員からも、一言も、この重大な記事のことは発言がなかったといいます。そうそうたるメンバーがいながら、現場からの痛切な告発に、何の反論もないとは情けない話です。もし報道の直後だったからというなら、今月の都教委で果たして論議がなされるか、注目されるところです。
 6日の東京新聞に、都教委には教育分野で仕事をした人はいるが、教育学の専門家がいないということを指摘して、本当に学校現場の問題や苦しみに応えられるのかという問題提起が小さく載っていました。
 それどころか教育を外から捻じ曲げようとする石原知事の言いなりでやってきた人たちだと、私は言いたいところですが、ようやく、このメンバーによって、この数年間のあいだに、どのような「教育改革」が行なわれてきたのか、そのベールがはがされ、あまりに異常な真の実態が都民から問われるときが近づいてきたように思います。

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