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はじめ通信7−0605
予想以上にシンプルな店内
かいま見えた住宅難民の若者の姿

●都議団として5月31日の夜、新宿でネットカフェ調査を行ないました。事前に新宿のネットカフェをインターネットなどで調べ、東京都の信託ビルや高級ホテルなどにもネットカフェがあるのを知りました。ただしこれらは1時間の利用料が300円から400円程度で、長時間割引がなく、いわゆるネットカフェ難民の溜まり場ではありません。
 あるチェーン店のネットカフェに電話をして、利用客や店長さんへの取材を申し込みましたが、予想通りことわられました。あとは利用客として体験することと、店以外で利用客の事情を聞くしかありません。

●都議団から3人、民主青年同盟と青年党員など計6人で打ち合わせの後、新宿のあるお店を訪ねました。1軒は、シャワーがなく、短時間の利用客が殆どでしたが、もう1軒は、5〜6時間で1000円程度の長時間割引があり、シャワーが無料で使えるなど泊りができそうな店でした。私はそちらのお店を利用してみることにしました。

●中は2つのフロアーにわたって、迷路のような通路に沿って、簡単なパネルで仕切られた畳1畳以下の個室に別れていて、そのほかにフリードリンクコーナーとシャワー室、漫画がぎっしり並んだコーナーなどがありました。
 個室の中は、パソコンと背もたれ付きの椅子と足置き台があるだけ。少し背を傾ける程度で、横になることはできません。
 驚いたのは、パネルの上は天井まで吹き抜けになっていて、隣近所の飲み物を飲むストローの音や既に寝ている人のいびきなど筒抜けになってしまうことです。自然と無言で過ごすしかないことになり、かえって悪いことはなかなかできにくい環境です。シャワーに申し込んだらすでに予約が入っていてあきらめました。

●窮屈さになれてしまえば1時間ほど、飲み物でも飲みながらくつろぐには格好の場所かもしれません。お店から出てきた青年へのインタビューでは、以前、家をとび出して一月ほど寝場所に使ったことがあるとか、自分は短時間の利用だが、夜長時間を過ごしている人を知っていると言う話は聞けました。「やはり、アパートを借りるのに敷金と礼金で30万円ぐらいかかるのが問題ではないか」と言う意見もあり、ネットカフェを選ばざるを得ないワーキングプアーの実情もかいま見えました。

●ネットカフェだけではなく、様ざまな場所で夜の居場所を確保している青年の実態、その背景に何があるのか、政治に何ができるのか、見極めるためにさらに調査を継続するつもりです。

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